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世論調査内閣府

世論調査 >  平成29年度 >  障害者に関する世論調査 > 2 調査結果の概要

3.障害者関連施策について

(1) 障害者権利条約の周知度

 いわゆる「障害者権利条約」は、国連が障害者の権利や尊厳を保護・促進するため、障害を理由とする差別の禁止や、障害のある人が障害のない人と同じように暮らすためのさまざまな施策を包括的に定めた条約で、この条約を日本は平成26年1月に批准したが、この条約のことを知っているか聞いたところ、「条約の内容も含めて知っている」と答えた者の割合が3.4%、「内容は知らないが、条約ができたことは聞いたことがある」と答えた者の割合が17.9%、「知らない」と答えた者の割合が77.9%となっている。
 性別に見ると、大きな差異は見られない。
 年齢別に見ると、「内容は知らないが、条約ができたことは聞いたことがある」と答えた者の割合は18~29歳で、「知らない」と答えた者の割合は70歳以上で、それぞれ高くなっている。(図12表12(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表12参考(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

(2) 障害者差別解消法の周知度

 障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる社会づくりを目指すため、平成28年4月からいわゆる「障害者差別解消法」が施行されているが、この法律を知っているか聞いたところ、「知っている」とする者の割合が21.9%(「法律の内容も含めて知っている」5.1%+「内容は知らないが、法律ができたことは知っている」16.8%)、「知らない」と答えた者の割合が77.2%となっている。
 都市規模別に見ると、「知っている」とする者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、大きな差異は見られない。(図13表13(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表13参考(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

(3) 合理的な配慮と差別について

 障害のある人とない人が同じように生活するためには、例えば、受付窓口で耳の不自由な方に筆談で対応したり、商店で高い棚にある商品を店員が代わりに取ってあげたりするなど、さまざまな配慮や工夫が必要になることがあるが、こうした配慮や工夫が行われなかったとしたら、それが「障害を理由とする差別」にあたる場合があると思うか聞いたところ、「差別に当たる場合があると思う」とする者の割合が53.5%(「差別に当たる場合があると思う」25.6%+「どちらかといえば差別に当たる場合があると思う」27.9%)、「差別に当たる場合があるとは思わない」とする者の割合が34.4%(「どちらかといえば差別に当たる場合があるとは思わない」16.1%+「差別に当たる場合があるとは思わない」18.3%)となっている。
 都市規模別に見ると、「差別に当たる場合があると思う」とする者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、大きな差異は見られない。
 年齢別に見ると、「差別に当たる場合があると思う」とする者の割合は50歳代で、「差別に当たる場合があるとは思わない」とする者の割合は30歳代で、それぞれ高くなっている。(図14表14(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます表14参考(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

(4) 負担と配慮について

 障害のある人が、障害のない人と同じように生活していくためには、さまざまな配慮や工夫が必要になるが、一方、こうした配慮や工夫を行うには、経済的な負担を伴う場合もある。企業などがこうした配慮や工夫をどの程度行うべきと考えるか聞いたところ、「負担の程度にかかわらず、配慮や工夫をするよう義務付けるべきと思う」と答えた者の割合が13.7%、「負担の程度にかかわらず、配慮や工夫を行うよう努力すべきと思う」と答えた者の割合が23.0%、「可能な範囲の負担であれば、配慮や工夫をするよう義務付けるべきと思う」と答えた者の割合が25.6%、「可能な範囲の負担であれば、配慮や工夫を行うよう努力すべきと思う」と答えた者の割合が23.5%、「全て企業などの自主的な判断に委ねるべきと思う」と答えた者の割合が8.1%となっている。
 都市規模別に見ると、「負担の程度にかかわらず、配慮や工夫をするよう義務付けるべきと思う」と答えた者の割合は小都市で、「可能な範囲の負担であれば、配慮や工夫をするよう義務付けるべきと思う」と答えた者の割合は大都市で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「可能な範囲の負担であれば、配慮や工夫をするよう義務付けるべきと思う」と答えた者の割合は30歳代で高くなっている。(図15表15(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

(5) 障害者支援マークの周知度

 障害者団体などでは、障害者を支援するため、さまざまなマークを作成し、周知に努めているが、知っているマークはあるか聞いたところ、「知っているマークがある」とする者の割合が98.8%となっており、その内容として「障害者のための国際シンボルマーク(車いすマーク)」を挙げた者の割合が97.0%と最も高く、以下、「身体障害者標識(身体障害者マーク)」(64.9%)、「盲人のための国際シンボルマーク」(51.9%)、「障害者雇用支援マーク」(36.8%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 年齢別に見ると、「障害者のための国際シンボルマーク(車いすマーク)」を挙げた者の割合は30歳代で、「身体障害者標識(身体障害者マーク)」を挙げた者の割合は18~29歳から40歳代で、「盲人のための国際シンボルマーク」を挙げた者の割合は60歳代、70歳以上で、「障害者雇用支援マーク」を挙げた者の割合は50歳代で、それぞれ高くなっている。(図16表16(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます

