クローンに関する有識者アンケート調査

1998年11月9日掲載

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電話番号 03-5253-2111(代表)

この調査内容は、当時の総理府が公表したものである

クローンに関する有識者アンケート調査(平成10年8〜9月)

I 調査の概要

1 調査の目的クローン技術に関する基本的考え方をとりまとめるため、各界の有識者を対象にアンケート調査を実施し、意見を聴取する。
2 調査項目(1) 生命倫理問題一般について
(2) クローンに関する生命倫理問題について
(3) 動物のクローン技術について
(4) その他
3 調査対象 全国の有識者2,700人を調査対象とした。(下記参照)
分野対象者数
学識者600
マスコミ関係者300
医者300
自由業者300
企業経営者 300
各種団体役員 300
研究職300
行政官300
4  調査時期 平成10年8月26日〜9月16日
5  調査方法 郵送法
6  回収結果 2,114人(78.3%)
7 分野別回収結果 
分野有効回収数(率)
学識者504(84.0%)
マスコミ関係者218(72.7%)
医者236(78.7%)
自由業者210(70.0%)
企業経営者 235(78.3%)
各種団体役員 225(75.0%)
研究者256(85.3%)
行政官225(75.0%)
不明

II 調査結果の概要

1 生命倫理問題一般について

問 1 生命倫理問題について、関心がありますか。
  1. 非常に関心がある
  2. ある程度関心がある
  3. あまり関心がない
  4. 全く関心がない
  5. わからない

表1



問 2 生命倫理問題について、特に関心の高いものを3つまで挙げて下さい。
  1. 遺伝子治療
  2. 臓器移植
  3. 脳死
  4. 体外受精
  5. 代理母
  6. ガン等の告知
  7. 安楽死
  8. 妊娠中絶
  9. クローンの作成
  10. その他
  11. 特にない

表2



問 3 クローンについて、どの程度関心がありますか。
  1. 非常に関心がある
  2. ある程度関心がある
  3. あまり関心がない
  4. 全く関心がない
  5. わからない

表3



問 4 クローンに関する知識・情報をこれまでどこから得ていましたか。次の中からいくつでも挙げて下さい。
  1. 新聞
  2. テレビ
  3. ラジオ
  4. 書籍や雑誌
  5. パンフレット
  6. インターネット
  7. シンポジウムや講演会
  8. 学校教育
  9. 人伝え
  10. その他
  11. これまで聞いたことがない
  12. わからない

表4



問 5 同封したパンフレットを読んで、どんなことに関心を持ちましたか。次の中からいくつでも挙げて下さい。
  1. クローンを産生する方法
  2. 受精後発生初期の細胞を使ったクローンの例
  3. クローン羊「ドリー」(成体の体細胞を使ったクローンの例)
  4. クローン技術の応用分野
  5. クローン技術の人への適用
  6. その他
  7. わからない

表5



2 クローンに関する生命倫理問題について

問 6 クローン技術を人に適用し、人の個体を生み出すことは、生命倫理の観点から好ましくないとの意見がありますが、あなたはこのような意見についてどう思いますか。
そう思うどちらかとい
うとそう思う
あまりそう
思わない
そう思わないわからない

問 6-aへ

問 6-bへ

問 7へ

表6



問 6-a あなたの考えに近い主な理由を2つまで挙げてください。
  1. 人間は男女の関与で生まれるものであり、 クローン技術を人間に使うことは、人間の尊厳上問題があるから
  2. クローン技術で生まれた人と、従来どおり男女の関与によって生まれた人との間で、社会的差別の問題が生じる可能性があるから
  3. 人の性質をあらかじめ意図的に決めることは、そもそも許されないから
  4. 特定の優れた形質の人を生み出すことが優先される社会が出現する可能性があるから
  5. 生まれてくる人を自由な個人というよりあらかじめ定めた目的達成の手段としてとらえるものであるから
  6. 生まれてくる人が安全に成長することが保証できないから
  7. その他
  8. わからない

表6



問 6-b あなたの考えに近い主な理由を2つまで挙げてください。
  1. クローン技術で生まれてくる人であっても、誕生後の環境要因によって、能力・容姿等は変化しうるものであるので、クローン技術を特別視する理由はないから
  2. 男女が関与して生まれてくる人も、ある程度、両親の様子からあらかじめ性質がわかるので、クローン技術を特別視する理由はないから
  3. 優れた性質を持つ人が多数生まれることは人類社会の発展に役立つから
  4. 科学技術の発展の結果であり、やむを得ないものだから
  5. その他
  6. わからない

表6



問 7 クローン技術によって、不妊症の夫婦が、受精によらずに夫か妻の遺伝子をそのまま受け継ぐ子供をもつことが可能となるともいわれていますが、このような目的でクローン技術を使うことについて、どのように思いますか。
  1. 特に制約を設ける必要はない
  2. 他に方法がない場合や、審査機関の承認を必要とするなどの一定の条件・制約の下で、使うのであれば問題ない
  3. 使うべきではない
  4. 特に意見はない
  5. その他
  6. わからない

