2.少年非行の問題点
(1)少年自身の問題点
最近の少年の性格や資質について,問題だと思う点を聞いたところ,「忍耐力がない,自分の感情をうまくコントロールできない(すぐキレる)」を挙げた者の割合が67.4%と最も高く,以下,「他人とのコミュニケーションがうまくできない」(53.5%),「自己中心的,相手の立場や気持ちを理解しない又は理解できない」(51.8%),「年齢より精神的に幼い」(39.7%),「社会道徳,規範意識(モラル)に欠けている」(38.5%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「忍耐力がない,自分の感情をうまくコントロールできない(すぐキレる)」(72.5%→67.4%)を挙げた者の割合が低下している。
性別に見ると,「忍耐力がない,自分の感情をうまくコントロールできない(すぐキレる)」,「他人とのコミュニケーションがうまくできない」,「年齢より精神的に幼い」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「忍耐力がない,自分の感情をうまくコントロールできない(すぐキレる)」を挙げた者の割合は40歳代から60歳代で,「他人とのコミュニケーションがうまくできない」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「自己中心的,相手の立場や気持ちを理解しない又は理解できない」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「年齢より精神的に幼い」を挙げた者の割合は40歳代で,「社会道徳,規範意識(モラル)に欠けている」を挙げた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「忍耐力がない,自分の感情をうまくコントロールできない(すぐキレる)」を挙げた者の割合は中学生の子どもがいる者で,「他人とのコミュニケーションがうまくできない」を挙げた者の割合は小学生,高校生,大学生の子どもがいる者で,「自己中心的,相手の立場や気持ちを理解しない又は理解できない」を挙げた者の割合は高校生,大学生の子どもがいる者で,それぞれ高くなっている。
(図7,
表7-1(CSV形式:4KB),
表7-2(CSV形式:1KB),
表7参考1(CSV形式:4KB),
表7参考2(CSV形式:1KB))
(2)社会環境の問題点
少年非行について,どのような社会環境が問題だと思うか聞いたところ,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」を挙げた者の割合が69.8%と最も高く,以下,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に見知らぬ者と出会える環境にある」(62.5%),「スマートフォンやインターネットなどの普及により,少年の交友関係や行動が把握しにくくなっている」(50.8%),「簡単に暴力や性に関する情報を扱ったDVD・出版物を手に入れられる」(38.6%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」(47.3%→69.8%),「スマートフォンやインターネットなどの普及により,少年の交友関係や行動が把握しにくくなっている」(38.9%→50.8%)を挙げた者の割合が上昇し,「簡単に暴力や性に関する情報を扱ったDVD・出版物を手に入れられる」(43.5%→38.6%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に見知らぬ者と出会える環境にある」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に見知らぬ者と出会える環境にある」,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,少年の交友関係や行動が把握しにくくなっている」,「簡単に暴力や性に関する情報を扱ったDVD・出版物を手に入れられる」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,少年の交友関係や行動が把握しにくくなっている」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に見知らぬ者と出会える環境にある」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「簡単に暴力や性に関する情報を扱ったDVD・出版物を手に入れられる」を挙げた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に暴力や性,自殺その他少年に有害な情報を手に入れられる」を挙げた者の割合は乳幼児,小学生から高校生の子どもがいる者で,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,簡単に見知らぬ者と出会える環境にある」,「スマートフォンやインターネットなどの普及により,少年の交友関係や行動が把握しにくくなっている」を挙げた者の割合は乳幼児,小学生から大学生の子どもがいる者で,それぞれ高くなっている。
(図8,
表8-1(CSV形式:5KB),
表8-2(CSV形式:2KB),
表8参考1(CSV形式:3KB),
表8参考2(CSV形式:3KB),
表8参考3(CSV形式:2KB))
(3)社会風潮の問題点
少年非行について,どのような社会風潮が問題だと思うか聞いたところ,「他人の子どもに無関心である,地域の絆が希薄化している」を挙げた者の割合が57.1%と最も高く,以下,「社会全般の規範意識(モラル)が低下している」(44.6%),「社会全般に心の豊かさや思いやりの心が失われている」(42.1%),「社会全般的に保護者と子どもの接する時間が不足しがちである」(38.6%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「社会全般の規範意識(モラル)が低下している」(48.5%→44.6%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「社会全般の規範意識(モラル)が低下している」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「社会全般的に保護者と子どもの接する時間が不足しがちである」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「社会全般の規範意識(モラル)が低下している」を挙げた者の割合は50歳代で,「社会全般に心の豊かさや思いやりの心が失われている」を挙げた者の割合は60歳代で,「社会全般的に保護者と子どもの接する時間が不足しがちである」を挙げた者の割合は20歳代で,それぞれ高くなっている。
(図9,
表9-1(CSV形式:4KB),
表9-2(CSV形式:1KB),
表9参考1(CSV形式:2KB),
表9参考2(CSV形式:3KB),
表9参考3(CSV形式:2KB))