2 調査結果の概要
- 現在の生活についての意識
(1) 去年と比べた生活の向上感
お宅の生活は,去年の今頃と比べて向上していると思うか聞いたところ、「向上している」と答えた者の割合が3.3%、「同じようなもの」と答えた者の割合が67.0%、「低下している」と答えた者の割合が28.5%となっている。(図1)
前回の調査結果(平成9年5月調査をいう。以下同じ)と比較してみると、「向上している」、「同じようなもの」と答えた者の割合が低下(4.7%→3.3%、72.0%→67.0%)し、「低下している」と答えた者の割合が上昇(22.1%→28.5%)している。(図2)
性別に見ると、「同じようなもの」と答えた者の割合は女性で、「低下している」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。(表1)
性・年齢別に見ると、「同じようなもの」と答えた者の割合は男性の30歳代、70歳以上と女性の20歳代、30歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっており、「低下している」と答えた者の割合は男性の50歳代、60歳代と女性の50歳代で、それぞれ高くなっている。(図3)
職業別に見ると、「同じようなもの」と答えた者の割合は管理職・専門技術職・事務職、無職で,「低下している」と答えた者の割合は、商工サービス・自由業(自営業主)、商工サービス・自由業(家族従業者)、労務職で、それぞれ高くなっている。(2) 生活に対する満足度
ア 現在の生活に対する満足度
全体として、現在の生活にどの程度満足しているか聞いたところ、「満足」と答えた者の割合が63.7%(「満足している」9.5%+「まあ満足している」54.2%)、「不満」と答えた者の割合が34.2%(「やや不満だ」23.8%+「不満だ」10.4%)となっている。(図4)
前回の調査結果と比較して見ると、「満足」と答えた者の割合が低下(66.5%→63.7%)し、「不満」と答えた者の割合が上昇 (30.6%→34.2%) している。(図5)
性別に見ると、「満足」と答えた者の割合は女性で、「不満」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。(表2)
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の20歳代、70歳以上で,それぞれ高くなっており、「不満」と答えた者の割合は男性の40歳代から60歳代で高くなっている。(図6)
職業別に見ると、「満足」と答えた者の割合は管理職・専門技術職・事務職、主婦で、「不満」と答えた者の割合は商工サービス業(自営業主)、労務職で、それぞれ高くなっている。イ 現在の生活の各面での満足度
所得・収入、資産・貯蓄、耐久消費財、住生活、レジャー・余暇生活にどの程度満足しているか聞いたところ、「満足」(「満足している」+「まあ満足している」)と答えた者の割合は、所得・収入の面では44.0%( 6.1%+37.9%)、資産・貯蓄の面では35.3% (4.1%+31.2%)、耐久消費財の面では72.0%(14.3%+57.7%)、住生活の面では70.0%(18.7%+51.3%)、レジャー・余暇生活の面では55.5%(10.9%+44.6%)となっている。
また,不満(「やや不満だ」+「不満だ」)と答えた者の割合は、所得・収入の面では52.8%(34.5%+18.3%)、資産・貯蓄の面では60.0%(36.5%+23.5%)、耐久消費財の面では24.1%(17.4%+6.7%)、住生活の面では28.2%(18.6%+9.6%)、レジャー・余暇生活の面では40.4%(26.3%+14.1%)となっている。(図7)
前回の調査結果と比較して見ると、所得・収入の面、資産・貯蓄の面、耐久消費財の面、住生活の面で、「満足」と答えた者の割合が低下(46.7%→44.0%、38.0%→35.3%、75.3%→72.0%)し、所得・収入の面、資産・貯蓄の面、耐久消費財の面で「不満」と答えた者の割合が上昇(49.9%→52.8%、56.9%→60.0%、21.1%→24.1%)している。(表3)
- (ア) 所得・収入
- 所得・収入に対する満足度を性別に見ると、「満足」と答えた者の割合は女性で、「不満」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男女とも70歳以上で,「不満」と答えた者の割合は男性の20歳代から60歳代で、それぞれ高くなっている。
住宅の形態別に見ると、「満足」と答えた者の割合は持ち家の一戸建の者と賃貸住宅の給与住宅の者で、「不満」と答えた者の割合は賃貸住宅の民間の者と公団・公社・公営の者で、それぞれ高くなっている。(表4)
- (イ) 資産・貯蓄
