2 調査結果の概要
1 薬物に対する認識
(1) 薬物名の周知度
最近,乱用が問題になっている薬物について,知っている名前があるか聞いたところ,「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」を挙げた者の割合が88.9%,「シンナー」を挙げた者の割合が87.6%と高く,以下,「コカイン」(81.1%),「ヘロイン」(80.3%),「あへん」(76.4%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)
前回の調査結果(平成11年11月調査結果をいう。以下同じ)と比較して見ると,「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」(93.3%→88.9%),「シンナー」(93.3%→87.6%),「コカイン」(84.4%→81.1%),「あへん」(79.2%→76.4%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「シンナー」,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は大都市で,「コカイン」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「コカイン」,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」を挙げた者の割合は15歳〜19歳,20歳代から50歳代で,「シンナー」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,「コカイン」を挙げた者の割合は20歳代から50歳代で,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(図1,表1,参考表1,2,参考表3)
前回の調査結果(平成11年11月調査結果をいう。以下同じ)と比較して見ると,「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」(93.3%→88.9%),「シンナー」(93.3%→87.6%),「コカイン」(84.4%→81.1%),「あへん」(79.2%→76.4%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「シンナー」,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は大都市で,「コカイン」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「コカイン」,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」を挙げた者の割合は15歳〜19歳,20歳代から50歳代で,「シンナー」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,「コカイン」を挙げた者の割合は20歳代から50歳代で,「ヘロイン」,「あへん」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(図1,表1,参考表1,2,参考表3)
ア 覚せい剤に対する認識
「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」を知っていると答えた者(2,331人)に,覚せい剤についてどう思うか聞いたところ,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合が98.3%(「非常に恐ろしいものだと思う」91.5%+「どちらかといえば恐ろしいものだと思う」6.8%),「恐ろしいものだとは思わない」とする者の割合が0.5%(「あまり恐ろしいものだとは思わない」0.4%+「全然恐ろしいものだとは思わない」0.1%)となっている。
都市規模別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は女性で高くなっている。(図2,表2)
都市規模別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は女性で高くなっている。(図2,表2)
(ア) 覚せい剤を恐ろしいと思う理由
「覚せい剤(エス,スピード,シャブ)」を知っていると答え,覚せい剤を「恐ろしいものだと思う」とする者(2,291人)に,その理由を聞いたところ,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合が89.4%と最も高く,以下,「1回でも使うとやめられなくなる」(70.9%),「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」(61.6%),「犯罪に巻き込まれる」(60.9%),「使ったり,所持することは犯罪」(57.7%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」(55.2%→61.6%),「使ったり,所持することは犯罪」(52.6%→57.7%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合は大都市で,「犯罪に巻き込まれる」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「1回でも使うとやめられなくなる」,「犯罪に巻き込まれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」,「犯罪に巻き込まれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者は40歳代で,それぞれ高くなっている。(図3,表3)
前回の調査結果と比較して見ると,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」(55.2%→61.6%),「使ったり,所持することは犯罪」(52.6%→57.7%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合は大都市で,「犯罪に巻き込まれる」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「1回でも使うとやめられなくなる」,「犯罪に巻き込まれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」,「犯罪に巻き込まれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者は40歳代で,それぞれ高くなっている。(図3,表3)
イ 大麻(乾燥大麻,大麻樹脂)に対する認識
「乾燥大麻(マリファナ)」,「大麻樹脂(ハシッシュ)」(のいずれか,または両方を)知っていると答えた者(2,140人)に,大麻(乾燥大麻,大麻樹脂)についてどう思うか聞いたところ,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合が94.1%(「非常に恐ろしいものだと思う」79.1%+「どちらかといえば恐ろしいものだと思う」15.0%),「恐ろしいものだとは思わない」とする者の割合が2.6%(「あまり恐ろしいものだとは思わない」2.3%+「全然恐ろしいものだとは思わない」0.2%)となっている。
性別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は女性で高くなっている。(図4,表4)
性別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は女性で高くなっている。(図4,表4)
(ア) 大麻を恐ろしいと思う理由
大麻(「乾燥大麻(マリファナ)」,「大麻樹脂(ハシッシュ)」のいずれか,または両方)を知っていると答え,大麻を「恐ろしいものだと思う」とする者(2,013人)に,その理由を聞いたところ,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合が84.1%と最も高く,以下,「1回でも使うとやめられなくなる」(65.4%),「所持することは犯罪」(56.6%),「犯罪に巻き込まれる」(55.2%),「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」(53.2%),「急性中毒で意識障害などをおこす恐れがある」(51.9%)となっている。(複数回答)
