2 調査結果の概要
2.国に対する意識について
(1) 国の政策への民意の反映程度
全般的にみて,国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されていると思うか聞いたとこ ろ,「反映されている」とする者の割合が20.9%(「かなり反映されている」1.3%+「ある程度反映されている」19.6%),「反映されていない」とする者の割合が75.3%(「あまり反映されていない」54.5%+「ほとんど反映されていない」20.7%)となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「反映されている」(24.1%→20.9%)とする者の割合が低下し,「反映されていない」(71.2%→75.3%)とする者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「反映されている」とする者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性で,「反映されていない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上で, 「反映されていない」とする者の割合は男性の40歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図10,表9−1,表9−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「反映されている」(24.1%→20.9%)とする者の割合が低下し,「反映されていない」(71.2%→75.3%)とする者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「反映されている」とする者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性で,「反映されていない」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「反映されている」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上で, 「反映されていない」とする者の割合は男性の40歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図10,表9−1,表9−2)
ア 国の政策への民意の反映方法
国の政策に国民の考えや意見が「ある程度反映されている」,「あまり反映されていない」,「ほとんど反映されていない」と答えた者(5,296人)に,どうすればよりよく反映されると思うか聞いたところ,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合が24.9%,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合が20.4%,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合が18.8%,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合が15.4%,「政府が世論をよく聞く」と答えた者の割合が13.3%,「マスコミが国民の意見をよく伝える」と答えた者の割合が4.5%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「国民が国の政策に関心を持つ」(23.0%→20.4%)と答えた者の割合が低下し,「国民が選挙のときに自覚して投票する」(16.3%→18.8%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は町村で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は女性で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は女性の70歳以上で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上,女性の70歳以上で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図11,表10)
前回の調査結果と比較して見ると,「国民が国の政策に関心を持つ」(23.0%→20.4%)と答えた者の割合が低下し,「国民が選挙のときに自覚して投票する」(16.3%→18.8%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は町村で,「国民が国の政策に関心を持つ」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は女性で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「政治家が国民の声をよく聞く」と答えた者の割合は女性の70歳以上で,「国民が選挙のときに自覚して投票する」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上,女性の70歳以上で,「国民が参加できる場をひろげる」と答えた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図11,表10)
(2) 日本の誇り
日本の国や国民について,誇りに思うことは何か聞いたところ,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合が43.6%「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合が41.8%と高く,以下,「美しい自然」(36.5%),「国民の勤勉さ,才能」(29.8%),「治安のよさ」(24.0%)などの順となっている。(複数回答,上位5項目)。
前回の調査結果と比較して見ると,「美しい自然」(41.0%→36.5%)を挙げた者の割合が低下し,「国民の勤勉さ,才能」(27.9%→29.8%),「治安のよさ」(20.6%→24.0)を挙げた者の割合が,それぞれ上昇している。
都市規模別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は大都市で,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「美しい自然」を挙げた者の割合は町村で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「すぐれた文化や芸術」,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性で,「国民の勤勉さ,才能」,「治安のよさ」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は男性の20歳代,女性の20歳代から50歳代で,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性の50歳代,60歳代で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性の40歳代から60歳代で,「治安のよさ」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代,女性の40歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表11−1,表11−2,参考)
前回の調査結果と比較して見ると,「美しい自然」(41.0%→36.5%)を挙げた者の割合が低下し,「国民の勤勉さ,才能」(27.9%→29.8%),「治安のよさ」(20.6%→24.0)を挙げた者の割合が,それぞれ上昇している。
都市規模別に見ると,「長い歴史と伝統」を挙げた者の割合は大都市で,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「美しい自然」を挙げた者の割合は町村で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「すぐれた文化や芸術」,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性で,「国民の勤勉さ,才能」,「治安のよさ」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「すぐれた文化や芸術」を挙げた者の割合は男性の20歳代,女性の20歳代から50歳代で,「美しい自然」を挙げた者の割合は女性の50歳代,60歳代で,「国民の勤勉さ,才能」を挙げた者の割合は男性の40歳代から60歳代で,「治安のよさ」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代,女性の40歳代で,それぞれ高くなっている。(図12,表11−1,表11−2,参考)
(3) 国を愛する気持ちの程度
他の人と比べて,「国を愛する」という気持ちは強い方だと思うか,それとも弱い方だと思うか聞いたところ,「強い」とする者の割合が52.1%(「非常に強い」13.5%+「どちらかといえば強い」38.6%,「弱い」とする者の割合が9.7%(「どちらかといえば弱い」8.6%+「非常に弱い(全くない)」1.2%),「どちらともいえない(わからない)」と答えた者の割合が38.2%となっている。
性別に見ると,「強い」,「弱い」とする者の割合は男性で,「どちらともいえない(わからない)」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「強い」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上,女性の60歳代,70歳以上で,「弱い」とする者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代で,「どちらともいえない(わからない)」とする者の割合は男性の30歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図13,表12)
