世論調査報告書
内閣府政府広報室
調査の概要
・調査目的 | |||||||||
保安処分とくに精神異常の犯罪者およびアルコール・麻薬中毒による犯罪者に対する保安処分に関して,一般国民の意見を調査し,刑法改正作業の参考資料とする。 | |||||||||
・調査項目 | |||||||||
(1) 精神異常犯罪者に対する保安処分に関する意見 | |||||||||
(2) アルコールおよび麻薬中毒による犯罪者に対する保安処分に関する意見 | |||||||||
(3) 凶悪犯罪者および労働嫌忌的常習犯罪者に対する保安処分についての賛否 | |||||||||
(4) 保安処分に対する基本的な態度 | |||||||||
(5) 保安処分制度採用の緊急性についての意見 | |||||||||
・調査対象 | |||||||||
(1) 母集団 | 全国の20才以上の日本人 | ||||||||
(2) 標本数 | 3000 | ||||||||
(3) 抽出方法 | 層化多段無作為抽出法 | ||||||||
・調査時期 | |||||||||
昭和36年6月17日〜昭和36年6月22日 | |||||||||
・調査方法 | |||||||||
調査員による訪問面接聴取 | |||||||||
・調査機関 | |||||||||
社団法人 中央調査社 | |||||||||
・回収結果 | |||||||||
(1) 有効回収数(率) | 2522人(84.1%) | ||||||||
(2) 調査不能数(率) | 478人(15.9%) | ||||||||
−欠票内訳− |
転居 | 129 | 長期不在 | 81 | 一時不在 | 145 | ||||
住所不明 | 52 | 拒否 | 33 | 死亡 | 9 | ||||
病気 | 20 | 精神欠陥 | 6 | 抽出不備 | 1 | ||||
その他 | 2 | ||||||||
計478 |
調査票
注 以下は「暴力犯罪の防止に関する世論調査」の調査票の問18以降により作成した。III〔保安処分〕
Q18 | 1度犯罪をおかした人の中には,その後も犯罪をくり返す人が多いと思いますか,何度も犯罪をくりかえす人は,わりに少ないと思いますか。 |
(66) | くりかえす人が多い | ||
(8) | くりかえす人は少ない | ||
(26) | 一概にいえない わからない |
Q19 | 今までに犯罪をおかしたことのある人の中で,今後もまた犯罪をくり返すおそれがある人と,そういうおそれのない人とを見分けることは,ある程度できると思いますか,できないと思いますか,一概にはいえないと思いますか。 |
(23) | できる | ||
(30) | できない 難しいと思う | ||
(29) | 一概にいえない | ||
(18) | わからない |
Q20 | 犯罪をおかして刑務所に入れられた者のうちで,社会に出てまた犯罪をおかすおそれがある者は,刑期が終わっても刑務所から出さないようにしたらよいと思いますか,それとも,裁判できめられた刑期がすぎたら,再犯のおそれがあっても,刑務所から出すべきだと思いますか。 |
(39) | 出さないようにしたらよい(出さないようにしてほしい) | →Q21へ | ||
(30) | 出すべきだ | →SQへ | ||
(19) | 一概にいえない | →Q21へ | ||
(12) | わからない | →Q21へ |
SQ | 刑務所は別の施設を作って,社会にかえしても犯罪をおかすおそれがなくなるまで,そこに入れておくことが出来るような制度を作ることは賛成ですか,反対ですか。 |
(20) | 賛成 | ||
(3) | 反対 | ||
(6) | 一概にいえない | ||
(1) | わからない |
Q21 | 犯罪をくりかえすおそれがあるからということで,いつまでも刑務所やその他の施設に入れておくのは,人権じゅうりんだと思いますか,そんなことはないと思いますか。 |
(26) | 人権じゅうりんだと思う | →SQへ | ||
