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原子力の平和利用に関する世論調査(昭和44年3月調査)

2004年7月5日掲載

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内閣府大臣官房政府広報室 世論調査担当
電話番号 03-5253-2111(代表)

世論調査報告書

内閣府政府広報室


調査の概要


・調査の目的
いわゆる「原子力の平和利用」を真に産業・経済の発展,国民の福祉に役立てるためには,これに対する国民の理解と協力が不可欠の要件である。 この調査は,原子力の平和利用に関する世間一般の認識や理解,関心などの実態をとらえ,これを原子力行政一般の参考とするためである。

・調査項目
(1) 原子力に対する一般のイメージ (原子力という言葉を聞いてどんなことを思い浮べるか)
(2) 原子力の平和利用に関する認識・関心・意見
a 平和利用に関する基本体制の周知状況(わが国の「平和利用に限定」の基本体制についてどの程度知られているのか)
b 平和利用の分野に関する認識(各種の分野についてどのように認識されているか)
c 平和利用の積極的な推進についての賛否と関心
 ・平和利用の積極的推進に賛成か反対か
 ・特に推進をのぞむ分野はどれか
 ・推進に反対する者の反対理由は
d 国による研究態勢のあり方(国の機関の研究部門は強化すべきか否か)
(3) 原子力発電の将来性と安全性への信頼感
a 原子力発電の展望(近い将来発電の主力となるのはどれか)
b 原子力発電所の安全性についての信頼感(原子炉の安全性に関する一般の信頼感は)
c 原子力発電所近隣地域への設置に対する賛否(あなたの町や村に原子力発電所ができるとしたら)
(4) 原子力に対する不安感と一般の認識状況
a 日本人の不安感についての意見(いわゆる核アレルギーという意見をどう見るか)
b 世間一般の理解度への見解(原子力に対して一般はよく理解していると思うか)
c 世間一般の関心度(原子力に関するテレビの解説番組があったら見たいと思うか)
d 原子力の解説などの難易(新聞,テレビの解説はむずかしいか)
(5) 原子力船に関する知識と将来への展望
a 原子力船建造計画の周知状況(わが国の原子力第1船の建造を知っているか)
b 原子力船の将来性の展望(原子力船は将来発展すると思うか)
c 国際競争力と原子力船(将来の国際競争に備えて原子力船の積極的建造は必要と思うか)

・調査対象
(1) 母集団 全国の20歳以上の男女
(2) 標本数 3,000人
(3) 抽出方法 層化2段無作為抽出法

・調査時期 昭和44年3月7日〜昭和44年3月13日

・調査方法 調査員による面接聴取

・調査実施委託機関 社団法人 中央調査社

・回収結果
(1) 有効回収数(率) 2,538人(84.6%)
(2) 調査不能数(率) 462人(15.4%)
 
−欠票内訳−
転居 72 住所不明 43
長期不在 76 拒否 74
一時不在
171 その他 26
計462

・性・年齢別回収結果
性・年齢別回収結果




調査票

Q1 あなたは「原子力」という言葉を聞くと,どんなことを思い浮べますか,どんなことでも結構です。(O.A.)



Q2 わが国では,原子力の利用は法律によって平和目的に限られており,軍事目的に利用されることはないのですが,このようなことをお聞きになったことがありますか。
 
(55.0) 聞いたことがある →SQへ
(45.0) ない →Q3へ



SQ それは何という法律かご存じでしょうか……何という法律ですか。
 
(4.2) 原子力基本法と答えた
(50.8) 原子力基本法と答えない



Q3 〔回答票1〕原子力の平和利用にはいろいろありますが,この中であなたが知っていらっしゃるのはどれでしょうか。(M.A.)
 
(71.3) (ア) 原子力発電
(40.2) (イ) 原子力船建造
(32.5) (ウ) 原子炉を利用した学問的技術的研究
(68.0) (エ) 放射線利用による病気の診断やガンの治療
(22.1) (オ) 放射線利用による農作物の品種改良
(14.2) (カ) 放射線利用による食品の保存
(19.7) (キ) 放射線利用による工場製品の品質検査
(16.4) どれも知らない
(M.T.=274.4)



Q4 あなたは,原子力の平和利用を積極的に進めることに賛成ですか,それとも反対ですか。
 
(65.3) 賛成 →SQ1へ
(4.6) 反対 →SQ2へ
(12.8) 一概にいえない →Q5へ
(17.3) わからない →Q5へ



SQ1 〔回答票1〕この中で,あなたが特に積極的に進めてほしいと思うものはどれですか,いくつでも結構です。(M.A.)
 
