4.親権に服する年齢に関する意識
(1) 親権に服する年齢を18歳未満にすることの賛否
18歳,19歳の者については,父母の親権を及ばなくすることについて賛成か,それとも,反対か聞いたところ,「賛成」とする者の割合が26.2%(「賛成である」8.1%+「どちらかといえば賛成である」18.1%),「反対」とする者の割合が69.0%(「どちらかといえば反対である」36.3%+「反対である」32.7%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,大きな変化は見られない。
性別に見ると,「賛成」とする者の割合は男性で,「反対」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「賛成」とする者の割合は20歳代,30歳代で,「反対」とする者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「賛成」とする者の割合は男性の20歳代から70歳以上で,「反対」とする者の割合は女性の30歳代から70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図10,表10-1(CSV形式:3KB),表10-2(CSV形式:1KB))
ア 賛成の理由
18歳,19歳の者については,父母の親権を及ばなくすることについて「賛成」とする者(818人)に,18歳,19歳の者について,父母の親権を及ばなくすることに賛成の理由は何か聞いたところ,「親権を及ばなくすることで,大人としての自覚を促すことができるから」を挙げた者の割合が48.9%と最も高く,以下,「自分がしたことについて自分で責任をとることができるから」(37.2%),「自分自身で判断する能力が十分あるから」(35.1%),「社会人として最低限の学力・知識を身に付けているから」(28.0%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「自分自身で判断する能力が十分あるから」(41.2%→35.1%)を挙げた者の割合が低下している。
性別に見ると,大きな差異は見られない。(図11,表11-1(CSV形式:4KB),表11-2(CSV形式:1KB))
イ 反対の理由
18歳,19歳の者については,父母の親権を及ばなくすることについて「反対」とする者(2,152人)に,18歳,19歳の者について,父母の親権を及ばなくすることに反対の理由は何か聞いたところ,「経済的に親に依存をしているから」を挙げた者の割合が58.2%,「自分自身で判断する能力が不十分であるから」を挙げた者の割合が55.8%,「自分がしたことについて自分で責任をとることができないから」を挙げた者の割合が54.5%と高く,以下,「親権を及ばなくしても,大人としての自覚を持つとは思えないから」(38.7%),「学生の身分の人が多いから(大学,専門学校など)」(37.7%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)
都市規模別に見ると,「自分がしたことについて自分で責任をとることができないから」を挙げた者の割合は中都市で,「親権を及ばなくしても,大人としての自覚を持つとは思えないから」を挙げた者の割合は小都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「経済的に親に依存をしているから」,「親権を及ばなくしても,大人としての自覚を持つとは思えないから」,「学生の身分の人が多いから(大学,専門学校など)」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「自分自身で判断する能力が不十分であるから」を挙げた者の割合は40歳代で,「学生の身分の人が多いから(大学,専門学校など)」を挙げた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表12-1(CSV形式:5KB),表12-2(CSV形式:1KB))