3.経済の成長・発展や人の活躍のあり方について
(1) 国際的にみた日本の所得水準の見通し
2012年に日本の一人当たりの所得水準は,北米やヨーロッパ諸国といった先進諸国の中で第10位となったが,50年後の日本の一人当たりの所得水準の順位は,上がると思うか聞いたところ,「上がると思う」とする者の割合が17.6%(「大きく上がると思う」2.7%+「やや上がると思う」14.9%),「現在と変わらないと思う」と答えた者の割合が20.9%,「下がると思う」とする者の割合が53.9%(「やや下がると思う」42.7%+「大きく下がると思う」11.2%)となっている。
性別に見ると,「上がると思う」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「上がると思う」とする者の割合は70歳以上で,「下がると思う」とする者の割合は40歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(図11,表11(CSV形式:2KB))
(2) 日本の国際競争力を強化するために重要な取組
日本の国際競争力を強化するために何が重要だと思うか聞いたところ,「世界に通用する人材を育成するための教育改革」を挙げた者の割合が61.6%と最も高く,以下,「独自の技術を有する中小企業への支援」(45.8%),「労働者の能力開発」(41.0%)などの順となっている。(複数回答,上位3項目)
前回の調査結果(平成16年11月調査結果をいう)と比較して見ると,「世界に通用する人材を育成するための教育改革」(52.3%→61.6%),「独自の技術を有する中小企業への支援」(38.1%→45.8%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「世界に通用する人材を育成するための教育改革」,「独自の技術を有する中小企業への支援」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「独自の技術を有する中小企業への支援」を挙げた者の割合は男性で,「労働者の能力開発」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「世界に通用する人材を育成するための教育改革」を挙げた者の割合は40歳代から60歳代で,「独自の技術を有する中小企業への支援」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「労働者の能力開発」を挙げた者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表12-1(CSV形式:4KB),表12-2(CSV形式:2KB))
(3) 経済活力の維持のための政府の対策
将来,働くことのできる人口が減少した場合,日本経済の活力を維持していくために,政府はどのような対策を講ずるべきと思うか聞いたところ,「女性が働きやすい環境をつくる」を挙げた者の割合が60.8%,「子どもを産みやすく,育てやすい環境をつくる」を挙げた者の割合が60.2%,「高齢者が働きやすい環境をつくる」を挙げた者の割合が59.1%と高く,以下,「様々な事情で働くことができない人が労働参加できる環境を整える」(40.9%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
都市規模別に見ると,「高齢者が働きやすい環境をつくる」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「女性が働きやすい環境をつくる」,「子どもを産みやすく,育てやすい環境をつくる」,「様々な事情で働くことができない人が労働参加できる環境を整える」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「子どもを産みやすく,育てやすい環境をつくる」を挙げた者の割合は30歳代,60歳代で,「高齢者が働きやすい環境をつくる」を挙げた者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。(図13,表13(CSV形式:3KB),表13参考(CSV形式:1KB))
(4) 生産年齢に対する意識
現在,働くことが想定される年齢層である生産年齢は,通常15歳以上65歳未満に設定されているが,今後は一般的に何歳まで働くのが望ましいと思うか聞いたところ,「65歳未満」と答えた者の割合が6.7%,「65歳」と答えた者の割合が15.7%,「66~69歳」と答えた者の割合が30.3%,「70~74歳」と答えた者の割合が12.3%,「75歳以上」と答えた者の割合が2.3%,「年齢で一律に捉えるべきではない」と答えた者の割合が32.3%となっている。
年齢別に見ると,「年齢で一律に捉えるべきではない」と答えた者の割合は30歳代で,「66~69歳」と答えた者の割合は60歳代で,「70~74歳」と答えた者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図14,表14(CSV形式:2KB))