2 調査結果の概要
- 犯罪被害者に関する意識について
(1) 犯罪被害の経験
自分や家族の中で,最近の5年間に,どのような犯罪被害を受けたことがあるか聞いたところ,犯罪被害を受けたことがあるかについて何らかの選択肢を挙げた者(以下『「犯罪被害を受けたことがある」とする者』という。)の割合が33.9%,「犯罪被害を受けたことはない」と答えた者の割合が65.0%となっている。
都市規模別に見ると,「犯罪被害を受けたことはない」と答えた者の割合は,町村で高くなっている。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「犯罪被害を受けたことがある」とする者の割合は,15〜19歳,20歳代,40歳代で,「犯罪被害を受けたことはない」と答えた者の割合は,60歳代と70歳以上で,それぞれ高くなっている。
次に,どのような犯罪被害を受けたことがあるかについては,「自転車盗」を挙げた者の割合が15.2%と最も高く,以下,「交通事故」(8.1%),「自動車やバイクなどの乗り物盗」(4.4%),「空き巣などの侵入盗」(4.3%),「車の中から金品を盗まれる車上狙い」(3.7%)などの順となっている。(複数回答)
都市規模別に見ると,「自転車盗」を挙げた者の割合は,大都市と中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「自転車盗」を挙げた者の割合は,15〜19歳と40歳代で,それぞれ高くなっている。(図1,表1)(2) 犯罪被害の警察への届出
仮に,ここにあげたような犯罪被害(前項の「(1)犯罪被害の経験」と同じ犯罪被害)を受けた場合に,警察に届け出ると思うかどうか聞いたところ「届け出る」とする者の割合が89.4%(「必ず届け出る」63.5%+「ほとんど届け出る」25.9%),「届け出ない」とする者の割合が8.2%(「ほとんど届け出ない」5.6%+「届け出ない」2.7%)となっている。
都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「届け出る」とする者の割合は,30歳代と50歳代で,「届け出ない」とする者の割合は,15〜19歳と20歳代で,それぞれ高くなっている。(図2,表2)
ア 犯罪被害を警察に届け出ない理由
犯罪被害を受けた場合に,警察に「届け出ない」とする者(292人)に,警察に届け出ないと思う理由は何か聞いたところ,「面倒だ」を挙げた者の割合が46.2%, 「被害が小さい」を挙げた者の割合が42.5%と高く,以下,「警察に届けても被害金品は元にもどらない」(29.5%),「警察に届けても犯人がつかまらない」(27.4%),「警察に届けてもまともにとりあってくれない」(17.5%),「自分にも落ち度がある」(13.4%)などの順となっている。(複数回答)
性別に見ると,「被害が小さい」を挙げた者の割合は,男性で,「自分にも落ち度がある」を挙げた者の割合は,女性で,それぞれ高くなっている。(表3,図3)
(3) 犯罪被害に対する不安感
自分や家族が,日常生活の中で犯罪被害に遭う不安を感じることがあるかどうか聞いたところ,「感じる」とする者の割合が46.7%(「いつも感じる」7.8%+「時々感じる」(38.9%),「感じない」とする者の割合が52.7%(「あまり感じない」36.6%+「感じない」16.1%)となっている。
都市規模別に見ると,「感じる」とする者の割合は,大都市で,「感じない」とする者の割合は,町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「感じる」とする者の割合は,女性で,「感じない」とする者の割合は,男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「感じる」とする者の割合は,30歳代と40歳代で,「感じない」とする者の割合は,15〜19歳,60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。(図4,表4)
ア 犯罪被害に対する不安内容
自分や家族が,日常生活の中で犯罪被害に遭う不安を「感じる」ことがあるとする者(1,655人)に,不安を感じることは何か聞いたところ,「交通事故」を挙げた者の割合が 60.1%と最も高く,以下,「空き巣などの侵入盗」(51.3%),「自転車盗」(27.8%),「悪質商法などの詐欺」(27.6%),「ひったくり」(25.0%)などの順となっている。(複数回答)
都市規模別に見ると,「空き巣などの侵入盗」を挙げた者の割合は,中都市で,「ひったくり」を挙げた者の割合は,大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「ひったくり」を挙げた者の割合は,女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「交通事故」を挙げた者の割合は, 40歳代で,「自転車盗」を挙げた者の割合は,15〜19歳と40歳代で,それぞれ高くなっている。(図5,表5)
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