(33.7) (ア) 原子力発電→Q5へ
(11.2) (イ) 原子力船建造→Q5へ
(19.3) (ウ) 原子炉を利用した学問的技術的研究→Q5へ
(52.8) (エ) 放射線利用による病気の診断やガンの治療→Q5へ
(17.8) (オ) 放射線利用による農作物の品種改良→Q5へ
(12.7) (カ) 放射線利用による食品の保存→Q5へ
(8.3) (キ) 放射線利用による工場製品の品質検査→Q5へ
(2.0) どれも知らない→Q5へ
(M.T.=157.7)



SQ2 なぜ反対ですか。(O.A.)



Q5 原子力の平和利用については国と民間で進めておりますが,国はもっと積極的に研究を進めるのがよいと思いますか,現在ぐらいでよいと思いますか,それとも国はあまりやらない方がよいと思いますか。
 
(48.1) もっと積極的にした方がよい
(14.9) 現在ぐらいでよい
(4.8) 国はあまりやらない方がよい
(9.9) 一概にいえない
(22.2) わからない



Q6 現在,日本でも東海村で原子力発電が行なわれており,その電気は一般の家庭に送られておりますが,あなたはこのことを知っておりましたか。
 
(42.8) 知っていた
(57.2) 知らなかった



Q7 〔回答票2〕ところで,火力発電,水力発電,原子力発電の3種類のうち,今後10年か20年のうちに,発電の主力になるものはどれだと思いますか。
 
(5.0) (ア) 火力発電が主力
(9.3) (イ) 水力発電が主力
(52.5) (ウ) 原子力発電が主力
(0.2) その他
(33.1) わからない



Q8 〔回答票3〕一般には「科学技術の発達した今日,原子力発電所で万一何かの事故があったとしても,原子炉の爆発や放射能で付近を汚染することはない」といわれていますが,あなたもそう思いますか,それともそうは思いませんか。
 
(17.7) 思う
(44.6) 思わない
(37.6) わからない



Q9 もしかりに,あなたの住んでいる町や村に原子力発電所ができることになったら,あなたは賛成しますか,反対しますか。
 
(17.5) 賛成 →Q10へ
(40.8) 反対 →SQへ
(24.2) 一概にいえない →Q10へ
(17.4) わからない →Q10へ



SQ 〔回答票4〕あなたが反対されるのはなぜですか。この中に該当するものがありますか。(M.A.)
 
(18.8) (ア) 原子炉は爆発する危険があると思うから
(22.6) (イ) 付近が放射能で汚れるおそれがあると思うから
(14.1) (ウ) 地震その他の災害により事故が起った時困るから
(9.6) (エ) 廃棄物の処理に不安を感じるから
(8.2) (オ) 地元の産業や日常生活に悪影響があると思うから
(6.3) (カ) 土地の買収や住居の移転にからんで紛争が起るといやだから
(1.4) ない,わからない
(M.T.=81.0)



Q10 〔回答票5〕この中で,お宅の近くにつくってほしくないと思うものがありますか。(M.A.)
 
(49.6) (ア) 石油コンビナート
(33.1) (イ) 製鉄工場
(43.2) (ウ) 原子力発電所
(28.0) (エ) 火力発電所
(36.1) ない,わからない
(M.T.=189.9)



Q11 〔回答票6〕この中で,あなたがご存じのものはどれですか,聞いたことがあるだけのものでもけっこうです。(M.A.)
 
