2 調査結果の概要
- 地球規模の水問題に対する意識
(1) 世界各地で発生している水問題
開発途上国を中心とする世界各地では,人口の急増や産業の著しい発展などによって,水に関する問題が発生していることを聞いたことがあるか聞いたところ,「安全な飲料水が十分に確保できないこと」を挙げた者の割合が58.6%,「水質汚染が進行し,病気の主な原因になっていること」を挙げた者の割合が56.3%と高く,以下,「大洪水が発生し,洪水被害が増大していること」(50.0%),「水不足により食糧難を起こしていること」(47.9%)などの順となっている。(複数回答,図23)
性別に見ると,「大洪水が発生し,洪水被害が増大していること」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「安全な飲料水が十分に確保できないこと」,「水質汚染が進行し,病気の主な原因になっていること」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「大洪水が発生し,洪水被害が増大していること」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「安全な飲料水が十分に確保できないこと」,「水質汚染が進行し,病気の主な原因になっていること」,「大洪水が発生し,洪水被害が増大していること」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表23)(2) 地球温暖化による水問題
世界的に,地球温暖化によって水問題がさらに深刻化することが懸念されていますが,どの様なことが心配だと思うか聞いたところ,「降水量の変化による自然環境や生態系への影響」を挙げた者の割合が55.4%,「海面の上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫」を挙げた者の割合が52.4%と高く,以下,「洪水や土砂災害の頻発」(44.5%)などの順となっている。(複数回答,図24)
都市規模別に見ると,「降水量の変化による自然環境や生態系への影響」を挙げた者の割合は中都市で,「海面の上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「海面の上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫」を挙げた者の割合は男性で,「洪水や土砂災害の頻発」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「降水量の変化による自然環境や生態系への影響」を挙げた者の割合は40歳代で,「海面の上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫」を挙げた者の割合は20歳代,50歳代で,「洪水や土砂災害の頻発」を挙げた者の割合は60歳代で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「降水量の変化による自然環境や生態系への影響」,「海面の上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表24)(3) 世界的な水問題解決のための日本の援助や協力
世界的な水問題の解決のために,日本はどの程度の援助や協力を行う必要があると思うか聞いたところ,「必要がある」とする者の割合が84.2%(「積極的に援助や協力を行う必要がある」22.8%+「ある程度は援助や協力を行う必要がある」61.4%),「必要はない」とする者の割合が8.0%(「あまり援助や協力を行う必要はない」6.0%+「全く援助や協力を行う必要はない」2.0%)となっている。
年齢別に見ると,「必要がある」とする者の割合は20歳代,40歳代で高くなっている。(図25)
職業別に見ると,「必要がある」とする者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表25)ア 援助・協力の内容
「援助や協力を行う必要がある」とする者(1,778人)に,日本はどのような援助や協力を行う必要があると思うか聞いたところ,「技術支援」を挙げた者の割合が81.2%と最も高く,以下,「調査・研究」(49.6%),「基金等民間(国民)を含めた形での協力」(26.1%)などの順となっている。(複数回答,図26)
性別に見ると,「技術支援」を挙げた者の割合は男性で,「基金等民間(国民)を含めた形での協力」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「技術支援」を挙げた者の割合は40歳代で,「調査・研究」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「技術支援」,「調査・研究」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表26)
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