2 調査結果の概要
- 水の使い方に対する意識
(1) 水の使い方
普段の生活で,どのような水の使い方をしているか聞いたところ,「豊富に使っている」とする者の割合が29.6%(「節水のことは考えず,豊富に使っている」5.1%+「節水は必要と思いながらも,豊富に使っている」24.5%),「節水している」とする者の割合が64.9%(「ある程度節水をしながら使っている」54.2%+「まめに節水して使っている」10.7%)となっている。
平成11年8月の調査結果と比較して見ると,大きな変化は見られない。
都市規模別に見ると,「豊富に使っている」とする者の割合は町村で,「節水している」とする者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「豊富に使っている」とする者の割合は男性で,「節水している」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「豊富に使っている」とする者の割合は20歳代,30歳代で高くなっている。(図7,表7)ア 水を豊富に使う理由
豊富に使っている(「節水のことは考えず,豊富に使っている」,「節水は必要と思いながらも,豊富に使っている」)とする者(625人)に,水を豊富に使う理由は何か聞いたところ,「衛生的だから」を挙げた者の割合が36.6%,「ただなんとなく」を挙げた者の割合が33.8%と高く,以下,「水はいくらでもあるから」(21.3%)などの順となっている。(複数回答)
平成6年9月の調査結果と比較して見ると,「水はいくらでもあるから」(30.3%→21.3%)を挙げた者の割合が低下している。(図8)
性別に見ると,「衛生的だから」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「ただなんとなく」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で高くなっている。(表8)イ 節水している理由
節水している(「ある程度節水をしながら使っている」,「まめに節水して使っている」)とする者(1,371人)に,節水をしているのはどういう理由からか聞いたところ,「水は限られた資源で大切にしなければならないから(もったいないと思うから)」を挙げた者の割合が78.1%と最も高く,以下,「たくさん使うと家計にひびくから」(43.1%),「使えばそれだけ川や海を汚すことになるから」(22.8%)などの順となっている。(複数回答)
平成6年9月の調査結果と比較して見ると,「たくさん使うと家計にひびくから」(27.5%→ 43.1%),「使えばそれだけ川や海を汚すことになるから」(15.2%→22.8%)を挙げた者の割合が上昇している。(図9)
都市規模別に見ると,「使えばそれだけ川や海を汚すことになるから」を挙げた者の割合は小都市で高くなっている。
性別に見ると,「たくさん使うと家計にひびくから」,「使えばそれだけ川や海を汚すことになるから」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「たくさん使うと家計にひびくから」を挙げた者の割合は20歳,30歳代で,「使えばそれだけ川や海を汚すことになるから」を挙げた者の割合は60歳代で,それぞれ高くなっている。(表9)ウ 節水を心がけている面
節水している(「ある程度節水をしながら使っている」,「まめに節水して使っている」)とする者(1,371人)に,どのような面で節水を心掛けているか聞いたところ,「風呂」を挙げた者の割合が60.5%と最も高く,以下,「洗濯」(49.8%),「洗面」(32.2%),「炊事」(29.3%),「散水」(25.4%),「水洗トイレ」(22.8%),「洗車」(21.4%)などの順となっている。(複数回答)
平成6年9月の調査結果と比較して見ると,「風呂」(54.5%→60.5%),「洗濯」(45.9%→49.8%),「水洗トイレ」(19.1%→22.8%)を挙げた者の割合が上昇し,「散水」(29.0%→25.4%),「洗車」(26.0%→21.4%)を挙げた者の割合が低下している。(図10)
都市規模別に見ると,「風呂」,「洗面」を挙げた者の割合は大都市で,「水洗トイレ」を挙げた者の割合は大都市,小都市で,「洗車」を挙げた者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「風呂」,「洗濯」,「炊事」を挙げた者の割合は女性で,「洗車」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「洗濯」を挙げた者の割合は30歳代で,「洗面」を挙げた者の割合は20歳代で,「散水」を挙げた者の割合は60歳代で,「洗車」を挙げた者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「洗濯」,「炊事」を挙げた者の割合は主婦で,「散水」を挙げた者の割合は自営業主で,「水洗トイレ」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「洗車」を挙げた者の割合は自営業主,管理・専門技術・事務職で,それぞれ高くなっている。(表10)(2) 渇水による断水・給水制限の経験の有無