- 資産・貯蓄に対する満足度を性別に見ると、「満足」と答えた者の割合は女性で、「不満」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳以上で、「不満」と答えた者の割合は男性の30歳代から50歳代と女性の30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。(表5)
- (ウ) 耐久消費財
- 耐久消費財に対する満足度を性別に見ると、「不満」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳代で、「不満」と答えた者の割合は男性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。
住宅の形態別に見ると、「満足」と答えた者の割合は持ち家の者で、「不満」と答えた者の割合は賃貸住宅の者で、それぞれ高くなっている。(表6)
- (エ) 住生活
- 住生活に対する満足度を都市規模別に見ると、「満足」と答えた者の割合は町村で、「不満」と答えた者の割合は東京都区部、政令指定都市で、それぞれ高くなっている。
性別に見ると、「満足」と答えた者の割合は女性で、「不満」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳以上で、「不満」と答えた者の割合は男性の30歳代から50歳代と女性の30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。
住宅の形態別に見ると、「満足」と答えた者の割合は持ち家の者で、「不満」と答えた者の割合は賃貸住宅の者で、それぞれ高くなっている。(表7)
- (オ) レジャー・余暇生活
- レジャー・余暇生活に対する満足度を性別に見ると、「満足」と答えた者の割合は女性で、「不満」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「満足」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の20歳代で、「不満」と答えた者の割合は男性の40歳代、50歳代と女性の40歳代で、それぞれ高くなっている。(表8)
(3) 生活の充実感
ア 現在の生活の充実感
日頃の生活の中で、どの程度充実感を感じているか聞いたところ、「充実感を感じている」と答えた者の割合が66.7%(「十分充実感を感じている」 9.3%+「まあ充実感を感じている」57.3%)、「充実感を感じていない」と答えた者の割合が29.7%(「あまり充実感を感じていない」21.0%+「ほとんど(全く)充実感を感じていない」8.8%)となっている。(図8)
前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。(図9)
性別に見ると、「充実感を感じている」と答えた者の割合は女性で、「充実感を感じていない」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「充実感を感じている」と答えた者の割合は女性の20歳代から40歳代で、「充実感を感じていない」と答えた者の割合は男性の40歳以上で、それぞれ高くなっている。(図10)
生活の向上感についての質問との関連で見ると、「充実感を感じている」と答えた者の割合は、「向上している」、「同じようなもの」と答えた者で、「充実感を感じていない」と答えた者の割合は、「低下している」と答えた者で、それぞれ高くなっている。(表9)イ 充実感を感じる時
「充実感を感じている」(「十分充実感を感じている」+「まあ充実感を感じている」)、「あまり充実感を感じていない」、「どちらともいえない」と答えた者(6,154人)に、日頃の生活の中で、充実感を感じるのは、主にどのような時か聞いたところ、「家族団らんの時」を挙げた者の割合が46.9%と最も高く、以下、「趣味やスポーツに熱中している時」(36.0%)、「友人や知人と会合、雑談している時」(35.9%)、「仕事にうちこんでいる時」 (34.7%) 、「ゆったりと休養している時」(34.6%)などの順となっている。(複数回答)
前回の調査結果と比較して見ると、「家族団らんの時」、「趣味やスポーツに熱中している時」を挙げた者の割合が上昇(45.1%→46.9%、34.1%→36.0%)している。(表10、参考表1)
性別に見ると、「家族団らんの時」、「友人や知人と会合、雑談している時」を挙げた者の割合は女性で、「趣味やスポーツに熱中している時」、「仕事にうちこんでいる時」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。(図11)