(36) | 人権じゅうりんだと思わない(人権じゅうりんでも仕方がない) | →Q22へ | ||
(20) | 一概にいえない | →Q22へ | ||
(18) | わからない | →Q22へ |
SQ | 3年とか5年とか適当な期間をきめておくとしても,よくないと思いますか。 |
(11) | それならよい | ||
(9) | それでもよくない | ||
(6) | わからない |
Q22 | 犯罪をくりかえすおそれがあるということで施設に収容できることにすると,政治的に悪用されるおそれがあると思いますか,そういうことは,心配しなくてよいと思いますか。 |
(21) | 悪用されるおそれがある | ||
(27) | 心配しなくてよい(おそれはない) | ||
(52) | わからない |
Q23 | 次に,1つ1つの場合についてうかがいます。 まず殺人,放火,強盗などの凶悪な犯罪をおかし,一応刑期はおえたけれども,刑務所を出てからまたこのような凶悪犯罪をするおそれがあるという場合に,刑務所とは別の施設に収容して,そのようなおそれがなくなるまで社会に帰さない,という制度を新たに作ることに賛成ですか,反対ですか。 |
(81) | 賛成 | →Q24へ | ||
(4) | 反対 | →SQへ | ||
(5) | 条件付賛成( ) | →SQへ | ||
(10) | わからない | →Q24へ |
SQ | なぜでしょうか。(O.A.) |
Q24 | まじめに働く気持がないために,何回つかまっても,刑務所を出るとまた犯罪をくり返すような人は,刑務所とは別の施設に強制的に収容して,職業訓練をほどこし,働く習慣が身につくまでそこで仕事をさせる,という制度をつくることに賛成ですか,反対ですか。 |
(88) | 賛成 | →Q25へ | ||
(2) | 反対 | →SQへ | ||
(3) | 条件付賛成( ) | →SQへ | ||
(7) | わからない | →Q25へ |
SQ | なぜでしょうか。(O.A.) |
Q25 | 次に,アルコール中毒や麻薬中毒が原因で犯罪をおかした人のうち,その中毒がなおらないかぎり,また犯罪をくり返すおそれがあるという場合には,国が適当な施設に強制的に収容して,なおるまで,そこで治療する,という制度をつくることに賛成ですか,反対ですか。 |
(90) | 賛成 | →Q26へ | ||
(1) | 反対 | →SQへ | ||
(2) | 条件付賛成( ) | →SQへ | ||
(7) | わからない | →Q26へ |
SQ | なぜでしょうか。(O.A.) |
Q26 | きちがいで物事の見分けがつかないために犯罪をおかし,その精神病がなおらない限り,また犯罪をくり返すおそれがあるという場合には,国が適当な施設に収容して,なおるまでそこで治療する,という制度を作ることに賛成ですか,反対ですか。 |
(90) | 賛成 | →Q27へ | ||
(1) | 反対 | →SQへ | ||
(2) | 条件付賛成( ) | →SQへ | ||
(7) | わからない | →Q27へ |
SQ | なぜでしょうか。(O.A.) |
Q27 | 犯罪をくり返すおそれのある精神異常者(きちがい)は,なるべく全部,そのような施設に収容するのがよいと思いますか,特に悪質な犯罪をする者だけ,収容すればよいと思いますか。 |
(55) | なるべく全部 | ||
(36) | 悪質(凶悪)なものだけ | ||
(9) | わからない |
Q28 | なおる見込みのない精神異常者(きちがい)は,そのような施設に収容しても仕方がないと思いますか,なおる見込みがなくても,犯罪をおかすおそれのある場合には,施設に収容した方がよいと思いますか。 |
(14) | 収容しても仕方がない | ||
(75) | 収容した方がよい | ||
(11) | わからない |
Q29 | 犯罪をまたおかすかもしれないからという理由で,アルコールや麻薬中毒の犯罪者を強制的に治療するのは,人権じゅうりんだという意見もありますが,あなたはどう思いますか。 |
