2 調査結果の概要
- 失業問題
(1) 失業率が高いことの実感
沖縄は本土に比べ失業率(特に若年層)が高いといわれているが,この問題に関連して,経験していることや,感じていることがあるか聞いたところ,「親戚や親しい友人・知人の中に働き口がなくて困っているものがいる」と答えた者の割合は27.2%と最も高く,以下,「特に失業問題の影響を感じない」(18.9%),「家族(夫婦,親子,兄弟姉妹)の中に働き口がなくて困っているものがいる」(15.1%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「親戚や親しい友人・知人の中に働き口がなくて困っているものがいる」(23.2%→27.2%),「家族(夫婦,親子,兄弟姉妹)の中に働き口がなくて困っているものがいる」(11.1%→15.1%)と答えた者の割合が上昇し,「特に失業問題の影響を感じない」(30.1%→18.9%)と答えた者の割合が低下している。
年齢別に見ると,「親戚や親しい友人・知人の中に働き口がなくて困っているものがいる」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で,「特に失業問題の影響を感じない」と答えた者の割合は20歳代,70歳以上で,「家族(夫婦,親子,兄弟姉妹)の中に働き口がなくて困っているものがいる」と答えた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図14)
職業別に見ると,「親戚や親しい友人・知人の中に働き口がなくて困っているものがいる」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「特に失業問題の影響を感じない」と答えた者の割合は主婦で,それぞれ高くなっている。
居住地別に見ると,「特に失業問題の影響を感じない」と答えた者の割合は先島で高くなっている。(表14)
(2) 失業率が高い原因
沖縄で失業率(特に若年層)が高い主な原因は,どこにあると思うか聞いたところ,「県内に働き口が少ないから」と答えた者の割合が32.7%と最も高く,以下,「十分産業が発展しなかったから」(15.0%),「待遇や仕事の内容など,希望にあった働き口がみつからないから」(13.9%),「国や県の雇用対策が十分でないから」(12.4%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「県内に働き口が少ないから」(44.3%→32.7%)と答えた者の割合が低下し,「十分産業が発展しなかったから」(9.1%→15.0%)と答えた者の割合が上昇している。
性別に見ると,「県内に働き口が少ないから」,「待遇や仕事の内容など,希望にあった働き口がみつからないから」と答えた者の割合は女性で,「十分産業が発展しなかったから」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「県内に働き口が少ないから」と答えた者の割合は50歳代,70歳以上で,「十分産業が発展しなかったから」と答えた者の割合は50歳代で,「待遇や仕事の内容など,希望にあった働き口がみつからないから」と答えた者の割合は20歳代から40歳代で,「国や県の雇用対策が十分でないから」と答えた者の割合は60歳代で,それぞれ高くなっている。(図15)
職業別に見ると,「県内に働き口が少ないから」と答えた者の割合は主婦で,「十分産業が発展しなかったから」と答えた者の割合は自営業主で,「待遇や仕事の内容など,希望にあった働き口がみつからないから」,「国や県の雇用対策が十分でないから」と答えた者の割合は労務職で,それぞれ高くなっている。(表15)
(3) 失業問題の解決方法
沖縄の失業問題を解決するために,どのような面に重点をおくべきだと思うか聞いたところ,「県内の産業を振興し,雇用を促進する」と答えた者の割合が46.3%と最も高く,以下,「県外からの企業を誘致し,雇用を促進する」(25.1%),「教育に力を入れ,人材育成を推進する」(18.6%)などの順となっている。
性別に見ると,「県内の産業を振興し,雇用を促進する」と答えた者の割合は女性で,「県外からの企業を誘致し,雇用を促進する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「県内の産業を振興し,雇用を促進する」と答えた者の割合は40歳代で,「県外からの企業を誘致し,雇用を促進する」と答えた者の割合は50歳代で,それぞれ高くなっている。(図16)
居住地別に見ると,「教育に力を入れ,人材育成を推進する」と答えた者の割合は本島で高くなっている。(表16,参考表)
目次 | 戻る | 次へ