性・年齢別に見ると、「家族団らんの時」を挙げた者の割合は男性の30歳代と女性の30歳代、40歳代で、「趣味やスポーツに熱中している時」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代で、「友人や知人と会合、雑談している時」を挙げた者の割合は男性の20歳代と女性の20歳代から60歳代で、「仕事にうちこんでいる時」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図12、図13、図14、図15、図16)(4) 日常生活での悩みや不安
ア 日常生活での悩みや不安
日頃の生活の中で,悩みや不安を感じているかどうか聞いたところ、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合が62.4%、「悩みや不安を感じていない」と答えた者の割合が36.2%となっている。(図17)
前回の調査結果と比較して見ると、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合が上昇(60.6%→62.4%)し、「悩みや不安を感じていない」と答えた者の割合が低下(38.8%→36.2%)している。(図18)
性・年齢別に見ると、「悩みや不安を感じている」と答えた者の割合は男性の50歳代と女性の40歳代で、「悩みや不安を感じていない」と答えた者の割合は男性の20歳代、70歳代以上と女性の20歳代で、それぞれ高くなっている。(図19、表11)イ 悩みや不安の内容
悩みや不安を感じていると答えた者( 4,384人)に、悩みや不安を感じているのはどのようなことか聞いたところ、「老後の生活設計について」を挙げた者の割合が47.6%と最も高く、以下、「自分の健康について」(44.1%)、「家族の健康について」(40.3%)、「今後の収入や資産の見通しについて」(35.3%)、「現在の収入や資産について」(27.2%)、「家族の生活(進学、就職、結婚など)上の問題について」(25.6%)などの順となっている。(複数回答)
前回の調査結果と比較して見ると、「老後の生活設計について」、「今後の収入や資産の見通しについて」、「現在の収入や資産について」を挙げた者の割合が上昇(42.6%→47.6%、26.4%→35.3%、20.1%→27.2%)している。(図20)
性別に見ると、「家族の健康について」、「家族の生活(進学、就職、結婚など)上の問題について」を挙げた者の割合は女性で、「今後の収入や資産の見通しについて」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「老後の生活設計について」を挙げた者の割合は男性の50歳代、60歳代と女性の40歳代から60歳代で、それぞれ高く、「自分の健康について」を挙げた者の割合は男女とも60歳以上でそれぞれ高く、「家族の健康について」を挙げた者の割合は女性の50歳代、60歳代で高く、「今後の収入や資産の見通しについて」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代と女性の30歳代で、それぞれ高く、「現在の収入や資産について」を挙げた者の割合は男女とも30歳代、40歳代で、それぞれ高く、「家族の生活(進学,就職,結婚など)上の問題について」を挙げた者の割合は男性の40歳代と女性の30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。(表12)(5) ゆとりの有無
ふだん、仕事や家事、学業などに精一杯でゆとりがないか、それとも、休んだり、好きなことをしたりする時間的なゆとりがあるか聞いたところ、「ゆとりがある」と答えた者の割合が58.1%(「かなりゆとりがある」13.5%+「ある程度ゆとりがある」44.6%)、「ゆとりがない」と答えた者の割合が41.4%(「あまりゆとりがない」29.8%+「ほとんどゆとりがない」11.6%)となっている。(図21)
前回の調査結果と比較してみると大きな変化は見られない。
性別に見ると、「ゆとりがある」と答えた者の割合は女性で、「ゆとりがない」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「ゆとりがある」と答えた者の割合は男女ともに60歳以上で、「ゆとりがない」と答えた者の割合は男性の30歳代から50歳代と女性の30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。(図22)
職業別に見ると、「ゆとりがある」と答えた者の割合は無職の者で、「ゆとりがない」と答えた者の割合は商工サービス・自由業(自営業主)、商工サービス・自由業(家族従業者)、管理職・専門技術職・事務職、労務職で、それぞれ高くなっている。(表13)(6) 自由時間の過ごし方
