3ページ目-外交に関する世論調査（平成22年10月調査）

　先進国は開発途上国に対して資金協力や技術協力などの経済協力を行っているが，いろいろな面から考えて，日本のこれからの経済協力についてどのように考えているか聞いたところ，「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合が31.5％，「現在程度でよい」と答えた者の割合が43.1％，「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合が19.2％，「やめるべきだ」と答えた者の割合が2.0％となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「積極的に進めるべきだ」（26.8％→31.5％）と答えた者の割合が上昇し，「現在程度でよい」（48.2％→43.1％）と答えた者の割合が低下している。
　都市規模別に見ると，「現在程度でよい」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
　性別に見ると，「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
　年齢別に見ると，「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は40歳代で，「現在程度でよい」と答えた者の割合は20歳代で，「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合は60歳代で，それぞれ高くなっている。（図23，図24，表15−１，表15−２）

　経済協力について，「積極的に進めるべきだ」と答えた者（616人）に，そのように考える理由を聞いたところ，「経済協力は日本の外交政策を進める上での重要な手段だから」を挙げた者の割合が55.5％と最も高く，以下，「開発途上国の政治的安定と経済的発展なしに日本の経済的発展はないから」（46.9％），「開発途上国の環境問題などの解決のため，日本の技術と経験を生かすべきだから」（46.6％），「開発途上国の安定に貢献し，世界の平和に役立つから」（46.1％），「開発途上国に対する経済援助はエネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」（45.3％），「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務だから」（45.1％），「日本企業の海外進出を含め，日本経済の成長に資するから」（39.8％）などの順となっている。（複数回答，上位７項目）
　前回の調査結果と比較して見ると，「開発途上国に対する経済援助はエネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」（37.2％→45.3％）を挙げた者の割合が上昇している。
　性別に見ると，「開発途上国に対する経済援助はエネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。（図25，表16，参考）

　経済協力について，「なるべく少なくすべきだ」，「やめるべきだ」と答えた者（413人）に，そのように考える理由を聞いたところ，「日本国内の経済状態がよくないから」を挙げた者の割合が75.1％と最も高く，以下，「我が国の財政状況がよくないから」（52.1％），「日本の経済協力が開発途上国から評価されていることが感じられないから」（37.8％），「現在の経済協力には，現地の状況やニーズへの配慮不足などにより，必ずしも十分な成果をあげていないところが多いから」（31.2％），「具体的にどのような経済協力が行われているかよく知らないから」（30.8％），「経済協力が我が国の外交政策を進める上での手段として十分に活用されていないから」（29.3％）などの順となっている。（複数回答，上位６項目）
　前回の調査結果と比較して見ると，「日本の経済協力が開発途上国から評価されていることが感じられないから」（29.8％→37.8％），「経済協力が我が国の外交政策を進める上での手段として十分に活用されていないから」（17.4％→29.3％）を挙げた者の割合が上昇している。
　性別に見ると，「日本国内の経済状態がよくないから」を挙げた者の割合は女性で，「現在の経済協力には，現地の状況やニーズへの配慮不足などにより，必ずしも十分な成果をあげていないところが多いから」を挙げた者の割合は男性で，それぞれ高くなっている。（図26，表17，参考）