表7



問 8  クローン羊の誕生を契機として、欧米を始めとした各国及び国際機関において、クローン技術の人への適用の規制について種々の検討が行われましたが、当面は、人のクローン個体を生み出すことについては、これを禁止することが世界的な流れとなっています。日本での規制は世界の規制と比べてどうあるべきだと思いますか。あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。
  1. 我が国独自に緩い規制を設けて技術を伸ばすべきである
  2. 我が国独自に厳しい規制を設けて技術の暴走を予防すべきである
  3. 世界各国と歩調をあわせるべきである
  4. 緩い、厳しいなどの概念にとらわれず、日本の実状にあった規制を設けるべきである
  5. その他
  6. 特に意見はない
  7. わからない

表8



問 9 クローン技術の人への適用の規制について、他の生殖技術の人への適用の規制とのバランスを考慮すべきと考えますか。
  1. そう思う
  2. どちらかというとそう思う
  3. あまりそう思わない
  4. そう思わない
  5. わからない

表9



問 10  日本において、人のクローン個体を生み出すことを禁止するとすれば、どのような規制の形態が適当であると考えますか。あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。
  1. 法律に基づく規制
  2. 国の定めるガイドライン等による規制
  3. 国からの研究資金の配分を停止することによる規制
  4. 学会等によるガイドライン等による医者、研究者の自主的規制
  5. 個別の医療機関・研究機関等における倫理委員会審査等による自主的規制
  6. その他
  7. わからない

表10



問 11 人のクローン個体を生み出すことについて、クローン技術を規制するとした場合、規制の時期をいつ頃から行うのが適当と考えますか。あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。 
  1. できるだけ早急に
  2. 他の生殖技術の規制の動向をみて
  3. 生命倫理の観点からの国民的議論を深めた上で
  4. 急ぐ必要はない
  5. その他
  6. わからない

表11



問 12  人のクローン個体を生み出すクローン技術の規制は、今後、クローン技術に対する国民の意識やその規制の在り方を巡る状況が変化する可能性があります。規制に期限を設けて、一定期間の後、再議論すべきだとの考えについて、あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。
  1. 人のクローン個体を生み出すことは、倫理的に問題であり、永久に禁止すべきである
  2. クローン技術が初期的な段階にあり、将来の人の発生過程の研究等の可能性を完全になくさないために、5年程度の期間をおいて、規制の是非について再検討すべきである
  3. クローン技術は初期的な段階にあり、今後、同技術に対する社会的認識も急速に変化する可能性があるため、2〜3年程度のうちに規制の是非について再検討すべきである
  4. その他
  5. わからない

表12



3 動物のクローン技術について

問 13 クローン技術を用いて、肉質の良い牛を大量生産するなど人に役に立つ動物を生み出すことについて、あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。
  1. 既に実用化されている人工授精、受精卵移植等と同様、人為的に家畜の生殖活動を制御する技術の一つであり、特段の制約を付さず行ってよい
  2. 効率的な食料の生産、医療の向上など人類に役立つ技術であることから、適切な情報公開を進めながら、行うべきである
  3. 倫理上の観点から行うべきではない
  4. その他
  5. わからない

表13



問 14 遺伝子組み換え技術を用いて人に移植可能な臓器をもつ動物を生み出し、人へ移植する研究が、諸外国で進められています。このような遺伝子組み換え動物を作り出す成功率は非常に低いことから、貴重な遺伝子組み換え動物の複製増殖技術として、クローン技術は今後の有力な技術と考えられ、研究が進められています。クローン技術を利用して、動物を使って人に使える移植用の臓器を多数作ることについて、あなたの考えに最も近いものを1つ答えてください。
  1. 人のクローンを生み出す技術ではなく、医療分野にとって有効な技術であることから積極的に利用すべきである
  2. 安全性の確保等の一定の条件付きで認めるべきである
  3. 倫理上の観点から、行うべきではない
  4. その他
  5. わからない

表14



4 その他

問 15 クロ−ン技術の研究は、一般の国民に容易に理解しがたいものであるため、情報公開の重要性が指摘されています。クローン技術等に関する情報を公開するには、誰が最も主体的に取り組むべきであると思いますか。この中から1つ答えてください。
  1. 国等の行政機関
  2. 研究機関
  3. 学会
  4. 研究者自身
  5. その他
  6. わからない

表15



問 16 生命倫理問題については、誰が主に考えるべき問題であると思いますか。この中から1つ答えてください。
  1. 一般の人すべてが考える問題
  2. 主に医師等の専門的職業に従事する者が考える問題
  3. 主に研究者や大学の教員等学問に従事する者が考える問題
  4. 主に行政に従事する者が考える問題
  5. その他
  6. わからない

表16


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