現在、どのようなことをして自分の自由になる時間を過ごしているか聞いたところ、「ラジオを聞いたり,テレビを見たりする」と答えた者の割合が49.2%と最も高く、以下「趣味を楽しむ」(42.0%)、「のんびり休養する」(33.9%)、「家族との団らんを楽しむ」(32.0%)、「知人・友人と過ごす」(29.0%)、「ショッピングに行く」(25.0%)などの順となっている。(図23)
平成7年5月の調査結果と比較して見ると、「のんびり休養する」と答えた者の割合が低下(36.0%→33.9%)し、「ショッピングに行く」と答えた者の割合が上昇(20.6%→25.0%)している。
性別に見ると、「趣味を楽しむ」、「のんびり休養する」と答えた者の割合は男性で、「家族との団らんを楽しむ」、「知人・友人と過ごす」、「ショッピングに行く」と答えた者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「ラジオを聞いたり,テレビを見たりする」と答えた者の割合は男女ともに60歳以上で、「趣味を楽しむ」と答えた者の割合は男性の20歳代で、「のんびり休養する」と答えた者の割合は男性の30歳代、40歳代で、「家族との団らんを楽しむ」と答えた者の割合は男女ともに30歳代、40歳代で、「知人・友人と過ごす」と答えた者の割合は男性の20歳代と女性の全ての年齢階層で、「ショッピングに行く」と答えた者の割合は女性の20歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。
ゆとりの有無との関係で見ると、「ラジオを聞いたり,テレビを見たりする」、「趣味を楽しむ」、「のんびり休養する」、「知人・友人と過ごす」、「ショッピングに行く」と答えた者の割合は「ゆとりがある」と答えた者で高くなっている。(表14)(7) 生活程度
お宅の生活の程度は、世間一般からみて、どの程度と思うか聞いたところ、「上」と答えた者の割合が0.8%、「中の上」と答えた者の割合が9.3%、「中の中」と答えた者の割合が56.2%、「中の下」と答えた者の割合が24.6%、「下」と答えた者の割合が6.4%となっている。(図24)
前回の調査結果と比較してみると、大きな変化は見られない。(図25)
性別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は女性で、「中の下」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は女性の20歳代、30歳代で、「中の下」と答えた者の割合は男性の60歳代で、それぞれ高くなっている。
世帯収入別で見ると、「中の中」と答えた者の割合は600万円以上1,200万円未満の者で、「中の下」と答えた者の割合は100万円以上600万円未満の者で、それぞれ高くなっている。
住宅の形態別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は持ち家の一戸建の者で、「中の下」と答えた者の割合は賃貸住宅の民間と公団・公社・公営の者で、それぞれ高くなっている。(表15)(8) 資産程度
お宅の資産(土地、家屋、預貯金等)の程度は、世間一般からみて、どの程度か聞いたところ、「上」と答えた者の割合が0.8%、「中の上」と答えた者の割合が7.5%、「中の中」と答えた者の割合が44.6%、「中の下」と答えた者の割合が29.0%、「下」と答えた者の割合が12.5%となっている。(図26)
前回の調査結果と比較してみると、「中の下」と答えた者の割合が低下(31.4%→29.0%)している。(図27)
性別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
性・年齢別に見ると、「中の下」と答えた者の割合は男性の30歳代で、「下」と答えた者の割合は男性の60歳代で、それぞれ高くなっている。
主として生活を支えている者の職業別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は農林漁業、管理職・専門技術職・事務職で、「中の下」及び「下」と答えた者の割合は労務職で、それぞれ高くなっている。
世帯収入別で見ると、「中の中」と答えた者の割合は600万円以上1,200万円未満の者で、「中の下」と答えた者の割合は100万円以上500万円未満の者で、「下」と答えた者の割合は400万円未満の者で、それぞれ高くなっている。
住宅の形態別に見ると、「中の中」と答えた者の割合は持ち家の一戸建(ローン返済中)の者で、「中の下」及び「下」と答えた者の割合は賃貸住宅の民間の者と公団・公社・公営の者で、それぞれ高くなっている。(表16)
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