2 調査結果の概要
- ペット飼育の是非について
(1) 外国産野生動物の飼育
リスザル、イグアナ、アライグマなど外国産の野生動物をペットとして飼う人がいるが、このようなペットを飼うことについて、どのように考えるか聞いたところ、「個人の責任で自由に飼ってもよい」と答えた者の割合が14.5%、「規制により問題のないものに限定すれば飼ってもよい」と答えた者の割合が28.9%、「ペットとして飼うべきでない」と答えた者の割合が49.2%となっている。
都市規模別に見ると、「個人の責任で自由に飼ってもよい」と答えた者の割合は、町村で、「ペットとして飼うべきでない」と答えた者の割合は、小都市で、それぞれ高くなっている。
性別に見ると、「個人の責任で自由に飼ってもよい」と答えた者の割合は、男性で高くなっている。
年齢別に見ると、「個人の責任で自由に飼ってもよい」、「規制により問題のないものに限定すれば飼ってもよい」と答えた者の割合は、20歳代、30歳代で、「ペットとして飼うべきでない」と答えた者の割合は、60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。
住居の形態別に見ると、「規制により問題のないものに限定すれば飼ってもよい」と答えた者の割合は、集合住宅で、「ペットとして飼うべきでない」と答えた者の割合は、一戸建てで、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「個人の責任で自由に飼ってもよい」、「規制により問題のないものに限定すれば飼ってもよい」と答えた者の割合は、好きと答えた者で高く、「ペットとして飼うべきでない」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で高くなっている。(図12、表12)ア 外国産野生動物を飼育すべきでない理由
リスザル、イグアナ、アライグマなど外国産の野生動物をペットとして飼うべきでないと答えた者(1,078人)に、そう考える理由は何か聞いたところ、「野生動物は自然のままにしておく方が良い」を挙げた者の割合が57.2%、「逃げ出したり、捨てられた場合に、予想されないような人への危害や農作物被害などが生じるおそれがある」を挙げた割合が52.6%と高く、以下、「外国から新しい病気を持ち込むおそれがある」(34.2%)、「逃げ出したり、捨てられた場合に、在来の動物を滅ぼすなど生態系への悪影響を及ぼすおそれがある」(32.4%)などの順となっている。(複数回答、図13)
都市規模別に見ると、「野生動物は自然のままにしておく方が良い」、「外国から新しい病気を持ち込むおそれがある」を挙げた者の割合は、大都市で、「逃げ出したり、捨てられた場合に、予想されないような人への危害や農作物被害などが生じるおそれがある」を挙げた割合は、小都市で、それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると、「逃げ出したり、捨てられた場合に、在来の動物を滅ぼすなど生態系への悪影響を及ぼすおそれがある」を挙げた者の割合は、30歳代で高くなっている。
住居の形態別に見ると、「野生動物は自然のままにしておく方が良い」、「逃げ出したり、捨てられた場合に、予想されないような人への危害や農作物被害などが生じるおそれがある」を挙げた者の割合は、集合住宅で、それぞれ高くなっている。(表13)(2) 集合住宅におけるペットの飼育
集合住宅(アパート、マンションなど一戸建でないもの)では、犬やねこなどを飼ってはいけないところがあるが、集合住宅で犬やねこを飼うことについて、どう考えるか聞いたところ、「飼ってはいけないと思う」と答えた者の割合が35.7%、「一定のルールを守れば飼ってもよいと思う」と答えた者の割合が57.5%、「飼ってもよいと思う」と答えた者の割合が2.3%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると、「飼ってはいけないと思う」(50.9%→35.7%)と答えた者の割合は低下し、「一定のルールを守れば飼ってもよいと思う」(41.6%→57.5%)と答えた者の割合は上昇している。
年齢別に見ると、「飼ってはいけないと思う」と答えた者の割合は、60歳代、70歳以上で、「一定のルールを守れば飼ってもよいと思う」と答えた者の割合は、20歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「飼ってはいけないと思う」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で、「一定のルールを守れば飼ってもよいと思う」と答えた者の割合は、好きと答えた者で、それぞれ高くなっている。(図14、表14)(3) 飼えなくなったペットの処置
家庭で飼っている犬やねこなどが、いろいろな事情で飼えなくなった場合、どうするのがよいと思うか聞いたところ、「新たな飼い主をさがす」と答えた者の割合が49.3%と最も高く、以下、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」(28.5%)、「動物愛護団体に連れて行く」(16.7%)などの順となっている。
都市規模別に見ると、「新たな飼い主をさがす」と答えた者の割合は、中都市で、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」と答えた者の割合は、小都市、町村で、「動物愛護団体に連れて行く」と答えた者の割合は、大都市で、それぞれ高くなっている。
性別に見ると、「新たな飼い主をさがす」と答えた者の割合は、女性で、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」と答えた者の割合は、男性で、それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると、「新たな飼い主をさがす」と答えた者の割合は、20歳代から40歳代で、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」と答えた者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。
