2 調査結果の概要
- 生活環境に関する意識について
(1) 現在の生活環境の満足度
現在の生活環境に満足しているか,それとも満足していないか聞いたところ,「満足している」とする者の割合が68.9%(「満足している」23.2%+「まあ満足している」45.7%),「満足していない」とする者の割合が17.7%(「あまり満足していない」12.6%+「満足していない」5.1%)となっている。なお,「どちらともいえない」と答えた者の割合が13.2%となっている。(図1)
前回の調査結果と比較して見ると,「満足している」(66.1%→68.9%)とする者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「満足している」とする者の割合は町村で,「満足していない」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「満足している」とする者の割合は女性で,「満足していない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「満足している」とする者の割合は男女とも70歳以上で,「満足していない」とする者の割合は男性の20歳代で,それぞれ高くなっている。(表1)
(2) 今後良くなってほしい生活環境
身近な生活環境の中で,今後,特によくなってほしいと思うものは何か聞いたところ,「医療・福祉」を挙げた者の割合が52.4%と最も高く,以下,「生活環境施設(道路、下水道、公園など)」(30.1%),「交通の利便性」(26.4%),「治安のよさ」(26.3%)などの順となっている。 前回の調査結果と比較して見ると,「医療・福祉」(57.3%→52.4%),「生活環境施設(道路、下水道、公園など)」(39.0%→30.1%)を挙げた者の割合が低下し,「治安のよさ」(14.5%→26.3%)を挙げた者の割合が上昇している。(3つまでの複数回答,図2) 都市規模別に見ると,「生活環境施設(道路、下水道、公園など)」を挙げた者の割合は小都市,町村で,「交通の利便性」を挙げた者の割合は町村で,「治安のよさ」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。 性別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。 性・年齢別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性の50歳代,60歳代で,「生活環境施設(道路、下水道、公園など)」を挙げた者の割合は女性の20歳代,30歳代で,「交通の利便性」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表2)(3) 理想の居住地域
これから住むとしたら,どんなところが理想だと思うか聞いたところ,「地方圏の町村」と答えた者の割合が23.8%と最も高く,以下,「地方圏のその他の市」(21.7%),「三大都市圏の主な都市(東京23区及び横浜・名古屋・大阪などの政令指定都市)」(15.4%),「地方中核都市(人口30万人以上の都市及び県庁所在地)」(12.9%)などの順となっている。(図3)
前回の調査結果と比較して見ると,「三大都市圏の主な都市(東京23区及び横浜・名古屋・大阪などの政令指定都市)」(13.5%→15.4%),「地方圏の町村」(17.2%→23.8%)と答えた者の割合がそれぞれ上昇し,「三大都市圏の上記以外の地域」(12.8%→7.5%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「三大都市圏の主な都市(東京23区及び横浜・名古屋・大阪などの政令指定都市)」,「地方中枢都市(札幌・仙台・広島・福岡・北九州)」と答えた者の割合は大都市で,「三大都市圏の上記以外の地域」,「地方中核都市(人口30万人以上の都市及び県庁所在地)」と答えた者の割合は中都市で,「地方圏のその他の市」と答えた者の割合は小都市で,「地方圏の町村」と答えた者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,大きな差異は見られない。(表3)
(4) 生活が便利なところか自然の豊なところか
現在住んでいるところからほかのところに移り住むとした場合、どのようなところに住みたいと思うか聞いたところ,「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」と答えた者の割合が35.5%,「現在住んでいるところよりも自然環境に恵まれたところ」と答えた者の割合が43.7%となっている。なお,「どちらともいえない」と答えた者の割合が18.2%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」(42.2%→35.5%)と答えた者の割合が減少している。(図4)
都市規模別に見ると,「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」と答えた者の割合は町村で,「現在住んでいるところよりも自然環境に恵まれたところ」と答えた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」と答えた者の割合は女性で,「現在住んでいるところよりも自然環境に恵まれたところ」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」と答えた者の割合は男性の20歳代,女性の20歳代から40歳代で,「現在住んでいるところよりも自然環境に恵まれたところ」と答えた者の割合は男性の40歳代から60歳代で,それぞれ高くなっている。(表4)
