２ 調査結果の概要
３ 国連における日本の役割
(1) 国連平和維持活動への参加についての考え方
現在，世界の約90カ国が,国連平和維持活動（ＰＫＯ）に要員を派遣しており，日本も国際平和協力法に基づいて，カンボジア，ゴラン高原，東ティモールなどのＰＫＯや，ルワンダ，アフガニスタン，イラク難民救援などのための人道的な国際救援活動や，ボスニア・ヘルツェゴビナ，コソボ，東ティモールなどにおける国際的な選挙監視活動に参加してきているが，日本はこれからも，国際社会への人的貢献として，こうしたＰＫＯなどの活動に参加すべきだと考えるか聞いたところ，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合が22.1％，「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合が44.7％，「参加すべきだが，出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合が20.0％，「参加すべきではない」と答えた者の割合が4.1％となっている。
前回の調査結果と比較して見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」（26.5％→22.1％）, 「これまで程度の参加を続けるべきだ」（49.7％→44.7％）と答えた者の割合が低下し, 「参加すべきだが，出来るだけ少なくすべきだ」（13.6％→20.0％）と答えた者の割合が上昇している。（図33）
性別に見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は40歳代で,「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合は30歳代で,「参加すべきだが，出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。（表33）
前回の調査結果と比較して見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」（26.5％→22.1％）, 「これまで程度の参加を続けるべきだ」（49.7％→44.7％）と答えた者の割合が低下し, 「参加すべきだが，出来るだけ少なくすべきだ」（13.6％→20.0％）と答えた者の割合が上昇している。（図33）
性別に見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は40歳代で,「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合は30歳代で,「参加すべきだが，出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。（表33）
(2) 国連安全保障理事会の常任理事国入りについての賛否
国連では，安全保障理事会の機能を強化するとともに，地域によって不均衡な議席配分の改善を図るため，構成国数を増加する方向で議論がすすめられているが，日本が安全保障理事会の常任理事国に加わることについてどう考えるか聞いたところ，「賛成」とする者の割合が67.6％（「賛成」33.4％＋「どちらかといえば賛成」34.1％），「反対」とする者の割合が10.7％（「どちらかといえば反対」7.7％＋「反対」3.0％）となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が21.5％となっている。
前回の調査結果と比較して見ると，「賛成」（70.6％→67.6％）とする者の割合が低下している。（図34）
性別に見ると，「賛成」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「賛成」とする者の割合は30歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。 （表34）
前回の調査結果と比較して見ると，「賛成」（70.6％→67.6％）とする者の割合が低下している。（図34）
性別に見ると，「賛成」とする者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「賛成」とする者の割合は30歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。 （表34）
ア 日本の常任理事国入りに賛成する理由
日本の常任理事国入りに「賛成」とする者（1,400人）に賛成する理由を聞いたところ，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合が31.9％,「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合が29.0％と高く,以下,「日本は経済大国になったのだから，世界平和の構築のために積極的に参画していくべきだ」（16.9％）,「国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」（12.1％）,「日本が常任理事国になれば，国連の諸活動に，より積極的に貢献できる」（8.4％）の順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」（27.2％→31.9％）と答えた者の割合が上昇している。（図35）
性別に見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は男性で, 「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は60歳代,70歳以上で,「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。（表35）
前回の調査結果と比較して見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」（27.2％→31.9％）と答えた者の割合が上昇している。（図35）
性別に見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は男性で, 「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると，「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに，重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は60歳代,70歳以上で,「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。（表35）
イ 日本の常任理事国入りに反対する理由
日本の常任理事国入りに「反対」とする者（222人）に反対する理由を聞いたところ，「常任理事国になると，国連に対し，これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」と答えた者の割合が30.6％,「常任理事国になれば，国連の軍事活動に積極的に参加しなければならなくなる」と答えた者の割合が21.6％,「日本が直接軍事活動に参加しなくとも，軍事力の行使を容認する安保理の意思決定に関与すべきではない」と答えた者の割合が15.3％,「常任理事国にならなくとも，経済・社会分野や環境問題などの非軍事的分野で十分な国際貢献を行っていける」と答えた者の割合が14.9％,「国連そのもののあり方に賛成できない」と答えた者の割合が9.9％などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると，大きな変化は見られない。（図36）
性別に見ると，大きな差異は見られない。
年齢別に見ると，「常任理事国になると，国連に対し，これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」と答えた者の割合は70歳以上で, 「日本が直接軍事活動に参加しなくとも，軍事力の行使を容認する安保理の意思決定に関与すべきではない」と答えた者の割合は20歳代で,「常任理事国にならなくとも，経済・社会分野や環境問題などの非軍事的分野で十分な国際貢献を行っていける」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。（表36）
前回の調査結果と比較して見ると，大きな変化は見られない。（図36）
性別に見ると，大きな差異は見られない。
年齢別に見ると，「常任理事国になると，国連に対し，これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」と答えた者の割合は70歳以上で, 「日本が直接軍事活動に参加しなくとも，軍事力の行使を容認する安保理の意思決定に関与すべきではない」と答えた者の割合は20歳代で,「常任理事国にならなくとも，経済・社会分野や環境問題などの非軍事的分野で十分な国際貢献を行っていける」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。（表36）
（３） 国連を通じて行う国際協力の重要分野
日本が国連を通じて国際協力を積極的に推進していく上で，どの分野が重要だと思うか聞いたところ，「国際平和と安全の維持」を挙げた者の割合が70.6％と最も高く，以下，「テロ対策」（45.6％），「環境問題」（43.8％）などの順となっている。（複数回答，上位３項目）（図37）
性別に見ると，「環境問題」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「国際平和と安全の維持」を挙げた者の割合は40歳代で，「テロ対策」を挙げた者の割合は40歳代，50歳代で，「環境問題」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で，それぞれ高くなっている。（表37）
性別に見ると，「環境問題」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別に見ると，「国際平和と安全の維持」を挙げた者の割合は40歳代で，「テロ対策」を挙げた者の割合は40歳代，50歳代で，「環境問題」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で，それぞれ高くなっている。（表37）
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