住居の形態別に見ると、「新たな飼い主をさがす」、「動物愛護団体に連れて行く」と答えた者の割合は集合住宅で、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」と答えた者の割合は、一戸建てで、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「新たな飼い主をさがす」と答えた者の割合は、好きと答えた者で、「保健所や動物管理センターに引き取ってもらう」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で、それぞれ高くなっている。(図15、表15、参考表2)(4) ペットの安楽死処分
都道府県などに引き取られた犬やねこのほとんどは、新たな引取り手が出てこないため安楽死処分されていることについて、どう考えるか聞いたところ、「多くの犬やねこを生かしておけないなら、処分することは必要である」と答えた者の割合が6.8%、「引取り手がいないのならば、かわいそうだがやむを得ない」と答えた者の割合が60.1%、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」と答えた者の割合が26.4%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」(23.2%→26.4%)と答えた者の割合は上昇している。
都市規模別に見ると、「引取り手がいないのならば、かわいそうだがやむを得ない」と答えた者の割合は、小都市、町村で、それぞれ高くなっている。
性別に見ると、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」と答えた者の割合は、女性で高くなっている。
年齢別に見ると、「引取り手がいないのならば、かわいそうだがやむを得ない」と答えた者の割合は、40歳代で、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」と答えた者の割合は20歳代、30歳代で、それぞれ高くなっている。
住居の形態別に見ると、「引取り手がいないのならば、かわいそうだがやむを得ない」と答えた者の割合は、一戸建てで、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」と答えた者の割合は、集合住宅で、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「多くの犬やねこを生かしておけないなら、処分することは必要である」、「引取り手がいないのならば、かわいそうだがやむを得ない」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で、「生命は尊いものであるから処分は行うべきでない」と答えた者の割合は、好きと答えた者で、それぞれ高くなっている。(図16、表16)(5) ねこの飼い方
ねこの飼い方について、どう考えるか聞いたところ、「飼い主の責任で自由に飼う方がよい」と答えた者の割合が21.3%、「ねこの健康上、放し飼いの方がよい」と答えた者の割合が4.4%、「ねこの習性から放し飼いはしかたがない」と答えた者の割合が17.4%、「事故にあったり、病気にかかりやすくなったりするので屋内で飼う方がよい」13.7%、「他人の敷地内などにふん尿をするなど迷惑となるので屋内で飼うべき」35.1%となっている。
都市規模別に見ると、「ねこの習性から放し飼いはしかたがない」と答えた者の割合は、小都市で、「他人の敷地内などにふん尿をするなど迷惑となるので屋内で飼うべき」と答えた者の割合は、大都市で、それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると、「ねこの習性から放し飼いはしかたがない」と答えた者の割合は、20歳代で、「事故にあったり、病気にかかりやすくなったりするので屋内で飼う方がよい」と答えた者の割合は40歳代、「他人の敷地内などにふん尿をするなど迷惑となるので屋内で飼うべき」と答えた者の割合は、60歳代で、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「飼い主の責任で自由に飼う方がよい」、「ねこの習性から放し飼いはしかたがない」、「事故にあったり、病気にかかりやすくなったりするので屋内で飼う方がよい」と答えた者の割合は、好きと答えた者で、「他人の敷地内などにふん尿をするなど迷惑となるので屋内で飼うべき」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で、それぞれ高くなっている。(図17、表17)(6) のらねこへの餌やり
のらねこに餌を与えることについて、どう考えるか聞いたところ、「のらねこがかわいそうなので与えてもよい」と答えた者の割合が9.4%、「餌を与える人がふん尿の始末をするなど、責任を持って管理するのであればかまわない」と答えた者の割合が26.9%、「のらねこが増えるので与えない方がよい」と答えた者の割合が37.0%、「のらねこが集まりふん尿などで生活環境を汚損するので与えない方がよい」と答えた者の割合が22.8%となっている。
性別に見ると、「餌を与える人がふん尿の始末をするなど、責任を持って管理するのであればかまわない」と答えた者の割合は、女性で高くなっている。
年齢別に見ると、「のらねこがかわいそうなので与えてもよい」と答えた者の割合は20歳代で、「餌を与える人がふん尿の始末をするなど、責任を持って管理するのであればかまわない」と答えた者の割合は、20歳代、30歳代で、「のらねこが増えるので与えない方がよい」と答えた者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。
ペット飼育の好き嫌いとの関連で見ると、「のらねこがかわいそうなので与えてもよい」、「餌を与える人がふん尿の始末をするなど、責任を持って管理するのであればかまわない」と答えた者の割合は、好きと答えた者で、「のらねこが増えるので与えない方がよい」、「のらねこが集まりふん尿などで生活環境を汚損するので与えない方がよい」と答えた者の割合は、嫌いと答えた者で、それぞれ高くなっている。(図18、表18)
目次 | 戻る | 次へ