2 調査結果の概要
- 国際社会に対する意識
(1) 外国のニュースや記事への関心
テレビやラジオや新聞などで報道される外国のニュースや記事などを,興味や関心をもって見聞きしたり読んだりすることがあるか聞いたところ,「ある」とする者の割合が80.8%(「よくある」37.9%+「時々ある」42.8%),「ない」とする者の割合が19.2%(「あまりない」15.7%+「ほとんど(全く)ない」3.5%)となっている。
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,大きな変化は見られない。(図23)
都市規模別に見ると,「ある」とする者の割合は大都市で,「ない」とする者の割合は小都市,町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「ある」とする者の割合は男性で,「ない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「ある」とする者の割合は男性の30歳代から60歳代で,「ない」とする者の割合は女性の20歳代,30歳代,60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表22)(2) 外国で生活することへの関心
機会があったら,2,3年程度外国で生活することについて,どう思うか聞いたところ,「生活してみたい」とする者の割合が40.7%(「ぜひ生活してみたい」18.6%+「まあ生活してもよい」22.1%),「生活したくない」とする者の割合が57.3%(「あまり生活したくない」33.3%+「絶対生活したくない」23.9%)となっている。
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「生活してみたい」(37.2%→40.7%)とする者の割合が上昇し,「生活したくない」(60.9%→57.3%)とする者の割合が低下している。(図24)
都市規模別に見ると,「生活してみたい」とする者の割合は大都市,中都市で,「生活したくない」とする者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「生活してみたい」とする者の割合は男性で,「生活したくない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「生活してみたい」とする者の割合は男女共に20歳代から40歳代で,「生活したくない」とする者の割合は男性の60歳代,70歳以上及び女性の50歳代から70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表23)(3) 外国人との友人関係について
外国の人と友人になりたいと思うか,そうは思わないか,それとも,いま外国の人に友人がいるか聞いたところ,「友人になりたい」と答えた者の割合が46.2%,「友人になりたいとは思わない」と答えた者の割合が38.6%,「いま友人がいる」と答えた者の割合が8.5%となっている。
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「友人になりたいとは思わない」(42.2%→38.6%)と答えた者の割合が低下している。(図25)
都市規模別に見ると,「友人になりたい」と答えた者の割合は大都市で,「友人になりたいとは思わない」と答えた者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「友人になりたいとは思わない」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「友人になりたい」と答えた者の割合は男女共に20歳代から40歳代で,「友人になりたいとは思わない」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上及び女性の50歳代から70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表24)(4) 外国との結びつきや影響について
日頃の生活の中で外国との結びつきや影響を感じることがあるか聞いたところ,外国との結びつきや影響を感じる何らかの選択肢を挙げた者(以下『「感じることがある」とする者』という。)の割合が82.7%,「特にない」と答えた者の割合が14.9%となっている。
平成8年12月の調査結果と比較してみると,大きな変化は見られない。
都市規模別に見ると,「感じることがある」とする者の割合は大都市,中都市で,「特にない」と答えた者の割合は小都市,町村で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「感じることがある」とする者の割合は男性で,「特にない」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「感じることがある」とする者の割合は,男性の20歳代から50歳代及び女性の20歳代から40歳代で,「特にない」と答えた者の割合は男女共に60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。
次に日頃の生活の中で外国との結びつきや影響を感じるのはどのようなことかについては,「外国人をよく見かけるようになってきた」を挙げた者の割合が47.8%と最も高く,以下,「身近に輸入品が増えてきた」(44.7%),「外国のスポーツや芸術を見る機会が増えてきた」(31.3%)などの順となっている。(複数回答)
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「身近に輸入品が増えてきた」(52.8%→44.7%)を挙げた者の割合が低下している。(図26)
都市規模別に見ると,「外国人をよく見かけるようになってきた」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「外国のスポーツや芸術を見る機会が増えてきた」大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「身近に輸入品が増えてきた」を挙げた者の割合は女性で,「外国のスポーツや芸術を見る機会が増えてきた」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「外国人をよく見かけるようになってきた」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代及び女性の20歳代,40歳代,50歳代で,「身近に輸入品が増えてきた」を挙げた者の割合は女性の20歳代から50歳代で,「外国のスポーツや芸術を見る機会が増えてきた」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代及び女性の30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。(表25)(5) 国際化に当たって身につける必要があること
