世論調査報告書
内閣府政府広報室
調査の概要
・調査の目的 |
現行憲法に対する国民の態度を継続的に調査して世論の動向を把握し、政府の参考資料とする。 |
・調査項目 | |
(1) | 憲法に対する一般的認識 |
(2) | 天皇 |
(3) | 防衛問題 |
(4) | 基本的人権と公共の福祉 |
(5) | 家族 |
(6) | その他制度上の問題 |
(7) | 憲法改正に対する態度 |
・調査対象 | |
(1) | 母集団 全国に居住する満20才以上の男女 |
(2) | 標本数 20,000人 |
(3) | 抽出方法 層化副次無作為抽出法 |
・調査時期 昭和38年8月13日〜昭和38年9月1日 |
・調査方法 質問票による個別面接聴取法 |
・調査実施委託機関 |
・回収結果 | |
(1) | 有効回収数(率) 16,388人(81.9%) |
(2) | 調査不能数(率) 3,612人(18.1%) |
調査票
<憲法に対する認識>
Q1 | ご承知のように,今の憲法は戦後新たに作りかえられたものですが,あなたは,憲法が変わつたことによつて,自分達の生活に大きな影響があつたと思いますか,それとも,それほど大きな影響があつたとは思いませんか。 | |||||||||
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Q2 | あなたは,今の憲法の内容について,何かで見たり聞いたりしたことがありますか。 | ||||||||
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SQ1 | 憲法の条文を一通り読んだことはありますか。 | |||||||||
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SQ2 | あなたは,今の憲法の特徴として,一般にいわれているのは,どういう点にあるかをご存じですか……どんな点ですか,その他はどうでしようか。(M.A.) | ||||||||||||||||||
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Q3 | 次に,今の憲法が作られた時の事情について伺いますが,当時,日本側でも,アメリカでも,それぞれ憲法の草案を作つていたことをご存じですか。 | ||||||||
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SQ | あなたは,いまの憲法の大筋は,主にアメリカ側で考えたものだと思いますか,それとも,主に日本側で考えたものだと思いますか。 | ||||||||||||
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<天皇>
それでは,今の憲法の内容についていろいろお伺いします。まず天皇のことですが……。
Q4 | いまの憲法では主権は国民にあつて,天皇は国政に関する実質的な権限を持つていないのですが,あなたは,このようなことをご存じですか。 | ||||||
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Q5 | あなたは天皇がある程度実質的な権限を持つように改めるべきだと思いますか。それともそのように改めるべきではないと思いますか。 | |||||||||
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Q6 | また……今の憲法では,天皇は「国の象徴」ということになつていて,外国に対して日本の国を代表するものであるかどうかが,明らかになつていないのですが,あなたはこのことをご存じですか。 | ||||||
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Q7 | ところで「天皇は国政に関しては,現在のように権限を持たなくてもよいが,外国に対しては日本を代表するものであることを憲法の上で明確にすべきだ」という意見がありますが,あなたはこのような意見には賛成ですか,反対ですか。 | ||||||||||||||||
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SQ | 何故ですか。 | ||||||||||||||||||
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Q8 | (回答票A)ところで,あなたは,法律上の問題は別として,天皇や皇室に対してどのような感じをもつていらつしやいますか,この中であなたの気持に一番近いものを選んで下さい。 | ||||||||||||||||||
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<防衛>
Q9 | 次に,防衛問題について伺いますが,あなたは今の憲法に戦争放棄の規定があることをご存じですか。 | ||||||
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Q10 | 今の憲法では「日本は一切軍備を持たないことになつている」という人と,「自衛のための軍備まで否定しているわけではない」という人がいますが,あなたは,このような二つの意見があることをご存じですか。 | ||||||||
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SQ | あなた自身は,今の憲法では「日本は一切軍備を持たないことになつている」と思いますか,それとも「自衛のための軍備まで否定しているわけではない」と思いますか。 | |||||||||
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Q11 | ところで,「今の憲法の規定を改めて,日本にも自衛のための権利があることを明らかにし,そのための軍備をもつことを認めるべきだ」という意見がありますが,あなたはこの意見に賛成ですか,反対ですか。 | ||||||||||||||||
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SQ1 | 何故ですか。(M.A.) | |||||||||||||||||||||
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SQ2 | あなたは,日本の国の独立と安全を守るためには,どうすればよいと思いますか(M.A.) | ||||||||||||||||||
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Q12 | また日本は現在国連に加盟していますが,「国連から求められた場合には,国連に対する義務を果すため,海外派兵もできるように今の憲法の規定を改めて,軍備をもつことを認めるべきだ」という意見と「そのような場合でも国連に対する協力は,海外派兵以外にも方法があるから,今の憲法の規定を改めるべきではない」という意見とがありますが,あなたはどちらの意見に賛成ですか。 | ||||||||||||
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Q13 | ところで,いま日本には,国の安全を守るために自衛隊がありますが,あなたは自衛隊をもつと増強した方がよいと思いますか,いまのままでよいと思いますか,それとも,もつと縮小した方がよいと思いますか。 | ||||||||||||
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Q14 | ご承知のように,今の世界は,アメリカを中心とする自由主義陣営と,ソ連を中心とする共産主義陣営とに大きく分れていますが……今後両陣営の対立は一層激しくなると思いますか,緩和されると思いますか,それとも今のような状態が続いてゆくと思いますか。 | ||||||||||||
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Q15 | あなたは,日本が主として自由陣営と協力していくのと,共産陣営と協力していくのと中立政策でいくのと,どれが一番よいと思いますか。 | ||||||||||||||||
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SQ | 今の世界の情勢から考えて,実際問題として,日本が中立政策をとることは可能だと思いますか,それとも,そういうことは不可能だと思いますか。 | |||||||||
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<基本的人権と公共の福止>
次に基本的人権と公共の福止の問題についてお伺います。
Q16 | 今の憲法では,公共の福止に反しないかぎり個人の基本的人権を尊重するたてまえになつているのですが,あなたはこのようなことをご存じですか。 | ||||||
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Q17 | あなたは,日本の現状では,もつと個人の自由や権利を尊重するようにしなければならないと思いますか,それとも,もつと公共の福止を重んずるようにしなければならないと思いますか。 | ||||||||||||
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Q18 | あなたは,今の日本では,個人の自由や権利が公共の福祉と対立するようなことが多いと思いますか,そういうことは少ないと思いますか。 | ||||||||||||
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Q19 | 今の憲法では言論出版の自由が保障されているのですが,あなたは映画や出版物などは青少年の教育上悪い影響を与えるような場合には,制限を加えるべきだと思いますか。それとも,そのような場合でも,言論出版の自由を守るために,制限を加えるべきではないと思いますか。 | |||||||||
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Q20 | また,憲法では集会,結社その他一切の表現の自由が保障されているのですが,あなたはデモ等の集団行動は,社会の秩序を乱すような場合には,制限すべきだと思いますか,それとも,そのような場合でも,集会表現の自由を守るために,制限すべきではないと思いますか。 | ||||
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