9.維持管理
(1) 道路構造物の維持修繕、更新の考え方
高度経済成長期に集中的に整備されてきた橋などの老朽化が今後進んでいくが、これらの橋などについて、どのように維持や修繕、更新を行うべきだと思うか聞いたところ、「修繕するよりも積極的に更新(作り直し)を進める」と答えた者の割合が21.1%、「傷みが大きくなってから修繕し、必要に応じて更新(作り直し)を進める」と答えた者の割合が5.3%、「傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる」と答えた者の割合が41.1%、「交通量などを考慮して、優先的に維持修繕を行う橋などの対象を絞って、集約や撤去を進める」と答えた者の割合が25.0%、「特に修繕はしない(利用できなくなる橋などがでてきてもやむを得ない)」と答えた者の割合が0.7%となっている。
年齢別に見ると、「傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる」と答えた者の割合は70歳以上で高くなっている。(図14、表14(CSV形式:2KB)、表14-参考1(CSV形式:2KB)、表14-参考2(CSV形式:1KB)、表14-参考3(CSV形式:1KB))
(2) 利用者が少なくなった橋の対応
道路の橋は、全国に72万橋がかけられている。橋の維持修繕にはコストがかかる一方で人口減少などにより利用者が少なくなったものの、利用されている橋もある。このような橋についてどのような対応を行うことがよいと思うか聞いたところ、「迂(う)回路を示した上で撤去すべき」と答えた者の割合が21.8%、「自転車・歩行者専用とするなど、橋の規模を縮小し残すべき」と答えた者の割合が38.1%、「少数でも利用者がいれば、修繕などを引き続き行い残すべき」と答えた者の割合が37.1%となっている。
都市規模別に見ると、「迂(う)回路を示した上で撤去すべき」と答えた者の割合は小都市で、「自転車・歩行者専用とするなど、橋の規模を縮小し残すべき」と答えた者の割合は大都市で、「少数でも利用者がいれば、修繕などを引き続き行い残すべき」と答えた者の割合は町村で、それぞれ高くなっている。
性別に見ると、大きな差異は見られない。
年齢別に見ると、「迂(う)回路を示した上で撤去すべき」と答えた者の割合は30歳代で高くなっている。(図15、表15(CSV形式:1KB))
(3) 車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応
車両の大型化が進むことにより、物流の効率化やコストの削減が促進される。その一方で、橋や道路の劣化については、重い車両の走行が、主な要因の1つといわれている。これらのことについて、どのように考えるか聞いたところ、「重い車両が走行できる道路を限定して、橋や道路への影響を軽減する」と答えた者の割合が54.8%、「重い車両が走行できるよう、費用をかけてより頑丈な橋・道路に作り替える」と答えた者の割合が19.0%、「重い車両が走行できるよう、橋や道路の劣化が発見され次第、その都度費用をかけて修繕していく」と答えた者の割合が20.8%、「特に対策は取らない(橋や道路が劣化により、その他の車両も含めて走行できなくなっても仕方がない)」と答えた者の割合が1.7%となっている。
都市規模別に見ると、「重い車両が走行できる道路を限定して、橋や道路への影響を軽減する」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると、大きな差異は見られない。
年齢別に見ると、「重い車両が走行できるよう、費用をかけてより頑丈な橋・道路に作り替える」と答えた者の割合は18~29歳、40歳代で、それぞれ高くなっている。(図16、表16(CSV形式:1KB)、表16-参考(CSV形式:2KB))
(4) 修繕が必要な橋やトンネルの情報公表に対する意識
老朽化により修繕が必要となっている橋やトンネルについて、その情報(名称、位置、老朽化の度合いなど)を公表することは安全・安心な暮らしのために重要であるとの考えがある一方、周辺の地価などに影響を及ぼす恐れがあるため公表する必要はないとの考えもある。自分が住んでいる地域に修繕が必要な橋やトンネルがあった場合、その情報の公表の必要性について、どのように考えるか聞いたところ、「必要である」とする者の割合が94.4%(「必要である」68.1%+「どちらかといえば必要である」26.3%)、「必要はない」とする者の割合が4.0%(「どちらかといえば必要はない」2.8%+「必要はない」1.2%)となっている。
都市規模別に見ると、「必要である」とする者の割合は中都市で高くなっている。(図17、表17(CSV形式:1KB))