これから,日本はますます国際化が進んで行くものと考えられるが,日本の国際化に当たって,今後どのようなことを身につけていく必要があると思うか聞いたところ,「十分な外国語での会話能力」を挙げた者の割合が48.1%と最も高く,以下,「外国人とわけへだてなく接する態度」(40.7%),「自己主張できる積極的な態度」(37.3%)などの順となっている。(複数回答)
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「十分な外国語での会話能力」(41.3→48.1%)を挙げた者の割合が上昇し,「外国人とわけへだてなく接する態度」(42.5%→40.7%),「自己主張できる積極的な態度」(39.9%→37.3%)を挙げた者の割合が低下している。(図27)
都市規模別に見ると,「十分な外国語での会話能力」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「外国人とわけへだてなく接する態度」,「自己主張できる積極的な態度」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「十分な外国語での会話能力」,「自己主張できる積極的な態度」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「十分な外国語での会話能力」,「外国人とわけへだてなく接する態度」を挙げた者の割合は男女共に20歳代から40歳代で,「自己主張できる積極的な態度」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代及び女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(表26)(6) 国際化を推進するために地域で行うべきこと
国際化を推進するために,自分の住む地域では,今後どのようなことを行っていくべきだと考えるか聞いたところ,「外国人が日本の文化や歴史を学ぶ機会の提供」を挙げた者の割合が28.1%,「国際交流を行うグループを育成・援助する」を挙げた者の割合が27.2%,「青少年や留学生の家庭滞在を促進する」を挙げた者の割合が25.9%と高く,以下,「国際的なスポーツ大会や音楽会などを開催する」(23.3%),「外国人のための相談窓口などの増設」(23.3%),「外国の文化や歴史を紹介する」(21.6%)などの順となっている。なお,「特にない」と答えた者の割合が12.4%,「わからない」と答えた者の割合が10.7%となっている。(複数回答)
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「外国人が日本の文化や歴史を学ぶ機会の提供」(26.4%→28.1%)を挙げた者の割合が上昇し,「国際交流を行うグループを育成・援助する」(29.5%→27.2%),「青少年や留学生の家庭滞在を促進する」(28.2%→25.9%),「国際的なスポーツ大会や音楽会などを開催する」(27.3%→23.3%)を挙げた者の割合が低下している。(図28)
都市規模別に見ると,「外国人が日本の文化や歴史を学ぶ機会の提供」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「外国人のための相談窓口などの増設」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「外国人が日本の文化や歴史を学ぶ機会の提供」,「外国の文化や歴史を紹介する」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「外国人が日本の文化や歴史を学ぶ機会の提供」を挙げた者の割合は男性の40歳代,50歳代及び女性の30歳代,40歳代で,「国際交流を行うグループを育成・援助する」を挙げた者の割合は男女共に30歳代,40歳代で,「青少年や留学生の家庭滞在を促進する」を挙げた者の割合は男性の30歳代,50歳代及び女性の30歳代,40歳代で,「国際的なスポーツ大会や音楽会などを開催する」男性の20歳代,30歳代及び女性の30歳代,40歳代で,「外国人のための相談窓口などの増設」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代及び女性の20歳代,30歳代で,「外国の文化や歴史を紹介する」を挙げた者の割合は男性の40歳代,50歳代及び女性の40歳代で,それぞれ高くなっている。(表27)(7) 日本の利益か世界全体の利益か
日本の利益と世界全体の利益との関係について, どのように考えたらよいと思うか聞いたところ,「日本の利益を第一に考えて,いろいろな課題に取り組んでいく」(以下「日本の利益」という。)と答えた者の割合が14.1%,「日本の利益と世界全体の利益との調和を考えて,いろいろな課題に取り組んでいく」(以下「日本の利益と世界全体の利益との調和」という。)と答えた者の割合が65.2%,「世界全体に貢献することを第一に考えて,いろいろな課題に取り組んでいく」(以下「世界全体に貢献」という。)と答えた者の割合が10.9%となっている。
平成8年12月の調査結果と比較して見ると,「世界全体に貢献」(13.7%→10.9%)と答えた者の割合が低下している。(図29)
都市規模別に見ると,「日本の利益」と答えた者の割合は町村で,「日本の利益と世界全体の利益との調和」と答えた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「日本の利益」,「世界全体に貢献」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「日本の利益」と答えた者の割合は男女共に60歳代,70歳以上で,「日本の利益と世界全体の利益との調和」と答えた者の割合は男性の40歳代及び女性の20歳代から40歳代で,「世界全体に貢献」と答えた者の割合は男性の20歳代,30歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。(表28)
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