3ページ目-社会意識に関する世論調査（平成14年12月調査）

　全般的にみて，国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されていると思うか聞いたところ，「反映されている」とする者の割合が17.5％（「かなり反映されている」1.3％＋「ある程度反映されている」16.2％），「反映されていない」とする者の割合が77.4％（「あまり反映されていない」54.0％＋「ほとんど反映されていない」23.3％）となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「反映されている」（15.0％→17.5％）とする者の割合が上昇し，「反映されていない」（79.3％→77.4％）とする者の割合が低下している。（図10）
　都市規模別に見ると，「反映されている」とする者の割合は町村で，「反映されていない」とする者の割合は大都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「反映されている」とする者の割合は男性で高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「反映されている」とする者の割合は，男性の60歳代，70歳以上と女性の60歳代で，「反映されていない」とする者の割合は，男女共に20歳代から40歳代で，それぞれ高くなっている。（表９）

　国の政策に国民の考えや意見が「ある程度反映されている」，「あまり反映されていない」，「ほとんど反映されていない」と答えた者（6,362人）にどうすればよりよく反映されるようになると思うか聞いたところ，「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合が27.7％と最も高く，以下，「国民が国の政策に関心を持つ」（19.9％），「国民が参加できる場をひろげる」（17.0％），「国民が選挙のときに自覚して投票する」（15.3％），「政府が世論をよく聞く」（12.1％），「マスコミが国民の意見をよく伝える」4.8％の順となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「国民が国の政策に関心を持つ」（18.3％→19.9％）と答えた者の割合が上昇し，「国民が選挙のときに自覚して投票する」（18.1％→15.3％）と答えた者の割合が低下している。（図11）
　都市規模別に見ると，「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は小都市で高くなっている。
　性別に見ると，「政治家が国民の声をよく聞く」，「国民が参加できる場をひろげる」を挙げた者の割合は女性で，「国民が国の政策に関心を持つ」，「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は女性の60歳代，70歳以上で，「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は男性の20歳代，30歳代と女性の20歳代から40歳代で，「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性の50歳代から70歳代以上と女性の70歳代で，それぞれ高くなっている。（表10）

　日本の国や国民について，誇りに思うことは何か聞いたところ，「美しい自然」を挙げた者の割合が37.3％，「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合が36.1％と高く，以下，「すぐれた文化や芸術」（32.6％），「治安のよさ」（26.9％）などの順となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「治安のよさ」（30.0％→26.9％）を挙げた者の割合が低下している。（図12）
　都市規模別に見ると，「美しい自然」を挙げた者の割合は小都市で，「長い歴史と伝統」，「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は中都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「美しい自然」，「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「美しい自然」を挙げた者の割合は女性の50歳代から70歳以上で，「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は男性の70歳以上と女性の60歳代，70歳以上で，「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は女性の30歳代，40歳代で，「治安のよさ」を挙げた者の割合は男性の20歳代，30歳代，50歳代と女性の30歳代で，それぞれ高くなっている。（表11，参考表）

　他の人と比べて，「国を愛する」という気持ちは強い方だと思うか，それとも弱い方だと思うか聞いたところ，「強い」とする者の割合が47.5％（「非常に強い」12.4％＋「どちらかと言えば強い」35.2％），「どちらとも言えない（わからない）」と答えた者の割合が40.0％，「弱い」とする者の割合が12.5％（「どちらかと言えば弱い」10.7％＋「非常に弱い（全くない）」1.8％）となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「どちらとも言えない（わからない）」（42.3％→40.0％）と答えた者の割合が低下し，「弱い」（11.3％→12.5％）とする者の割合が上昇している。（図13）
　都市規模別に見ると，「強い」とする者の割合は小都市で，「弱い」とする者の割合は大都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「強い」とする者の割合は男性で，「どちらとも言えない（わからない）」と答えた者の割合は女性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「強い」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の60歳代，70歳以上で，「どちらとも言えない（わからない）」と答えた者の割合は男性の30歳代と女性の20歳代から50歳代で，「弱い」とする者の割合は男女共に20歳代，30歳代で，それぞれ高くなっている。（表12）

　今後，国民の間に「国を愛する」という気持ちをもっと育てる必要があると思うか聞いたところ，「そう思う」と答えた者の割合が75.5％，「そうは思わない」と答えた者の割合が12.1％，「わからない」と答えた者の割合が12.4％となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，大きな変化は見られない。（図14）
　都市規模別に見ると，「そう思う」と答えた者の割合は小都市で，「そうは思わない」，「わからない」と答えた者の割合は大都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「そう思う」と答えた者の割合は男性で，「わからない」と答えた者の割合は女性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「そう思う」と答えた者の割合は男性の50歳代から70歳以上と女性の60歳代，70歳以上で，「そう思わない」と答えた者の割合は男女共に20歳代，30歳代で，「わからない」と答えた者の割合は男性の20歳代と女性の20歳代，30歳代で，それぞれ高くなっている。（表13，参考図）

　現在の日本の状況について，良い方向に向かっていると思われるのは，どのような分野か聞いたところ，「医療・福祉」を挙げた者の割合が22.8％と最も高く，以下，「科学技術」（18.2％），「国際化」（16.0％），「通信・運輸」（15.8％）などの順となっている。なお，「ない，わからない」と答えた者の割合は31.8％となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「通信・運輸」（25.3％→15.8％）を挙げた者の割合が低下している。（図15）
　都市規模別に見ると，「医療・福祉」を挙げた者の割合は町村で，「科学技術」を挙げた者の割合は大都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で，「科学技術」，「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性の50歳代で，「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代，30歳代と女性の20歳代で，「国際化」を挙げた者の割合は男性の20歳代，30歳代と女性の20歳代から40歳代で，「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性の20歳代，30歳代と女性の20歳代で，それぞれ高くなっている。（表14）

　現在の日本の状況について，悪い方向に向かっていると思われるのは，どのような分野か聞いたところ，「景気」を挙げた者の割合が65.3％と最も高く，以下，「雇用・労働条件」（51.6％），「国の財政」（41.9％），「経済力」（34.4％）などの順となっている。
　前回の調査結果と比較して見ると，「景気」（46.9％→65.3％），「雇用・労働条件」（43.0％→51.6％），「国の財政」（36.1％→41.9％），「経済力」（23.8％→34.4％）を挙げた者の割合が上昇している。（図16）
　都市規模別に見ると，「景気」，「国の財政」，「経済力」を挙げた者の割合は大都市で，「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は小都市で，それぞれ高くなっている。
　性別に見ると，「雇用・労働条件」，「国の財政」，「経済力」を挙げた者の割合は男性で，それぞれ高くなっている。
　性・年齢別に見ると，「景気」を挙げた者の割合は男性の40歳代と女性の30歳代から50歳代で，「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は男性の40歳代，50歳代と女性の50歳代で，「国の財政」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代と女性の50歳代で，「経済力」を挙げた者の割合は男性の30歳代，40歳代で，それぞれ高くなっている。（表15）