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「1回でも使うとやめられなくなる」,「所持することは犯罪」,「犯罪に巻き込まれる」,「急性中毒で意識障害などをおこす恐れがある」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「所持することは犯罪」,「犯罪に巻き込まれる」,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」を挙げた者の割合は40歳代で高くなっている。(図5,表5)
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「1回でも使うとやめられなくなる」,「所持することは犯罪」,「犯罪に巻き込まれる」,「急性中毒で意識障害などをおこす恐れがある」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「所持することは犯罪」,「犯罪に巻き込まれる」,「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」を挙げた者の割合は40歳代で高くなっている。(図5,表5)
ウ MDMAに対する認識
「MDMA(エクスタシー)」を知っていると答えた者(658人)に,MDMA(エクスタシー)についてどう思うか聞いたところ,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合が87.4%(「非常に恐ろしいものだと思う」69.9%+「どちらかといえば恐ろしいものだと思う」17.5%),「恐ろしいものだとは思わない」とする者の割合が4.0%(「あまり恐ろしいものだとは思わない」3.3%+「全然恐ろしいものだとは思わない」0.6%)となっている。
年齢別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は40歳代で高くなっている。(図6,表6)
年齢別に見ると,「恐ろしいものだと思う」とする者の割合は40歳代で高くなっている。(図6,表6)
(ア) MDMAを恐ろしいと思う理由
「MDMA(エクスタシー)」を知っていると答え,MDMAを「恐ろしいものだと思う」とする者(575人)に,その理由を聞いたところ,「中毒で心や体がむしばまれる」を挙げた者の割合が79.7%と最も高く,以下,「1回でも使うとやめられなくなる」(68.5%),「使ったり,所持することは犯罪」(58.4%),「乱用者が殺人,窃盗,暴行などの二次犯罪を起こす」(57.9%),「犯罪に巻き込まれる」(56.9%),「急性中毒で死亡する恐れがある」(50.8%)となっている。(複数回答)
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図7,表7)
性別に見ると,「中毒で心や体がむしばまれる」,「使ったり,所持することは犯罪」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図7,表7)
(2) 薬物に関する知識の内容
薬物に関することについて,見たり,聞いたりしたことがあることは何か聞いたところ,「薬物の心身に及ぼす弊害や中毒について」を挙げた者の割合が58.9%と最も高く,以下,「薬物の青少年の乱用について」(52.7%),「薬物乱用者による殺人,放火,強盗・窃盗などの二次犯罪について」(51.1%),「薬物の名前や形,使い方など」(46.3%)などの順となっている。なお,「見たことも聞いたこともない」と答えた者の割合が10.0%となっている。(複数回答,上位4項目)
都市規模別に見ると,「薬物の心身に及ぼす弊害や中毒について」,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は大都市で,「薬物乱用者による殺人,放火,強盗・窃盗などの二次犯罪について」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「薬物の心身に及ぼす弊害や中毒について」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「薬物の青少年の乱用について」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「薬物乱用者による殺人,放火,強盗・窃盗などの二次犯罪について」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は15歳〜19歳,20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図8,表8,参考表)
都市規模別に見ると,「薬物の心身に及ぼす弊害や中毒について」,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は大都市で,「薬物乱用者による殺人,放火,強盗・窃盗などの二次犯罪について」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「薬物の心身に及ぼす弊害や中毒について」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「薬物の青少年の乱用について」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「薬物乱用者による殺人,放火,強盗・窃盗などの二次犯罪について」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「薬物の名前や形,使い方など」を挙げた者の割合は15歳〜19歳,20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図8,表8,参考表)
ア 薬物に関する知識の情報源
薬物に関することを「見たことも聞いたこともない」,「わからない」と答えた者以外の者(2,280人)に,見たり聞いたりしたのは何によってか聞いたところ,「テレビ,ラジオ」を挙げた者の割合が95.3%と最も高く,以下,「新聞」(71.5%),「本,雑誌」(32.9%),「ポスター,パンフレット」(28.8%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
都市規模別に見ると,「新聞」を挙げた者の割合は大都市で,「本,雑誌」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「テレビ,ラジオ」を挙げた者の割合は女性で,「新聞」,「本,雑誌」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「テレビ,ラジオ」を挙げた者の割合は60歳代で,「新聞」を挙げた者の割合は40歳代から60歳代で,「本,雑誌」,「ポスター,パンフレット」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(図9,表9,参考表)
都市規模別に見ると,「新聞」を挙げた者の割合は大都市で,「本,雑誌」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「テレビ,ラジオ」を挙げた者の割合は女性で,「新聞」,「本,雑誌」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「テレビ,ラジオ」を挙げた者の割合は60歳代で,「新聞」を挙げた者の割合は40歳代から60歳代で,「本,雑誌」,「ポスター,パンフレット」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(図9,表9,参考表)
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