3.国の政策に対する評価について
(1) 国の政策への民意の反映程度
全般的にみて,国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されていると思うか聞いたところ,「反映されている」とする者の割合が30.7%(「かなり反映されている」1.6%+「ある程度反映されている」29.0%),「反映されていない」とする者の割合が66.4%(「あまり反映されていない」52.9%+「ほとんど反映されていない」13.6%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「反映されている」(26.6%→30.7%)とする者の割合が上昇し,「反映されていない」(69.7%→66.4%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性で,「反映されていない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「反映されている」とする者の割合は60歳代,70歳以上で,「反映されていない」とする者の割合は20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。
従業上の地位別に見ると,「反映されている」とする者の割合は自営業主,その他の無職で,「反映されていない」とする者の割合は雇用者で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「反映されていない」とする者の割合は管理・専門技術・事務職,販売・サービス・保安職,生産・輸送・建設・労務職で高くなっている。(図24,図25,表15-1(CSV形式:3KB),表15-2(CSV形式:2KB))
ア 国の政策への民意の反映方法
国の政策に国民の考えや意見が「ある程度反映されている」,「あまり反映されていない」,「ほとんど反映されていない」と答えた者(5,905人)に,どうすればよりよく反映されるようになると思うか聞いたところ,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合が26.1%,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合が23.5%,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合が14.8%,「政府が世論をよく聞く」と答えた者の割合が13.9%,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合が13.6%,「マスコミが国民の意見をよく伝える」と答えた者の割合が6.0%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」(28.8%→26.1%)と答えた者の割合が低下し,「国民が選挙のときに自覚して投票する」(13.1%→14.8%),「政府が世論をよく聞く」(12.2%→13.9%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は小都市,町村で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は中都市で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」,「政府が世論をよく聞く」と答えた者の割合は女性で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は70歳以上で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は60歳代,70歳以上で,「政府が世論をよく聞く」と答えた者の割合は50歳代で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。
従業上の地位別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は主婦,その他の無職で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は家族従業者で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合はその他の無職で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は雇用者で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は生産・輸送・建設・労務職で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は販売・サービス・保安職で,それぞれ高くなっている。(図26,図27,表16-1(CSV形式:3KB),表16-2(CSV形式:3KB))
(2) 良い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,良い方向に向かっていると思われるのは,どのような分野か聞いたところ,「医療・福祉」を挙げた者の割合が27.6%と最も高く,以下,「科学技術」(25.1%),「景気」(22.0%),「治安」(19.4%),「防災」(18.3%),「教育」(17.2%)などの順となっている。なお,「ない,わからない」と答えた者の割合が15.4%となっている。(複数回答,上位6項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「景気」(11.0%→22.0%),「治安」(15.6%→19.4%),「教育」(10.9%→17.2%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は小都市で,「科学技術」,「景気」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で,「科学技術」,「景気」,「治安」,「防災」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は男性の70歳以上,女性の70歳以上で,「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,50歳代,60歳代で,「景気」を挙げた者の割合は男性の30歳代から60歳代で,「治安」を挙げた者の割合は男性の60歳代,70歳以上で,「防災」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の30歳代,40歳代で,「教育」を挙げた者の割合は女性の40歳代で,それぞれ高くなっている。(図28,図29,表17-1(CSV形式:6KB),表17-2(CSV形式:3KB))
(3) 悪い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,悪い方向に向かっていると思われるのは,どのような分野か聞いたところ,「外交」を挙げた者の割合が38.4%と最も高く,以下,「国の財政」(32.8%),「雇用・労働条件」(28.0%),「物価」(25.7%),「資源・エネルギー」(24.5%),「地域格差」(23.7%)などの順となっている。(複数回答,上位6項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「外交」(35.9%→38.4%),「物価」(24.0%→25.7%),「資源・エネルギー」(21.5%→24.5%),「地域格差」(20.5%→23.7%)を挙げた者の割合が上昇し,「国の財政」(39.0%→32.8%),「雇用・労働条件」(39.1%→28.0%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「外交」,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は大都市で,「物価」を挙げた者の割合は小都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「外交」,「国の財政」,「雇用・労働条件」,「地域格差」を挙げた者の割合は男性で,「物価」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「外交」を挙げた者の割合は40歳代から60歳代で,「国の財政」,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は50歳代で,「物価」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「資源・エネルギー」,「地域格差」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「外交」,「雇用・労働条件」,「資源・エネルギー」,「地域格差」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「国の財政」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職,販売・サービス・保安職,生産・輸送・建設・労務職で,「物価」を挙げた者の割合は販売・サービス・保安職,生産・輸送・建設・労務職で,それぞれ高くなっている。(図30,図31,表18-1(CSV形式:7KB),表18-2(CSV形式:3KB))