内閣府政府広報室
調査の概要
調査の目的
医療技術の進歩に伴う医療上の倫理的な問題に関する国民の意識を調査し,今後の施策の参考とする。
調査項目
(1)先端医療に関する意識
(2)延命医療に関する意識
(3)治療方法の決定に関する意識
調査対象
(1) 母集団 全国20歳以上の者 |
(2) 標本数 3,000人 |
(3) 抽出方法 層化2段無作為抽出法 |
調査時期
平成2年10月18日〜平成2年10月28日
回収結果
(1) 有効回収数(率) 2,209人(73.6%)
(2) 調査不能数(率) 791人(26.4%)
−不能内訳−
転居 | 78 | 長期不在 | 99 | 一時不在 | 312 |
住所不明 | 34 | 拒否 | 234 | その他
| 34 |
性・年齢別回収結果
調査票
Q1 | 〔回答票1〕 最近,臓器移植,体外受精,出生前診断などの先端的な医療技術が話題になっていますが,あなたはこれらの医療技術に関心がありますか。 |
(20.2) |
(ア) |
非常に関心がある |
(48.7) |
(イ) |
まあ関心がある |
(23.0) |
(ウ) |
あまり関心がない |
( 5.7) |
(エ) |
ほとんど(全く)関心がない |
( 2.4) |
|
わからない |
Q2 | 〔回答票2〕 医療には,特に倫理的な検討が必要であると言われている分野があります。あなたはどのような分野で,倫理的な検討が必要だと思いますか。必要だと思うものをこの中からいくつでもあげてください。(M.A.) |
(24.0) |
(ア) |
体外受精(試験管ベビー。試験管内で受精させて体内に戻す) |
→SQへ |
(20.3) |
(イ) |
出生前診断(生まれつきの病気などを胎児の時に診断する) |
→SQへ |
(34.7) |
(ウ) |
臓器移植(悪くなった腎臓などを他の人のものと入れかえる) |
→SQへ |
(23.6) |
(エ) |
遺伝子治療(遺伝子組換えなどの技術により遺伝的な病気を治療する) |
→SQへ |
(26.1) |
(オ) |
末期医療(患者の死が避けられないとみられる段階における医療) |
→SQへ |
(46.5) |
(カ) |
脳死(脳が死んでおり,意識・呼吸する能力が失われ,心臓もそのうちに止まる状態) |
→SQへ |
( 0.4) |
|
その他 |
→SQへ |
( 6.3) |
|
特に必要なものはない |
→Q3へ |
(19.2) |
|
わからない |
→Q3へ |
(M.T.=201.1)
SQ | 〔回答票3〕 それでは,そのような倫理的な検討が必要な事柄はどのように対処していくのがよいとお考えですか。この中ではどうですか。 (N=1,646) |
(23.9) |
(ア) |
各界の人々の参加も求めて話し合い,社会的合意としての基準を決定する |
(23.1) |
(イ) |
医師など,医療に関係する専門家が学会などを通じて話し合い,基準を決定する |
( 9.1) |
(ウ) |
個々の大学や病院などに倫理委員会を作って話し合い,それぞれの施設ごとに基準を定めて対処する |
(36.5) |
(エ) |
本人及び家族,医師など,現場の当事者で話し合い,個々のケースごとに対処する |
( 0.1) |
|
その他 |
( 7.2) |
|
わからない |
Q3 | 〔回答票4〕 医師が治療の方法,効果,危険性などについて患者にわかりやすく説明し,患者が理解・納得した上でその治療方針について同意を得ることが今日の日本の医療に必要であると言われています。あなたはそのことについてどのようにお考えですか。この中ではどうですか。 |
(63.2) |
(ア) |
必要なことであり,もっと強調されるべきである |
(23.0) |
(イ) |
必要なことであるが,すでに行われており,ことさら強調するまでもない |
( 5.2) |
(ウ) |
特に必要だとは思わない |
( 0.4) |
|
その他 |
( 8.3) |
|
わからない |
Q4 | 〔回答票5〕 あなた自身の病気の治療において,仮にいくつかの治療方針があり,医師からその説明を受けたとした場合,最終的にはどのように治療方法を決めることになると思いますか。この中ではどうですか。 |
(58.6) |
(ア) |
最終的には医師の判断にまかせると思う |
( 9.6) |
(イ) |
最終的には家族などの判断にまかせると思う |
(26.8) |
(ウ) |
最終的には自分で判断すると思う |
( 0.6) |
|
その他 |
( 4.3) |
|
わからない |
Q5 | 〔回答票6〕 どんな場合でも,生命の延長が可能な限り,医師はその延長のために,できるだけのことをしなければならないという考え方についてどう思いますか。この中ではどうですか。 |
(35.3) |
(ア) |
そう思う |
(21.2) |
(イ) |
まあそう思う |
(22.5) |
(ウ) |
あまりそうは思わない |
(13.0) |
(エ) |
そうは思わない |
( 8.0) |
|
わからない |
Q6(1) | 〔回答票7〕 生命をのばすために必要な医療を受けることについて,あなたはどう思いますか。この中であなたのお考えに近いのはどちらですか。まず,「(1)あなたご自身の場合」についてはどうですか。(以下(2)から(3)まで順次聞く。)(1)あなたご自身の場合 |
(27.2) |
(ア) |
医学上の最新の成果を十分活用して,延命のために最善を尽くすのがよい |
(65.2) |
(イ) |
あまり不自然なことはせずに,寿命のままにまかせるほうがよい |
( 7.6) |
|
わからない |
Q6(2) | 〔回答票7〕 (2)肉親の場合で,本人の延命の意思がわからない場合 |
(35.5) |
(ア) |
医学上の最新の成果を十分活用して,延命のために最善を尽くすのがよい |
