2 調査結果の概要
2.科学技術の発展に対するイメージ
(1) 科学技術の発展により向上したもの
科学技術の発展により1,2のものは向上したと思うか聞いた結果は次の通りである。
1. 物の豊かさ
科学技術の発展により物の豊かさが向上したと思うか聞いたところ,「向上した」とする者の割合が82.5%(「向上した」57.3%+「どちらかというと向上した」25.1%),「向上していない」とする者の割合が10.8%(「あまり向上していない」7.3%+「向上していない」3.5%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「向上した」(78.9%→82.5%)とする者の割合が上昇している。
年齢別に見ると,「向上した」とする者の割合は50歳代で高くなっている。(図8,表8−1,表8−2,参考1,参考2)
前回の調査結果と比較して見ると,「向上した」(78.9%→82.5%)とする者の割合が上昇している。
年齢別に見ると,「向上した」とする者の割合は50歳代で高くなっている。(図8,表8−1,表8−2,参考1,参考2)
2. 社会や生活の安全性
科学技術の発展により社会や生活の安全性が向上したと思うか聞いたところ,「向上した」とする者の割合が54.0%(「向上した」18.9%+「どちらかというと向上した」35.2%),「向上していない」とする者の割合が35.8%(「あまり向上していない」23.2%+「向上していない」12.6%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「向上した」(45.9%→54.0%)とする者の割合が上昇している。
年齢別に見ると,「向上した」とする者の割合は20歳代で,「向上していない」とする者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図9,表9−1,表9−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「向上した」(45.9%→54.0%)とする者の割合が上昇している。
年齢別に見ると,「向上した」とする者の割合は20歳代で,「向上していない」とする者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図9,表9−1,表9−2)
(2) 科学技術の発展に伴う不安
科学技術の発展に伴う1,2の不安について,どう思うか聞いた結果は次の通りである。
1. 悪用されたり,あやまって使われたりする危険性が増える
「科学技術が悪用されたり,あやまって使われたりする危険性が増える」という意見について,「そう思う」とする者の割合が77.1%(「そう思う」48.5%+「どちらかというとそう思う」28.6%),「そう思わない」とする者の割合が15.1%(「あまりそう思わない」11.0%+「そう思わない」4.1%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(83.6%→77.1%)とする者の割合が低下し,「そう思わない」(8.2%→15.1%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は女性で,「そう思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。(図10,表10,参考1,参考2,参考3)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(83.6%→77.1%)とする者の割合が低下し,「そう思わない」(8.2%→15.1%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は女性で,「そう思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。(図10,表10,参考1,参考2,参考3)
2. 進歩が速すぎるため,ついていけなくなる
「科学技術の進歩が速すぎるため,自分がそれについていけなくなる」という意見について,「そう思う」とする者の割合が69.6%(「そう思う」43.0%+「どちらかというとそう思う」26.6%),「そう思わない」とする者の割合が25.2%(「あまりそう思わない」16.4%+「そう思わない」8.8%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(77.4%→69.6%)とする者の割合が低下し,「そう思わない」(14.5%→25.2%)とする者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「そう思う」とする者の割合は小都市で,「そう思わない」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は女性で,「そう思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は50歳代から70歳以上で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(図11,表11,参考1,参考2,参考3)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(77.4%→69.6%)とする者の割合が低下し,「そう思わない」(14.5%→25.2%)とする者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「そう思う」とする者の割合は小都市で,「そう思わない」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は女性で,「そう思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は50歳代から70歳以上で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(図11,表11,参考1,参考2,参考3)
(3) 科学技術の発展を不安に思う分野
科学技術の発展に伴い,どのようなことに不安を感じるか聞いたところ,「遺伝子組換え食品などの安全性」を挙げた者の割合が59.7%,「酸性雨,温暖化などの地球規模の環境問題」を挙げた者の割合が57.0%と高く,以下,「サイバーテロ,不正アクセスなどのIT犯罪」(51.7%),「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」(46.1%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「酸性雨,温暖化などの地球規模の環境問題」(48.7%→57.0%),「サイバーテロ,不正アクセスなどのIT犯罪」(47.1%→51.7%)を挙げた者の割合が上昇し,「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」(53.0%→46.1%)を挙げた者の割合が低下している。
性別に見ると,「遺伝子組換え食品などの安全性」,「酸性雨,温暖化などの地球規模の環境問題」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「遺伝子組換え食品などの安全性」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「サイバーテロ,不正アクセスなどのIT犯罪」,「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表12,参考)
前回の調査結果と比較して見ると,「酸性雨,温暖化などの地球規模の環境問題」(48.7%→57.0%),「サイバーテロ,不正アクセスなどのIT犯罪」(47.1%→51.7%)を挙げた者の割合が上昇し,「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」(53.0%→46.1%)を挙げた者の割合が低下している。
性別に見ると,「遺伝子組換え食品などの安全性」,「酸性雨,温暖化などの地球規模の環境問題」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「遺伝子組換え食品などの安全性」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「サイバーテロ,不正アクセスなどのIT犯罪」,「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表12,参考)
(4) 科学技術の発展のプラス面とマイナス面
科学技術の発展では,プラス面とマイナス面があると言われているが,全体的に見た場合,そのどちらが多いと思うか聞いたところ,「プラス面が多い」とする者の割合が60.5%(「プラス面が多い」20.7%+「どちらかというとプラス面が多い」39.8%),「マイナス面が多い」とする者の割合が11.2%(「どちらかというとマイナス面が多い」7.3%+「マイナス面が多い」3.9%),「両方同じくらいである」と答えた者の割合が24.9%となっている。