ア 生活が便利なところで特に考慮すべき点の有無
「現在住んでいるところよりも生活が便利なところ」と答えた者(1,238人)に,仮に,そのようなところに移り住むとした場合,特に考慮すべき点があるか聞いたところ,「ある」と答えた者の割合が69.8%,「ない」と答えた者の割合が26.1%となっている。(図5)
都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「ある」と答えた者の割合は40歳代で,「ない」と答えた者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表5)
イ 生活が便利なところで特に考慮すべき点
それは,どのようなことか聞いたところ,「希望する就業や所得の確保」を挙げた者の割合が33.6%と最も高く,以下,「希望する住宅、宅地の確保」(27.8%),「居住地近辺の自然環境」(25.6%)などの順となっている。(2つまでの複数回答,図6)
都市規模別に見ると,「希望する就業や所得の確保」を挙げた者の割合は町村で高くなっている。(表6)
ウ 自然環境に恵まれたところで特に考慮すべき点の有無
「現在住んでいるところよりも自然環境に恵まれたところ」と答えた者(1,527人)に,仮に,そのようなところに移り住むとした場合,特に考慮すべき点があるか聞いたところ,「ある」と答えた者の割合が69.0%,「ない」と答えた者の割合が27.0%となっている。(図7)
都市規模別に見ると,「ない」と答えた者の割合は町村で高くなっている。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「ある」と答えた者の割合は40歳代で,「ない」と答えた者の割合は60歳代で,それぞれ高くなっている。(表7)
エ 自然環境に恵まれたところで特に考慮すべき点
それは,どのようなことか聞いたところ,「医療、福祉サービスの充実度」を挙げた者の割合が52.6%と最も高く,以下,「交通機関の利便性」(31.6%),「希望する就業や所得の確保」(22.8%),「災害時の危険性」(21.7%),「地域コミュニティとの関係」(18.6%)などの順となっている。(2つまでの複数回答,図8)
都市規模別に見ると,「交通機関の利便性」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「医療、福祉サービスの充実度」,「災害時の危険性」を挙げた者の割合は女性で,「希望する就業や所得の確保」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。(表8)
(5) 老後の居住に関する意向(都心か田舎か)
仮に,老後に住むとしたら、どのような環境のところに住みたいと思うか聞いたところ,「生活に便利な都会のマンションなどで暮らしたい」と答えた者の割合が14.1%,「家庭菜園やガーデニングなどができるような郊外の一戸建てで暮らしたい」と答えた者の割合が53.1%,「野菜作りなどを楽しみながら、農村などで暮らしたい」と答えた者の割合が28.6%となっている。(図9)
都市規模別に見ると,「生活に便利な都会のマンションなどで暮らしたい」と答えた者の割合は大都市で,「家庭菜園やガーデニングなどができるような郊外の一戸建てで暮らしたい」と答えた者の割合は中都市で,「野菜作りなどを楽しみながら、農村などで暮らしたい」と答えた者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「生活に便利な都会のマンションなどで暮らしたい」と答えた者の割合は女性で,「野菜作りなどを楽しみながら、農村などで暮らしたい」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「生活に便利な都会のマンションなどで暮らしたい」と答えた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「家庭菜園やガーデニングなどができるような郊外の一戸建てで暮らしたい」と答えた者の割合は男性の30歳代,女性の20歳代,30歳代で,「野菜作りなどを楽しみながら、農村などで暮らしたい」と答えた者の割合は男性の50歳代以上及び女性の70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表9)
(6) 老後の居住に関する意向(世帯との関係)
仮に,老後に暮らすとしたら、どのような環境で暮らしたいと思うか聞いたところ,「親子2世帯で同居できるのがよい」と答えた者の割合が23.7%,「スープの冷めない程度(歩いて10分程度)の距離で親と子の世帯が別々に住む」と答えた者の割合が26.8%,「週末気軽に会うことができる程度の距離で親と子の世帯が別々に住む」と答えた者の割合が38.0%などとなっている。(図10)
性別に見ると,「親子2世帯で同居できるのがよい」と答えた者の割合は男性で,「スープの冷めない程度(歩いて10分程度)の距離で親と子の世帯が別々に住む」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「親子2世帯で同居できるのがよい」と答えた者の割合は男女とも60歳代以上で,「スープの冷めない程度(歩いて10分程度)の距離で親と子の世帯が別々に住む」と答えた者の割合は女性の30歳代から60歳代で,「週末気軽に会うことができる程度の距離で親と子の世帯が別々に住む」と答えた者の割合は男性の20歳代,30歳代,50歳代及び女性の20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表10)
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