2 調査結果の概要
- 貿易問題について
(1) アジア太平洋地域との経済協力についての考え方
日本とアジア太平洋地域との経済面の協力についての考え方を聞いたところ,「日本はアジア太平洋地域に限らず,全世界的な視野をより重視して経済面の協力を進めていくべきだ」と答えた者の割合が28.3%,「日本はアジア太平洋の一員であるから,世界的な経済面の協力と同時に,アジア太平洋地域における経済面の協力も進めていくべきだ」と答えた者の割合が38.9%,「欧州統合等の地域統合の動きもあり,日本はアジア地域における経済面の協力を優先して進めていくべきだ」と答えた者の割合が13.4%となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が18.6%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると「日本はアジア太平洋の一員であるから,世界的な経済面の協力と同時に,アジア太平洋地域における経済面の協力も進めていくべきだ」(44.7%→38.9%)と答えた者の割合が低下している。(図12)
性別に見ると,「日本はアジア太平洋の一員であるから,世界的な経済面の協力と同時に,アジア太平洋地域における経済面の協力も進めていくべきだ」と「欧州統合等の地域統合の動きもあり,日本はアジア地域における経済面の協力を優先して進めていくべきだ」と答えた者の割合は,男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「日本はアジア太平洋地域に限らず,全世界的な視野をより重視して経済面の協力を進めていくべきだ」と答えた者の割合は,30歳代と 40歳代で高くなっている。(表10,参考表)(2) 日本の貿易黒字についての考え方
日本が大幅な貿易黒字を続けていることについて,どう考えるか聞いたところ,「諸外国との協調のため,管理貿易的な手段を用いてでも大幅な黒字を減らす努力をすべきだ」と答えた者の割合が4.9%,「産業構造の調整や規制緩和などを図り,また,社会資本の整備など内需の拡大を図ることにより,大幅な黒字を減らすための最大限の努力をすべきだ」と答えた者の割合が17.6%,「大幅な黒字は減らすべきだが,国内事情もあるのだから慎重に対処すべきだ」と答えた者の割合が42.6%,「日本人は勤勉で高い技術を持ち,安くて良い品を輸出しているのだから,大幅な黒字が続いてもよい」と答えた者の割合が18.0%となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合は16.8%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「産業構造の調整や規制緩和などを図り,また,社会資本の整備など内需の拡大を図ることにより,大幅な黒字を減らすための最大限の努力をすべきだ」(22.9%→17.6%)と答えた者の割合が低下し,「大幅な黒字は減らすべきだが,国内事情もあるのだから慎重に対処すべきだ」(39.5%→42.6%)と答えた者の割合が上昇している。(図13)
性別に見ると,「産業構造の調整や規制緩和などを図り,また,社会資本の整備など内需の拡大を図ることにより,大幅な黒字を減らすための最大限の努力をすべきだ」と「日本人は勤勉で高い技術を持ち,安くて良い品を輸出しているのだから,大幅な黒字が続いてもよい」と答えた者の割合は,男性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「産業構造の調整や規制緩和などを図り,また,社会資本の整備など内需の拡大を図ることにより,大幅な黒字を減らすための最大限の努力をすべきだ」と答えた者の割合は,40歳代と50歳代で,「大幅な黒字は減らすべきだが,国内事情もあるのだから慎重に対処すべきだ」と答えた者の割合は20歳代と30歳代で,それぞれ高くなっている。(表11)
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