(6) 企業や民間団体への要望

 障害のある人のために企業や民間団体が行う活動について、どのようなことを希望するか聞いたところ、「障害のある人の雇用の促進」を挙げた者の割合が66.3%、「障害者になっても継続して働くことができる体制の整備」を挙げた者の割合が62.3%と高く、以下、「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」(49.0%)などの順となっている。(複数回答、上位3項目)
 都市規模別に見ると、「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「障害者になっても継続して働くことができる体制の整備」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「障害のある人の雇用の促進」を挙げた者の割合は60歳代で、「障害者になっても継続して働くことができる体制の整備」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「障害のある人に配慮した事業所等の改善・整備」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、それぞれ高くなっている。(図17表17(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます表17参考1(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表17参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

(7) 障害者施策は進んだか

 5年前と比べて障害者施策は進んだと思うか聞いたところ、「進んだと思う」とする者の割合が54.4%(「かなり進んだと思う」8.1%+「ある程度進んだと思う」46.3%)、「進んでいないと思う」とする者の割合が33.3%(「あまり進んでいないと思う」28.2%+「ほとんど進んでいないと思う」5.1%)となっている。
 性別に見ると、「進んでいないと思う」とする者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「進んだと思う」とする者の割合は70歳以上で、「進んでいないと思う」とする者の割合は30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。(図18表18(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表18参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます表18参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

(8) 国や地方公共団体への要望

 障害のある人に関する国や地方公共団体の施策のうち、もっと力を入れる必要があると思うものを聞いたところ、「障害のある人に配慮した住宅や建物、交通機関の整備」を挙げた者の割合が52.0%、「障害に応じた職業訓練の充実や雇用の確保」を挙げた者の割合が50.4%、「障害のある子どもの相談・支援体制や教育と、障害のある人への生涯学習の充実」を挙げた者の割合が48.1%、「生活の安定のための年金や手当の充実」を挙げた者の割合が47.9%などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 性別に見ると、「障害のある子どもの相談・支援体制や教育と、障害のある人への生涯学習の充実」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「障害のある人に配慮した住宅や建物、交通機関の整備」を挙げた者の割合は30歳代、50歳代で、「障害に応じた職業訓練の充実や雇用の確保」、「障害のある子どもの相談・支援体制や教育と、障害のある人への生涯学習の充実」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「生活の安定のための年金や手当の充実」を挙げた者の割合は50歳代で、それぞれ高くなっている。(図19表19(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます表19参考1(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表19参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます表19参考3(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます表19参考4(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表19参考5(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

(9) 東京オリンピック・パラリンピックへの期待

 2020年に東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催される予定で、さまざまな国と地域から多くの障害者がパラリンピックに参加することが見込まれるが、どのような効果を期待するか聞いたところ、「障害者に対する日本社会の取組が世界に認知されること」と答えた者の割合が8.2%、「パラリンピックを契機として、日本の障害者への施策や取組が向上すること」と答えた者の割合が31.1%、「障害や障害者に対する世界的な理解促進につながること」と答えた者の割合が19.1%、「大会に参加した障害者自身の喜びや、競技を観た障害者の自信や勇気につながること」と答えた者の割合が35.5%となっている。
 都市規模別に見ると、「パラリンピックを契機として、日本の障害者への施策や取組が向上すること」と答えた者の割合は大都市で、「大会に参加した障害者自身の喜びや、競技を観た障害者の自信や勇気につながること」と答えた者の割合は町村で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、大きな差異は見られない。
 年齢別に見ると、「パラリンピックを契機として、日本の障害者への施策や取組が向上すること」と答えた者の割合は30歳代、40歳代で、「障害や障害者に対する世界的な理解促進につながること」と答えた者の割合は18~29歳で、それぞれ高くなっている。(図20表20(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

(10)しょうがいの表記

 「しょうがい」の表記について、法令では四角で囲った字(「障害」)を使っているが、この表記の在り方については、さまざまな意見がある。「しょうがい」の表記として、どれがふさわしいと思うか聞いたところ、「障害(しょうがい)」と答えた者の割合が31.6%、「障碍(しょうがい)」と答えた者の割合が2.5%、「障(しょう)がい」と答えた者の割合が40.1%、「どれでもよい」と答えた者の割合が18.8%となっている。
 性別に見ると、「障がい」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「障害」と答えた者の割合は70歳以上で、「障がい」と答えた者の割合は18~29歳、40歳代で、それぞれ高くなっている。(図21表21(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます表21参考(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

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