性別に見ると,「プラス面が多い」とする者の割合は男性で,「マイナス面が多い」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。(図13,表13−1,表13−2,参考1,参考2,参考3)
性別に見ると,「プラス面が多い」とする者の割合は男性で,「マイナス面が多い」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。(図13,表13−1,表13−2,参考1,参考2,参考3)
(5) 科学技術に関する意見
科学技術に関する1〜5の意見についてどう思うか聞いた結果は次の通りである。
1. 日本の科学技術は,諸外国に比べ進んでいる
「日本の科学技術は,諸外国に比べ進んでいる」という意見について,「そう思う」とする者の割合が72.3%(「そう思う」37.1%+「どちらかというとそう思う」35.2%),「そう思わない」とする者の割合が17.6%(「あまりそう思わない」12.2%+「そう思わない」5.3%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(63.2%→72.3%)とする者の割合が上昇し,「そう思わない」(21.8%→17.6%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で高くなっている。(図14,表14−1,表14−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(63.2%→72.3%)とする者の割合が上昇し,「そう思わない」(21.8%→17.6%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で高くなっている。(図14,表14−1,表14−2)
2. 国際的な競争力を高めるためには,科学技術を発展させる必要がある
「日本が国際的な競争力を高めるためには,科学技術を発展させる必要がある」という意見について,「そう思う」とする者の割合が78.3%(「そう思う」51.4%+「どちらかというとそう思う」26.9%),「そう思わない」とする者の割合が14.6%(「あまりそう思わない」11.3%+「そう思わない」3.3%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(70.6%→78.3%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で,「そう思わない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は50歳代で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図15,表15−1,表15−2,参考)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(70.6%→78.3%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で,「そう思わない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は50歳代で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図15,表15−1,表15−2,参考)
3. 学校での理科や数学の授業は,生徒の科学的センスを育てるのに役立っている
「日本の学校での理科や数学の授業は,生徒の科学的センスを育てるのに役立っている」という意見について,「そう思う」とする者の割合が34.9%(「そう思う」16.8%+「どちらかというとそう思う」18.1%),「そう思わない」とする者の割合が49.6%(「あまりそう思わない」32.1%+「そう思わない」17.5%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思わない」(43.0%→49.6%)とする者の割合が上昇している。(図16,表16−1,表16−2,参考1,参考2,参考3)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思わない」(43.0%→49.6%)とする者の割合が上昇している。(図16,表16−1,表16−2,参考1,参考2,参考3)
4. 物質的な豊かさだけでなく,心の豊かさも実現するものであるべきである
「今後の科学技術の発展は,物質の豊かさだけでなく,心の豊かさも実現するものであるべきである」という意見について,「そう思う」とする者の割合が87.6%(「そう思う」68.3%+「どちらかというとそう思う」19.4%),「そう思わない」とする者の割合が6.5%(「あまりそう思わない」4.0%+「そう思わない」2.5%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(80.5%→87.6%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は40歳代から60歳代で高くなっている。(図17,表17−1,表17−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(80.5%→87.6%)とする者の割合が上昇している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は40歳代から60歳代で高くなっている。(図17,表17−1,表17−2)
5. 社会の新たな問題は科学技術によって解決される
「資源・エネルギー問題,環境問題,水,食料問題,感染症問題などの社会の新たな問題は,さらなる科学技術の発展によって解決される」という意見について,「そう思う」とする者の割合が62.1%(「そう思う」28.6%+「どちらかというとそう思う」33.5%),「そう思わない」とする者の割合が25.6%(「あまりそう思わない」17.3%+「そう思わない」8.3%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(34.9%→62.1%)とする者の割合が上昇し,「そう思わない」(46.0%→25.6%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で,「そう思わない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は40歳代,50歳代で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代で,それぞれ高くなっている。(図18,表18,参考)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(34.9%→62.1%)とする者の割合が上昇し,「そう思わない」(46.0%→25.6%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると,「そう思う」とする者の割合は男性で,「そう思わない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「そう思う」とする者の割合は40歳代,50歳代で,「そう思わない」とする者の割合は20歳代で,それぞれ高くなっている。(図18,表18,参考)
(6) 自然エネルギーや革新的エネルギーが普及した社会の実現性
地球温暖化問題に関して,わが国は世界に向けて,「世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減する」ことを提案しており,そして,この達成に向け,太陽光や風力などの自然エネルギーや水素を使った燃料電池などの革新的なエネルギーが普及した社会をつくることが考えられるが,このような社会の実現性について,どう思うか聞いたところ,「比較的早く実現できる」と答えた者の割合が6.6%,「時間はかかるがいずれ実現できる」と答えた者の割合が56.9%,「実現できない」と答えた者の割合が18.3%,「どちらともいえない」と答えた者の割合が14.8%となっている。
性別に見ると,「実現できない」と答えた者の割合は男性で,「どちらともいえない」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。 (図19,表19)
性別に見ると,「実現できない」と答えた者の割合は男性で,「どちらともいえない」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。 (図19,表19)
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