(53.2) |
(イ) |
あまり不自然なことはせずに,寿命のままにまかせるほうがよい |
(11.3) |
|
わからない |
Q6(3) | 〔回答票7〕 (3)肉親の場合で,本人が延命を希望していない場合 |
(21.3) |
(ア) |
医学上の最新の成果を十分活用して,延命のために最善を尽くすのがよい |
(67.3) |
(イ) |
あまり不自然なことはせずに,寿命のままにまかせるほうがよい |
(11.4) |
|
わからない |
Q7 | 〔回答票8〕 あなたは次のような考え方についてどのように思いますか。「治る見込みがなく,死期が近い時には延命医療を拒否することを書面にあらかじめ記しておく。そして,がんの末期などで実際にそのような状態になり,本人の意思を直接確かめられない時はその書面に従って治療方針を決定してもらう。」という考え方についてですが,この中ではどうですか。 |
(46.0) |
(ア) |
賛成する |
→SQへ |
(31.0) |
(イ) |
患者の意思の尊重という考え方には賛成するが,書面にまでする必要はないと思う |
→Q8へ |
( 8.3) |
(ウ) |
賛成できない |
→Q8へ |
( 0.2) |
|
その他 |
→Q8へ |
(14.4) |
|
わからない |
→Q8へ |
SQ | 〔回答票9〕 このような延命医療に関する,書面による本人の意思表示という方法を,我が国ではどのように導入していくべきだと考えますか。この中ではどうですか。 (N=1,017) |
(32.8) |
(ア) |
そのような書面の有効性についての法律を制定するべきである |
(56.6) |
(イ) |
法律を制定しなくても,医師がその希望を尊重して治療方針を決定してくれればよい |
( 0.2) |
|
その他 |
( 2.3) |
|
特にない |
( 8.1) |
|
わからない |
Q8 | 〔回答票10〕 事前に本人の意思の確認ができなかった患者の場合,親や後見人が延命医療を拒否したら,それを本人の意思の代わりとして,治療方法などを決定すればよいという考え方についてどう思いますか。この中ではどうですか。 |
(30.6) |
(ア) |
そう思う |
(42.2) |
(イ) |
そうせざるを得ないと思う |
(10.0) |
(ウ) |
そうは思わない |
( 0.1) |
|
その他 |
( 8.3) |
|
具体的な状況による |
( 8.8) |
|
わからない |
Q9(1) | 〔回答票11〕 あなたは,人間に対して次の事柄を行ってよいと思いますか。それともそうは思いませんか。まず,「(1)胎児の男女判別(生まれる前に男女の別がわかる)」についてはどうですか。(以下(2)から(4)まで順次聞く。)(1)胎児の男女判別(生まれる前に男女の別がわかる) |
(35.4) |
(ア) |
そう思う |
(51.8) |
(イ) |
そうは思わない |
(12.8) |
|
わからない |
Q9(2) | 〔回答票11〕 (2)出生前診断(生まれつきの病気などを胎児の時に診断する) |
(70.3) |
(ア) |
そう思う |
(16.6) |
(イ) |
そうは思わない |
(13.1) |
|
わからない |
Q9(3) | 〔回答票11〕 (3)体外受精(試験管ベビー。試験管内で受精させて体内に戻す) |
(30.3) |
(ア) |
そう思う |
(48.8) |
(イ) |
そうは思わない |
(20.8) |
|
わからない |
Q9(4) | 〔回答票11〕 (4)遺伝子治療(遺伝子組換えなどの技術により遺伝的な病気を治療する) |
(52.3) |
(ア) |
そう思う |
(23.9) |
(イ) |
そうは思わない |
(23.8) |
|
わからない |
<フェース・シート>
( 5.3) |
|
20〜24歳 |
( 6.1) |
|
25〜29歳 |
( 8.3) |
|
30〜34歳 |
(10.0) |
|
35〜39歳 |
(12.4) |
|
40〜44歳 |
(12.0) |
|
45〜49歳 |
(10.3) |
|
50〜54歳 |
(10.8) |
|
55〜59歳 |
( 9.1) |
|
60〜64歳 |
( 7.6) |
|
65〜69歳 |
( 8.1) |
|
70歳以上 |
F3 | 〔回答票12〕 〔学歴〕あなたが最後に卒業された学校はどちらですか。(中退,在学中も卒業とみなす。) |
(30.8) |
(ア) |
小・高小・新中卒 |
(46.8) |
(イ) |
旧中・新高卒 |
(21.5) |
(ウ) |
旧高・高専・大卒 |
( 0.9) |
|
不明 |
F4 | 〔職業〕あなたのご職業は何ですか。(職業の内容を具体的に記入してから,下の該当する項目に○をつける。) |
<自営業主> |
( 3.9) |
|
農林漁業 |
(10.3) |
|
商工サービス業 |
( 1.0) |
|
自由業 |
<家族従業者> |
( 2.8) |
|
農林漁業 |
( 4.2) |
|
商工サービス・自由業 |
<被傭者> |
( 1.9) |
|
管理職 |
( 1.0) |
|
専門技術職 |
(17.2) |
|
事務職 |
(20.7) |
|
労務職 |
<無職> |
(24.4) |
|
主婦 |
( 1.0) |
|
学生 |
(11.5) |
|
その他の無職 |
F5 | 〔回答票13〕 あなたやご家族の方で最近5年間に病気やケガなどで入院したことがある方はいらっしゃいますか。この中ではどうですか。(M.A.) |
(15.0) |
(ア) |
自分が入院した |
(33.8) |
(イ) |
家族が入院した |
(54.0) |
(ウ) |
自分,家族とも入院していない |
( 0.2) |
|
その他 |
( 0.5) |
|
わからない |
(M.T.=103.5)