2 調査結果の概要
2 国に対する意識
(1) 国の政策への民意の反映程度
全般的にみて,国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されていると思うか聞いたところ,「反映されている」とする者の割合が20.9%(「かなり反映されている」1.7%+「ある程度反映されている」19.3%),「反映されていない」とする者の割合が73.4%(「あまり反映されていない」52.5%+「ほとんど反映されていない」20.8%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「反映されている」(17.5%→20.9%)とする者の割合が上昇し,「反映されていない」(77.4%→73.4%)とする者の割合が低下している。(図10)
性別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性で,「反映されていない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「反映されている」とする者の割合は,男女共に60歳代,70歳以上で,「反映されていない」とする者の割合は,男性の30歳代と女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(表9)
前回の調査結果と比較して見ると,「反映されている」(17.5%→20.9%)とする者の割合が上昇し,「反映されていない」(77.4%→73.4%)とする者の割合が低下している。(図10)
性別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性で,「反映されていない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「反映されている」とする者の割合は,男女共に60歳代,70歳以上で,「反映されていない」とする者の割合は,男性の30歳代と女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(表9)
ア 国の政策への民意の反映方法
国の政策に国民の考えや意見が「ある程度反映されている」,「あまり反映されていない」,「ほとんど反映されていない」と答えた者(6,378人)にどうすればよりよく反映されるようになると思うか聞いたところ,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合が26.3%と最も高く,以下,「国民が国の政策に関心を持つ」(21.0%),「国民が選挙のときに自覚して投票する」(17.2%),「国民が参加できる場をひろげる」(15.7%),「政府が世論をよく聞く」(12.0%),「マスコミが国民の意見をよく伝える」(4.2%)の順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「国民が選挙のときに自覚して投票する」(15.3%→17.2%)と答えた者の割合が上昇し,「国民が参加できる場をひろげる」(17.0%→15.7%)と答えた者の割合が低下している。(図11)
性別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」,「国民が参加できる場をひろげる」,「政府が世論をよく聞く」を挙げた者の割合は女性で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳代,70歳以上で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は男性の60歳代で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の70歳代で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は男性の20歳代,40歳代と女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(表10)
前回の調査結果と比較して見ると,「国民が選挙のときに自覚して投票する」(15.3%→17.2%)と答えた者の割合が上昇し,「国民が参加できる場をひろげる」(17.0%→15.7%)と答えた者の割合が低下している。(図11)
性別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」,「国民が参加できる場をひろげる」,「政府が世論をよく聞く」を挙げた者の割合は女性で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳代,70歳以上で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は男性の60歳代で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の70歳代で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は男性の20歳代,40歳代と女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(表10)
(2) 日本の誇り
日本の国や国民について,誇りに思うことは何か聞いたところ,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合が39.7%,「美しい自然」を挙げた者の割合が38.5%と高く,以下,「すぐれた文化や芸術」(34.9%),「国民の勤勉さ,才能」(24.9%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「長い歴史と伝統」(36.1%→39.7%),「すぐれた文化や芸術」(32.6%→34.9%)を挙げた者の割合が上昇している。(図12)
都市規模別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は中都市で,「美しい自然」を挙げた者の割合は町村で,「すぐれた文化や芸術」,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は大都市と中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「美しい自然」,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は男性の60歳代,70歳以上と女性の70歳以上で,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性の50歳代,60歳代で,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性の40歳代,50歳代で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性の40歳代から60歳代で,それぞれ高くなっている。(表11,参考表)
前回の調査結果と比較して見ると,「長い歴史と伝統」(36.1%→39.7%),「すぐれた文化や芸術」(32.6%→34.9%)を挙げた者の割合が上昇している。(図12)
都市規模別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は中都市で,「美しい自然」を挙げた者の割合は町村で,「すぐれた文化や芸術」,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は大都市と中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「美しい自然」,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は男性の60歳代,70歳以上と女性の70歳以上で,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性の50歳代,60歳代で,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性の40歳代,50歳代で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性の40歳代から60歳代で,それぞれ高くなっている。(表11,参考表)
(3) 国を愛する気持ちの程度
他の人と比べて,「国を愛する」という気持ちは強い方だと思うか,それとも弱い方だと思うか聞いたところ,「強い」とする者の割合が50.1%(「非常に強い」14.4%+「どちらかと言えば強い」35.7%),「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合が38.7%,「弱い」とする者の割合が11.3%(「どちらかと言えば弱い」9.4%+「非常に弱い(全くない)」1.8%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「強い」(47.5%→50.1%)とする者の割合が上昇し,「弱い」(12.5%→11.3%)とする者の割合が低下している。(図13)