(15.6) (ア) 福井県の敦賀に原子力発電所を建設している
(10.4) (イ) 原子力船の船名を公募した
(14.0) (ウ) 青森県むつ市に原子力船の母港を建設している
(53.4) (エ) 原子炉を利用して,脳シュヨウの治療をした
(48.3) (オ) 東海村の原子力研究所で原子力に関する基礎研究をしている
(8.9) (カ) 放射線を利用して,鉄より堅いプラスチックが出来るようになった
(27.2) どれも知らない
(M.T.=177.7)



Q12 〔回答票7〕日本人は原子力に対する不安感が特に強いといわれますが,あなたはこのことについてどう思いますか,この中ではどうでしょうか。
 
(40.0) (ア) 日本人の原子力に対する不安感が特に強いのは当然だし,強い方がよい
(20.7) (イ) 日本人の原子力に対する不安感は特に強いが,少し強すぎる
(12.6) (ウ) 日本人の原子力に対する不安感は特に強いということはない
(26.7) わからない



Q13 原子力に関する知識についておうかがいしますが,世間一般の人は原子力についてよく理解していると思いますか多少理解していると思いますか,それともあまり理解していないと思いますか。
 
(1.7) よく理解している
(23.5) 多少理解している
(55.6) あまり理解していない
(19.1) わからない



Q14 テレビで原子力に関する解説番組があったら,あなたは積極的に見たいと思いますか,たまたま見ている局でやっていれば見る程度ですか,それとも見たいとは思いませんか。
 
(17.8) 積極的に見たい
(45.9) たまたま見ている局でやっていれば見る
(21.3) 見たいと思わない
(14.9) 一概にいえない,わからない



Q15 新聞やテレビ等の原子力に関する解説はわかりやすいと思いますか,むずかしいがよく聞けばわかると思いますか,それとも非常にわかりにくいと思いますか。
 
(4.2) わかりやすい
(37.2) むずかしいがよく聞けばわかる
(21.7) 非常にわかりにくい
(32.0) 一概にいえない,わからない



Q16 はなしはかわりますが,現在日本でも原子力船の建造が進められておりますが,あなたはそのことをご存じですか。
 
(37.0) 知っている
(63.0) 知らない



Q17 将来は,原子力を動力とする船は多くなると思いますか,それともそうは思いませんか。
 
(57.4) 思う
(7.6) 思わない
(35.0) わからない



Q18 原子力船の建造については,「日本も外国との競争に負けないように,今のうちから積極的に進めるべきだ」という意見がありますが,あなたもそう思いますか,それともそうは思いませんか。
 
(40.5) 思う
(22.9) 思わない
(36.6) わからない



Q19 あなたは,原子力に関する知識は主に何によって知りますか。(M.A.)
 
(59.0) 新聞
(68.6) テレビ
(7.7) ラジオ
(10.4) 雑誌,週刊誌
(6.6) 映画
(0.8) 展覧会,講習会
(2.6) 書籍(単行本)
(2.9) その他
(12.8) 知ろうとは思わない,ない
(M.T.=166.2)



Q20 これまでにお聞きしたことのほかに,原子力の平和利用について,あなたがふだん考えていらっしゃることが何かありますか。(O.A.)



<フェース・シート>

F1 〔性別〕
 
(46.4)
(53.6)



F2 〔年齢〕あなたのお年は満でおいくつですか。
 
(22.7) 20〜29歳
(25.7) 30〜39歳
(20.8) 40〜49歳
(15.3) 50〜59歳
(15.5) 60歳以上



F3 〔学歴〕あなたが最後に卒業された学校はどちらですか。(中退,在学を含む)
 
(9.1) 旧高専大・新大卒
(33.9) 旧中・新高卒
(44.4) 旧高小・新中卒
(12.2) 小卒(未就学)
(0.3) 不明



F4 〔本人職業〕あなたのご職業は何ですか。
 
<自営者>
(11.8) 農林漁業
(8.4) 非農林漁業
<被傭者>
(16.9) 管理職・専門技術職・事務職
(14.1) 労務職(農林漁業の労務者を含む)
<家族従業者>
(7.6) 農林漁業
(2.8) 非農林漁業
<無職>
(28.7) 主婦
(9.7) その他



F5 〔実質上の世帯主の職業〕お宅の生活を主として支えているのはあなたですか。
 
はい(世帯主) →F6へ
そうではない →SQへ



SQ お宅の生活を支えている方の職業は何ですか。
 
<自営者>
(26.4) 農林漁業
(16.4) 非農林漁業
<被傭者>
(31.8) 管理職・専門技術職・事務職
(22.3) 労務職
<無職>
(3.1) 無職



F6 〔生活程度〕(調査員判断)
 
(2.5)
(14.5) 中の上
(58.7) 中の中
(20.5) 中の下
(3.0)
(0.6) 不明

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