2 調査結果の概要
2.死刑制度の存廃
(1) 死刑制度の存廃
死刑制度に関して,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」,「場合によっては死刑もやむを得ない」という意見があるが,どちらの意見に賛成か聞いたところ,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が6.0%,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が81.4%となっている。なお,「わからない・一概に言えない」と答えた者の割合が12.5%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」(8.8%→6.0%)と答えた者の割合が低下している。
性別に見ると,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合は20歳代,40歳代で高くなっている。(図2,表2,参考表)
前回の調査結果と比較して見ると,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」(8.8%→6.0%)と答えた者の割合が低下している。
性別に見ると,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合は20歳代,40歳代で高くなっている。(図2,表2,参考表)
ア 死刑制度を廃止する理由
「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者(123人)に,その理由を聞いたところ,「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」を挙げた者の割合が50.4%,「裁判に誤りがあったとき,死刑にしてしまうと取り返しがつかない」を挙げた者の割合が39.0%,「国家であっても人を殺すことは許されない」を挙げた者の割合が35.0%,「死刑を廃止しても,そのために凶悪な犯罪が増加するとは思わない」を挙げた者の割合が31.7%,「人を殺すことは刑罰であっても人道に反し,野蛮である」を挙げた者の割合が28.5%,「凶悪な犯罪を犯した者でも,更生の可能性がある」を挙げた者の割合が25.2%となっている。(複数回答)
前回の調査結果と比較して見ると,「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」(38.9%→50.4%)を挙げた者の割合が上昇している。(図3,表3)
前回の調査結果と比較して見ると,「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」(38.9%→50.4%)を挙げた者の割合が上昇している。(図3,表3)
イ 即時死刑廃止か,いずれ死刑廃止か
「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者(123人)に,死刑を廃止する場合には,すぐに全面的に廃止するのがよいと思うか,それともだんだんに死刑を減らしていって,いずれ廃止する方がよいと思うか聞いたところ,「すぐに,全面的に廃止する」と答えた者の割合が39.8%,「だんだん死刑を減らしていき,いずれ廃止する」と答えた者の割合が53.7%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,大きな変化は見られない。(図4,表4,参考表)
前回の調査結果と比較して見ると,大きな変化は見られない。(図4,表4,参考表)
ウ 死刑制度を存置する理由
「場合によっては死刑もやむを得ない」とする者(1,668人)に,その理由を聞いたところ,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合が54.7%,「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」を挙げた者の割合が53.3%,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合が50.7%と高く,以下「凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと,また同じような犯罪を犯す危険がある」(45.0%)の順となっている。(複数回答)
前回の調査結果と比較して見ると,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」(49.3%→54.7%),「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」(48.2%→53.3%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと,また同じような犯罪を犯す危険がある」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」を挙げた者の割合は70歳以上で,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図5,表5)
前回の調査結果と比較して見ると,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」(49.3%→54.7%),「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」(48.2%→53.3%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと,また同じような犯罪を犯す危険がある」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」を挙げた者の割合は70歳以上で,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図5,表5)
エ 将来も死刑存置か
「場合によっては死刑もやむを得ない」とする者(1,668人)に,将来も死刑を廃止しない方がよいと思うか,それとも,状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよいと思うか聞いたところ,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合が61.7%,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合が31.8%となっている。
前回の調査と比較して見ると,「将来も死刑を廃止しない」(56.5%→61.7%)と答えた者の割合が上昇し,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」(37.8%→31.8%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。
性別に見ると,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合は男性で,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合は70歳以上で,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は20歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。(図6,表6,参考表)
前回の調査と比較して見ると,「将来も死刑を廃止しない」(56.5%→61.7%)と答えた者の割合が上昇し,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」(37.8%→31.8%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。
性別に見ると,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合は男性で,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合は70歳以上で,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は20歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。(図6,表6,参考表)
(2) 死刑の犯罪抑止力
死刑がなくなった場合,凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見があるが,どのように考えるか聞いたところ,「増える」と答えた者の割合が60.3%,「増えない」と答えた者の割合が6.0%,「一概には言えない」と答えた者の割合が29.0%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「増える」(54.4%→60.3%)と答えた者の割合が上昇し,「増えない」(8.4%→6.0%),「一概には言えない」(32.4%→29.0%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「増えない」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「増える」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「増える」と答えた者の割合は70歳以上で,「一概には言えない」と答えた者の割合は30歳代で,それぞれ高くなっている。(図7,表7,参考表)
前回の調査結果と比較して見ると,「増える」(54.4%→60.3%)と答えた者の割合が上昇し,「増えない」(8.4%→6.0%),「一概には言えない」(32.4%→29.0%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「増えない」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「増える」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「増える」と答えた者の割合は70歳以上で,「一概には言えない」と答えた者の割合は30歳代で,それぞれ高くなっている。(図7,表7,参考表)
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