性別に見ると,「強い」,「弱い」とする者の割合は男性で,「どちらともいえない(わからない)」とする者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「強い」とする者の割合は男性の50歳代から70歳以上,女性の60歳代,70歳以上で,「弱い」とする者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代で,「どちらともいえない(わからない)」とする者の割合は男性の30歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図13,表12)
(4) 国を愛する気持ちを育てる必要性
今後,国民の間に「国を愛する」という気持ちをもっと育てる必要があると思うか聞いたところ,「そう思う」と答えた者の割合が80.0%,「そうは思わない」と答えた者の割合が10.2%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「そうは思わない」(8.8%→10.2%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は小都市で,「そうは思わない」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「そうは思わない」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上,女性の70歳以上で,「そうは思わない」と答えた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代で,それぞれ高くなっている。(図14,表13,参考)
前回の調査結果と比較して見ると,「そうは思わない」(8.8%→10.2%)と答えた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は小都市で,「そうは思わない」と答えた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「そうは思わない」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「そう思う」と答えた者の割合は男性の60歳代,70歳以上,女性の70歳以上で,「そうは思わない」と答えた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代で,それぞれ高くなっている。(図14,表13,参考)
(5) 良い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,良い方向に向かっていると思うのは,どのような分野か聞いたところ,「科学技術」を挙げた者の割合が19.7%「通信・運輸」を挙げた者の割合が18.9%と高く,以下,「医療・福祉」(16.5%),「国際化」(13.9%),「景気」(12.1%),「防災」(11.5%)などの順となっている。なお、「ない,わからない」と答えた者の割合が30.3%となっている。(複数回答,上位6項目)。
前回の調査結果と比較して見ると,「医療・福祉」(23.1%→16.5%),「景気」(16.9%→12.1%)を挙げた者の割合が低下し,「科学技術」(17.9%→19.7%),「通信・運輸」(16.9%→18.9%),「防災」(10.3%→11.5%)を挙げた者の割合が上昇している。
性別に見ると,「科学技術」,「通信・運輸」,「景気」,「防災」を挙げた者の割合は男性で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代,30歳代で,「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の40歳代で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は男性の20歳代で,「国際化」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代から40歳代で,「景気」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代で,「防災」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図15,表14−1,表14−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「医療・福祉」(23.1%→16.5%),「景気」(16.9%→12.1%)を挙げた者の割合が低下し,「科学技術」(17.9%→19.7%),「通信・運輸」(16.9%→18.9%),「防災」(10.3%→11.5%)を挙げた者の割合が上昇している。
性別に見ると,「科学技術」,「通信・運輸」,「景気」,「防災」を挙げた者の割合は男性で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「科学技術」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代,30歳代で,「通信・運輸」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の40歳代で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は男性の20歳代で,「国際化」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代から40歳代で,「景気」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代で,「防災」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図15,表14−1,表14−2)
(6) 悪い方向に向かっている分野
現在の日本の状況について,悪い方向に向かっていると思うのは,どのような分野か聞いたところ,「教育」を挙げた者の割合が36.1%,「治安」を挙げた者の割合が35.6%,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合が33.5%,「国の財政」を挙げた者の割合が32.7%,「医療・福祉」を挙げた者の割合が31.9%,「自然環境」を挙げた者の割合が30.5%などの順となっている。(複数回答,上位6項目)。
前回の調査結果と比較して見ると,「治安」(38.3%→35.6%)を挙げた者の割合が低下し,「教育」(23.8%→36.1%),「雇用・労働条件」(28.9%→33.5%),「医療・福祉」(19.0%→31.9%),「自然環境」(26.1%→30.5%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「教育」,「治安」,「雇用・労働条件」,「国の財政」,「医療・福祉」,「自然環境」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「国の財政」を挙げた者の割合は男性で,「自然環境」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「教育」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代から40歳代で,「治安」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代,女性の30歳代で,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は男性40歳代,50歳代,女性の30歳代から50歳代で,「国の財政」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は男性の60歳代,女性の50歳代で,「自然環境」を挙げた者の割合は男性の40歳代,女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図16,表15−1,表15−2)
前回の調査結果と比較して見ると,「治安」(38.3%→35.6%)を挙げた者の割合が低下し,「教育」(23.8%→36.1%),「雇用・労働条件」(28.9%→33.5%),「医療・福祉」(19.0%→31.9%),「自然環境」(26.1%→30.5%)を挙げた者の割合が上昇している。
都市規模別に見ると,「教育」,「治安」,「雇用・労働条件」,「国の財政」,「医療・福祉」,「自然環境」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
性別に見ると,「国の財政」を挙げた者の割合は男性で,「自然環境」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「教育」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代から40歳代で,「治安」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代,女性の30歳代で,「雇用・労働条件」を挙げた者の割合は男性40歳代,50歳代,女性の30歳代から50歳代で,「国の財政」を挙げた者の割合は男性の20歳代から50歳代で,「医療・福祉」を挙げた者の割合は男性の60歳代,女性の50歳代で,「自然環境」を挙げた者の割合は男性の40歳代,女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。(図16,表15−1,表15−2)
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