2 調査結果の概要
- 「臓器の移植に関する法律」の周知度について
(1)脳死で臓器移植が可能となったことの周知度
「臓器の移植に関する法律」において, 臓器の提供者の生存中の意思の尊重など, 一定の要件のもとに我が国においても, 脳死と判定された場合に心臓や肝臓などの臓器移植への道が開かれた。脳死と判定された者からの臓器移植が可能となったことを知っていたかどうか聞いたところ, 「知っていた」と答えた者の割合が95.0%, 「知らなかった」と答えた者の割合が 5.0%となっている。
前回の調査結果 (平成10年10月の調査結果をいう。以下同じ。) と比較して見ると, 「知っていた」と答えた者の割合が上昇 (77.8%→95.0%) し,「知らなかった」と答えた者の割合が低下 (22.2%→ 5.0%) している。
都市規模別に見ると, 大きな差異は見られない。
性別に見ると, 大きな差異は見られない。
性・年齢別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は,男性の50歳代で,「知らなかった」と答えた者の割合は,女性の70歳以上で,それぞれ高くなっている。( 図1, 表1)
(2)臓器提供の意思を書面で表示することの周知度
「臓器の移植に関する法律」では, 脳死での臓器の提供には,本人が生前に, 本人の自由意思で, 脳死の判定に従い, 自分の臓器を提供する旨を書面によって意思表示していることが必要とされているが, このことを知っていたかどうか聞いたところ, 「知っていた」と答えた者の割合が90.6%, 「知らなかった」と答えた者の割合が 9.4%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると, 「知っていた」と答えた者の割合が上昇 (75.2%→90.6%) し,「知らなかった」と答えた者の割合が低下 (24.8%→ 9.4%) している。
都市規模別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は, 小都市で, 「知らなかった」と答えた者の割合は,町村で, それぞれ高くなっている。
性別に見ると, 大きな差異は見られない。
性・年齢別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は,女性の40歳代で,「知らなかった」と答えた者の割合は,女性の70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図2,表2)
(3)本人の意思表示に対する家族の承諾が必要なことの周知度
「臓器の移植に関する法律」では, 脳死での臓器の提供には,生前, 本人の自由意思で書いた書面による意思表示が存在するとともに,その意思表示に対する家族の承諾が必要とされているが, このことを知っていたかどうか聞いたところ, 「知っていた」と答えた者の割合が83.2%, 「知らなかった」と答えた者の割合が16.8%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると, 「知っていた」と答えた者の割合が上昇 (66.8%→83.2%) し,「知らなかった」と答えた者の割合が低下 (33.2%→16.8%) している。
都市規模別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は, 中都市と小都市で, 「知らなかった」と答えた者の割合は,町村で, それぞれ高くなっている。
性別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は,女性で,「知らなかった」と答えた者の割合は,男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は,女性の40歳代で,「知らなかった」と答えた者の割合は,女性の70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図3,表3)
(4) 心臓停止後の臓器提供の周知度
「臓器の移植に関する法律」では, 亡くなられた方が, 臓器を提供しない意思を表示していない場合には, 家族に提供の意思があれば, 心臓停止後に腎臓と眼球については提供することができる。このことを知っていたかどうか聞いたところ, 「知っていた」と答えた者の割合が31.7%, 「知らなかった」と答えた者の割合が68.3%となっている。
都市規模別に見ると, 大きな差異は見られない。
性別に見ると, 大きな差異は見られない。
性・年齢別に見ると, 「知っていた」と答えた者の割合は,男性の50歳代と60歳代で,「知らなかった」と答えた者の割合は,男性の30歳代と40歳代で,それぞれ高くなっている。 (図4,表4)
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