(8) | 人権じゅうりん | ||
(40) | 人権じゅうりんとは思わない | ||
(23) | 人権じゅうりんでも仕方がない | ||
(29) | 一概にいえない わからない |
Q30 | ところで,精神異常者(きちがい)や,アルコール中毒者,麻薬中毒者などには,犯罪をおかす人がかなりいると思いますか,犯罪をおかすような人は,ほとんどいないと思いますか。 |
(63) | かなりいる | ||
(7) | ほとんどいない | ||
(30) | よくわからない |
Q31 | 犯罪をおかしそうな精神異常者(きちがい)や,アルコール中毒者,麻薬中毒者などは,たいてい病院とか施設に入れられていると思いますか,入れられてはいないと思いますか。 |
(15) | たいてい入れられている | ||
(46) | 入れられていない | ||
(12) | 一概にえない | ||
(27) | よくわからない |
Q32 | ものごとの見分けが全然つかない精神異常者(きちがい)は,どんな犯罪をおかしても処罰されないことになっていますが,ご存じですか。 |
(60) | 知っている | ||
(40) | よく知らない |
Q33 | 〔回答票F〕ところで,今までにおうかがいした4つ〔回答票F〕のうち,あなたが,ここ1.2年のうちにぜひ作ってほしいと思うのは,どれとどれでしょうか。(M.A.) |
(57) | 凶悪犯罪をまたおかすおそれのある者を施設にいれる制度 | ||
(36) | 働くのがきらいな常習犯罪者を施設にいれる制度 | ||
(32) | 犯罪をくりかえすおそれのあるアルコール中毒者や麻薬中毒者を施設にいれる制度 | ||
(35) | 犯罪をくりかえすおそれのある精神異常者(きちがい)を施設にいれる制度 | ||
(12) | なし,わからない |
(M.T.=172)
<フェース・シート>
F1(1) | 〔性,年令〕 あなたのお年は満でいくつですか。 (1)男 |
(10) | 20代 | ||
(10) | 30代 | ||
(9) | 40代 | ||
(9) | 50代 | ||
(7) | 60才以上 |
F1(2) | (2)女 |
(12) | 20代 | ||
(16) | 30代 | ||
(13) | 40代 | ||
(8) | 50代 | ||
(6) | 60才以上 |
F2 | あなたが最後に卒業された学校はどちらですか。(中退は卒業とみなす) |
(20) | 小卒 | ||
(48) | 高小・新中卒 | ||
(26) | 旧中・新高卒 | ||
(6) | 旧高専大・新大卒 |
F3 | あなたの職業はなんですか。 |
(17) | 自営者 農林漁業 | ||
(10) | 自営者 商工鉱,サービス業 | ||
(1) | 自営者 その他 | ||
(1) | 被傭者 管理職 | ||
(12) | 被傭者 専門技術職,事務職 | ||
(10) | 被傭者 労務職 | ||
(11) | 家族従業 農林漁業 | ||
(2) | 家族従業 商工鉱・サービス業・その他 | ||
(1) | 無職 学生 | ||
(27) | 無職 主婦 | ||
(8) | 無職 その他無職 |
F4 | お宅の生計を主として支えている方(実質上の世帯主)の職業はなんですか。 |
(36) | 自営者 農林漁業 | ||
(19) | 自営者 商工鉱,サービス業 | ||
(2) | 自営者 その他( ) | ||
(3) | 被傭者 管理職 | ||
(19) | 被傭者 専門技術職,事務職 | ||
(18) | 被傭者 労務職 | ||
(3) | 無職 |
F5 | 〔生活程度〕(調査員判断) |
(3) | 上 | ||
(17) | 中上 | ||
(56) | 中 | ||
(20) | 中下 | ||
(4) | 下 |
F6 | 〔居住地域〕 |
(9) | 東京都区部 | ||
(8) | 5大市(大阪,京都,名古屋,横浜,神戸) | ||
(46) | その他の市 | ||
(37) | 郡部 |