3.国連における日本の役割
(1) 国連平和維持活動への参加についての考え方
現在、世界の100以上の国が国連平和維持活動(国連PKO)に要員を派遣しており、日本も国際平和協力法に基づき、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンなどの国連PKOや、イラク難民支援などのための人道的な国際救援活動や、東ティモールやネパールなどでの国際的な選挙監視活動に参加してきているが、日本はこれからも、国際社会への人的貢献として、こうした活動に参加すべきと考えるか聞いたところ、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合が21.8%、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合が58.4%、「参加すべきだが、できるだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合が12.8%、「参加すべきではない」と答えた者の割合が2.2%となっている。
前回の調査結果(平成29年10月調査結果をいう。)と比較して見ると、大きな変化は見られない。
性別に見ると、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は男性で高くなっている。(図22、表22(CSV形式:1KB)、表22-参考(CSV形式:4KB))
(2) 国連安全保障理事会の常任理事国入りについての賛否
国連では、安全保障理事会(安保理)の機能を強化するとともに、安保理における各地域の代表性を高めるために、構成国数を増加する方向で議論がすすめられているが、日本が安保理の常任理事国に加わることについてどう考えるか聞いたところ、「賛成」とする者の割合が78.9%(「賛成」36.2%+「どちらかといえば賛成」42.7%)、「反対」とする者の割合が7.6%(「どちらかといえば反対」5.8%+「反対」1.7%)となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が13.5%となっている。
前回の調査結果(平成29年10月調査結果をいう。)と比較して見ると、大きな変化は見られない。
都市規模別に見ると、「賛成」とする者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると、「賛成」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると、「賛成」とする者の割合は50歳代で高くなっている。(図23、表23(CSV形式:1KB)、表23-参考(CSV形式:3KB))
ア 日本の常任理事国入りに賛成する理由
日本が安保理の常任理事国に加わることについて「賛成」、「どちらかといえば賛成」と答えた者(1,312人)に、その理由を聞いたところ、「世界における日本の地位からすると、世界の平和構築のために積極的に参画していくべきだ」と答えた者の割合が27.5%、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合が26.1%、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合が22.5%、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合が15.4%、「アジアの一代表として安保理常任理事国になることで、国連の場をより地域的に偏りのないものにすることに役立てる」と答えた者の割合が7.4%となっている。
前回の調査結果(平成29年10月調査結果をいう。)と比較して見ると、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」(27.1%→22.5%)と答えた者の割合が低下し、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」(11.2%→15.4%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は70歳以上で、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は40歳代で、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合は18~29歳で、それぞれ高くなっている。(図24、表24(CSV形式:2KB)、表24-参考1(CSV形式:2KB)、表24-参考2(CSV形式:2KB))
イ 日本の常任理事国入りに反対する理由
日本が安保理の常任理事国に加わることについて「どちらかといえば反対」、「反対」と答えた者(126人)に、その理由を聞いたところ、「安保理常任理事国になれば、国連の軍事活動に積極的に参加しなければならなくなる」と答えた者の割合が34.9%、「安保理常任理事国になると、国連に対し、これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」と答えた者の割合が31.0%、「安保理常任理事国にならなくとも、経済・社会分野や環境問題などの非軍事的分野で十分な国際貢献を行っていける」と答えた者の割合が11.9%、「世界の紛争解決に安保理は無力だ」と答えた者の割合が11.9%、「安保理常任理事国になるのであれば、憲法を改正した上でなるべきだ」と答えた者の割合が4.8%となっている。
前回の調査結果(平成29年10月調査結果をいう。)と比較して見ると、「安保理常任理事国になると、国連に対し、これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」(17.2%→31.0%)と答えた者の割合が上昇している。(図25、表25(CSV形式:2KB)、表25-参考1(CSV形式:2KB)、表25-参考2(CSV形式:1KB)、表25-参考3(CSV形式:2KB))