これまで何回くらい,渇水のために水道の断水や給水制限にあった経験があるか聞いたところ,「1回」と答えた者の割合が15.6%,「2〜3回」と答えた者の割合が18.0%,「4〜7回」と答えた者の割合が3.9%,「8回以上」と答えた者の割合が1.1%となっている。なお,「ない」と答えた者の割合が58.8%となっている。
都市規模別に見ると,「1回」と答えた者の割合は中都市で,「2〜3回」と答えた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。(図11,表11)ア 断水や給水制限の程度
渇水のために水道の断水や給水制限にあった経験があると答えた者(816人)に,これまで経験した断水や給水制限で,一番厳しかった時の程度はどうだったか聞いたところ,「1日中水が出なかった」と答えた者の割合が14.0%,「夕方以外は出なかった」と答えた者の割合が7.6%,「半日程度は出なかった」と答えた者の割合が25.5%,「夜から朝にかけて出なかった」と答えた者の割合が18.0%,「水道が出にくくなった(水圧が下がった)程度であった」と答えた者の割合が25.9%となっている。
都市規模別に見ると,「水道が出にくくなった(水圧が下がった)程度であった」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「半日程度は出なかった」と答えた者の割合は女性で高くなっている。(図12,表12)イ どの程度生活が困ったか
渇水のために水道の断水や給水制限にあった経験があると答えた者(816人)に,その時どの程度困ったか聞いたところ,「日常生活ができないほど非常に困った」と答えた者の割合が8.2%,「日常生活ができないほどではないが,かなり困った」と答えた者の割合が24.9%,「少し不便を感じる程度で,あまり困らなかった」と答えた者の割合が54.3%,「全く困らなかった」と答えた者の割合が9.6%となっている。(図13)
性別に見ると,大きな差異は見られない。
職業別に見ると,「日常生活ができないほどではないが,かなり困った」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表13)(3) 渇水時でも安定的に水を供給する対策
厳しい渇水にみまわれても,安定的に生活用水を使えるようにするには,費用もかかり,水道料金等の利水者の費用負担も必要となるが,渇水時でも安定的に水を供給するための対策をどのように進めるのがよいと思うか聞いたところ,「現状より負担が増えても,早急に施設整備を進める」と答えた者の割合が11.3%,「現状より負担が多少増えても,徐々に施設整備を進める」と答えた者の割合が41.0%,「現状の負担を増やさないで,多少不便でも,節水等の水の使い方の工夫により対応する」と答えた者の割合が35.7%,「対策の必要はない」と答えた者の割合が5.2%となっている。(図14,表14,参考表)(4) 雑用水の使用について
水の有効的な利用を促進するため,一部のビルや団地等においては,雨水の利用や一度使った水を処理した雑用水が使われているが,このような雑用水を使うことについてどう思うか聞いたところ,「使いたい」とする者の割合が75.0%(「積極的に使う」20.8%+「水洗トイレ程度であれば使ってもよい」54.2%),「使いたくない」とする者の割合が22.3%(「あまり使いたくない」15.5%+「使いたくない」6.8%)となっている。
都市規模別に見ると,「使いたい」とする者の割合は大都市,中都市で,「使いたくない」とする者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「使いたい」とする者の割合は男性で,「使いたくない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「使いたい」とする者の割合は30歳代,40歳代で,「使いたくない」とする者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図15)
職業別に見ると,「使いたい」とする者の割合は管理・専門技術・事務職で,「使いたくない」とする者の割合は家族従業者で,それぞれ高くなっている。(表15,参考表)(5) 雑用水や雨水の家庭への導入
雑用水利用や雨水利用は除々に普及していますが,未だ全国の生活使用水量の1%にも満たない状況です。普及を進めるためには,設備も費用もかかりますが,家庭に導入したいと思うか聞いたところ,「全額個人負担であっても導入する」と答えた者の割合が1.9%,「個人負担が多少あっても導入する」と答えた者の割合が33.6%,「個人負担があるのなら導入しない」と答えた者の割合が34.8,「導入しない」と答えた者の割合が21.3%となっている。(図16)
都市規模別に見ると,「個人負担が多少あっても導入する」と答えた者の割合は大都市で,「個人負担があるのなら導入しない」と答えた者の割合は中都市で,「導入しない」と答えた者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「個人負担が多少あっても導入する」と答えた者の割合は40歳代,60歳代で,「個人負担があるのなら導入しない」と答えた者の割合は20歳代,30歳代で,「導入しない」と答えた者の割合は60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表16)
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