2 調査結果の概要
1.少年非行に関する意識聴
(1) 少年非行は増加しているか
最近,少年非行が問題となっているが,実感として,こうした少年による重大な事件が以前に比べて増えていると思うか,減っていると思うか聞いたところ,「増えている」とする者の割合が93.1%(「かなり増えている」66.1%+「ある程度増えている」27.0%),「ほとんど(全く)増えていない」と答えた者の割合が4.3%,「減っている」と答えた者の割合が0.2%となっている。
性別に見ると,「増えている」とする者の割合は女性で高くなっている。(図1,表1)
性別に見ると,「増えている」とする者の割合は女性で高くなっている。(図1,表1)
(2) 増加している少年非行
以前に比べて,少年非行はどのようなものが増えていると思うか聞いたところ,「低年齢層によるもの」を挙げた者の割合が64.6%,「凶悪・粗暴化したもの」を挙げた者の割合が60.1%と高く,以下,「突然キレて行うもの」(52.5%),「集団によるもの」(36.5%),「明確な動機がないもの」(35.2%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)
前回の調査結果(平成13年11月調査結果をいう,以下同じ)と比較して見ると,「低年齢層によるもの」(58.7%→64.6%),「凶悪・粗暴化したもの」(53.2%→60.1%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると, 「凶悪・粗暴化したもの」を挙げた者の割合は小都市で,「突然キレて行うもの」,「集団によるもの」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「低年齢層によるもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「低年齢層によるもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「集団によるもの」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「明確な動機がないもの」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「低年齢層によるもの」,「凶悪・粗暴化したもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「集団によるもの」を挙げた者の割合は就職している(働いている)子どもがいる者で,「明確な動機がないもの」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,それぞれ高くなっている。(図2,表2)
前回の調査結果(平成13年11月調査結果をいう,以下同じ)と比較して見ると,「低年齢層によるもの」(58.7%→64.6%),「凶悪・粗暴化したもの」(53.2%→60.1%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると, 「凶悪・粗暴化したもの」を挙げた者の割合は小都市で,「突然キレて行うもの」,「集団によるもの」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「低年齢層によるもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「低年齢層によるもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「集団によるもの」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「明確な動機がないもの」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「低年齢層によるもの」,「凶悪・粗暴化したもの」,「突然キレて行うもの」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「集団によるもの」を挙げた者の割合は就職している(働いている)子どもがいる者で,「明確な動機がないもの」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,それぞれ高くなっている。(図2,表2)
(3) 重大事件を起こす少年の経緯
最近の少年による重大な事件は,どのような経緯を持っている少年が起こしていると思うか聞いたところ,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合が59.9%と最も高く,以下,「何ら問題がないと思われている少年」(38.9%),「保護者などから虐待を受けたことがある少年」(32.7%),「友人関係に問題のある少年」(31.4%),「学校生活になじめない少年」(30.5%),「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」(30.4%)などの順となっている。(複数回答,上位6項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「何ら問題がないと思われている少年」(35.2%→38.9%)を挙げた者の割合が上昇し,「学校生活になじめない少年」(35.1%→30.5%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「何ら問題がないと思われている少年」,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は女性で,「友人関係に問題のある少年」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は50歳代で,「何ら問題がないと思われている少年」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「友人関係に問題のある少年」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は30歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は就職している(働いている)子どもがいる者で,「何ら問題がないと思われている少年」,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,それぞれ高くなっている。(図3,表3)
前回の調査結果と比較して見ると,「何ら問題がないと思われている少年」(35.2%→38.9%)を挙げた者の割合が上昇し,「学校生活になじめない少年」(35.1%→30.5%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「何ら問題がないと思われている少年」,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は女性で,「友人関係に問題のある少年」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は50歳代で,「何ら問題がないと思われている少年」を挙げた者の割合は20歳代,30歳代で,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「友人関係に問題のある少年」を挙げた者の割合は50歳代,60歳代で,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は30歳代,50歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「保護者が教育やしつけに無関心な家庭の少年」を挙げた者の割合は就職している(働いている)子どもがいる者で,「何ら問題がないと思われている少年」,「保護者などから虐待を受けたことがある少年」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,「保護者が教育やしつけに厳しすぎる家庭の少年」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,それぞれ高くなっている。(図3,表3)
(4) 周囲で起こり問題となっている少年非行
実際に周囲で起こり問題となっている少年非行を聞いたところ,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」を挙げた者の割合が21.9%,「バイクや自転車などの乗り物盗」を挙げた者の割合が20.5%,「万引き」を挙げた者の割合が18.8%,「バイクや自転車などを利用したひったくり」を挙げた者の割合が16.9%,「いじめ」を挙げた者の割合が16.8%,「不登校」を挙げた者の割合が16.7%などの順となっている。なお,「特にない」と答えた者の割合が34.9%となっている。(複数回答,上位6項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「いじめ」(19.5%→16.8%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「バイクや自転車などを利用したひったくり」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「いじめ」,「不登校」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「万引き」を挙げた者の割合は20歳代,40歳代で,「バイクや自転車などの乗り物盗」,「不登校」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「いじめ」を挙げた者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「バイクや自転車などの乗り物盗」,「万引き」,「不登校」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「いじめ」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,それぞれ高くなっている。(図4,表4)
前回の調査結果と比較して見ると,「いじめ」(19.5%→16.8%)を挙げた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「バイクや自転車などを利用したひったくり」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「いじめ」,「不登校」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「万引き」を挙げた者の割合は20歳代,40歳代で,「バイクや自転車などの乗り物盗」,「不登校」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「いじめ」を挙げた者の割合は40歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「喫煙や飲酒,深夜はいかいなどの不良行為」,「バイクや自転車などの乗り物盗」,「万引き」,「不登校」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「いじめ」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,それぞれ高くなっている。(図4,表4)
(5) 社会的にみて問題だと思う少年非行
広く社会的にみて問題だと思う少年非行を聞いたところ,「刃物などを使った殺傷事件」を挙げた者の割合が56.0%と最も高く,以下,「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」(46.1%),「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」(43.7%),「覚せい剤や合成麻薬,シンナーなどの薬物の乱用」(39.0%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)
前回の調査結果と比較して見ると,「刃物などを使った殺傷事件」(48.4%→56.0%),「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」(35.2%→46.1%),「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」(33.0%→43.7%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「覚せい剤や合成麻薬,シンナーなどの薬物の乱用」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「刃物などを使った殺傷事件」を挙げた者の割合は20歳代で,「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「覚せい剤や合成麻薬,シンナーなどの薬物の乱用」を挙げた者の割合は20歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「刃物などを使った殺傷事件」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,それぞれ高くなっている。(図5,表5)
前回の調査結果と比較して見ると,「刃物などを使った殺傷事件」(48.4%→56.0%),「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」(35.2%→46.1%),「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」(33.0%→43.7%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「覚せい剤や合成麻薬,シンナーなどの薬物の乱用」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「刃物などを使った殺傷事件」を挙げた者の割合は20歳代で,「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「覚せい剤や合成麻薬,シンナーなどの薬物の乱用」を挙げた者の割合は20歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。
子どもの有無別に見ると,「刃物などを使った殺傷事件」を挙げた者の割合は学生がいる者で,「ささいなことに腹を立てて暴力を振るう」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者で,「出会い系サイトやテレホンクラブなどを使った援助交際などの性的な非行」を挙げた者の割合は乳幼児がいる者,学生がいる者で,それぞれ高くなっている。(図5,表5)
目次 | 戻る | 次へ