都市規模別に見ると,「強い」とする者の割合は小都市,町村で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は中都市で,「弱い」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「強い」とする者の割合は男性で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「強い」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の60歳代,70歳以上で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は男性の30歳代,40歳代と女性の20歳代から40歳代で,「弱い」とする者の割合は男女共に20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表12)
前回の調査結果と比較して見ると,「強い」(47.5%→50.1%)とする者の割合が上昇し,「弱い」(12.5%→11.3%)とする者の割合が低下している。(図13)
都市規模別に見ると,「強い」とする者の割合は小都市,町村で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は中都市で,「弱い」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「強い」とする者の割合は男性で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「強い」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の60歳代,70歳以上で,「どちらとも言えない(わからない)」と答えた者の割合は男性の30歳代,40歳代と女性の20歳代から40歳代で,「弱い」とする者の割合は男女共に20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表12)
(4) 国を愛する気持ちを育てる必要性
今後,国民の間に「国を愛する」という気持ちをもっと育てる必要があると思うか聞いたところ,「そう思う」と答えた者の割合が80.3%,「そうは思わない」と答えた者の割合が10.7%,「わからない」と答えた者の割合が9.0%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(75.5%→80.3%)と答えた者の割合が上昇し,「そうは思わない」(12.1%→10.7%)と答えた者の割合が低下している。(図14)
都市規模別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は町村で,「そうは思わない」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上と女性の50歳代から70歳以上で,「そうは思わない」と答えた者の割合は男女共に20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表13,参考図)
前回の調査結果と比較して見ると,「そう思う」(75.5%→80.3%)と答えた者の割合が上昇し,「そうは思わない」(12.1%→10.7%)と答えた者の割合が低下している。(図14)
都市規模別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は町村で,「そうは思わない」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上と女性の50歳代から70歳以上で,「そうは思わない」と答えた者の割合は男女共に20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。(表13,参考図)
(5) 良い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,良い方向に向かっていると思われるのは,どのような分野か聞いたところ,「医療・福祉」を挙げた者の割合が23.5%と最も高く,以下,「通信・運輸」(16.4%),「国際化」(15.1%),「科学技術」(14.8%)などの順となっている。なお,「ない,わからない」と答えた者の割合は31.8%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「科学技術」(18.2%→14.8%)を挙げた者の割合が低下している。(図15)
都市規模別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は町村で,「国際化」を挙げた者の割合は中都市で,「科学技術」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で,「通信・運輸」,「科学技術」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性の50歳代から70歳以上で,「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代と女性の20歳代,30歳代で,「国際化」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,50歳代と女性の20歳代から40歳代で,「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代で,それぞれ高くなっている。(表14)
前回の調査結果と比較して見ると,「科学技術」(18.2%→14.8%)を挙げた者の割合が低下している。(図15)
都市規模別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は町村で,「国際化」を挙げた者の割合は中都市で,「科学技術」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で,「通信・運輸」,「科学技術」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性の50歳代から70歳以上で,「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代と女性の20歳代,30歳代で,「国際化」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,50歳代と女性の20歳代から40歳代で,「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代で,それぞれ高くなっている。(表14)
(6) 悪い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,悪い方向に向かっていると思われるのは,どのような分野か聞いたところ,「景気」を挙げた者の割合が45.5%,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合が44.6%と高く,以下,「治安」(39.5%),「国の財政」(38.3%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「景気」(65.3%→45.5%),「雇用・労働条件」(51.6%→44.6%),「国の財政」(41.9%→38.3%)を挙げた者の割合が低下し,「治安」(30.7%→39.5%)を挙げた者の割合が上昇している。(図16)
都市規模別に見ると,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は小都市で,「治安」,「国の財政」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「景気」を挙げた者の割合は女性で,「治安」,「国の財政」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「景気」を挙げた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は男性の50歳代と女性の40歳代,50歳代で,「治安」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代と女性の30歳代で,「国の財政」を挙げた者の割合は男性の30歳代から60歳代で,それぞれ高くなっている。(表15)
前回の調査結果と比較して見ると,「景気」(65.3%→45.5%),「雇用・労働条件」(51.6%→44.6%),「国の財政」(41.9%→38.3%)を挙げた者の割合が低下し,「治安」(30.7%→39.5%)を挙げた者の割合が上昇している。(図16)
都市規模別に見ると,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は小都市で,「治安」,「国の財政」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「景気」を挙げた者の割合は女性で,「治安」,「国の財政」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「景気」を挙げた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は男性の50歳代と女性の40歳代,50歳代で,「治安」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代と女性の30歳代で,「国の財政」を挙げた者の割合は男性の30歳代から60歳代で,それぞれ高くなっている。(表15)
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