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4ページ目-児童の性的搾取に関する世論調査(平成14年8月調査)

2002年10月21日掲載

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2 調査結果の概要


3.児童ポルノについて

 (1) 児童ポルノの単純所持が違反ではないことの周知度
 「児童ポルノ」についてカード(資料C)を提示したうえで,現行の「児童買春・児童ポルノ禁止法」では,18歳未満の児童ポルノに関して,販売目的で持つことだけが規制され,単に持っているだけなら違反にならないことを知っていたかどうか聞いたところ,「知っている」と答えた者の割合が29.1%,「知らない」と答えた者の割合が70.9%となっている。(図21
 都市規模別に見ると,「知らない」と答えた者の割合は小都市で高くなっている。
 性別に見ると,「知っている」と答えた者の割合は男性で,「知らない」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「知っている」と答えた者の割合は男性の30歳代から50歳代で,「知らない」と答えた者の割合は女性の15歳から19歳,20歳代,30歳代,60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「知っている」と答えた者の割合は自営業主,管理・専門技術・事務職,労務職で,「知らない」と答えた者の割合は主婦,その他の無職で,それぞれ高くなっている。(表21

〔資料C〕

「児童ポルノ」とは,18歳未満の者を対象とした写真,ビデオテープ,CD,DVDなどであって,次のいずれかに該当するものをいいます。
 1 児童による性交等の姿を写真等で描写したもの
 2 児童の性器を触る姿等を写真等で描写したもので性欲を興奮・刺激させるもの
 3 衣服を着けないか又は衣服の一部を着けない児童の姿を写真等で描写したもので性欲を興奮・刺激させるもの


 (2) 児童ポルノを見た経験
 児童ポルノ(写真,ビデオテープ,CD,DVDなどのほかインターネットの画面を通じて)を見た経験があるか聞いたところ,「見たことがある」と答えた者の割合が9.1%,「見たことはない」と答えた者の割合が90.9%となっている。
 性別に見ると,「見たことはない」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「見たことはない」と答えた者の割合は女性の30歳代から70歳以上で高くなっている。(図22
 職業別に見ると,「見たことはない」と答えた者の割合は主婦で高くなっている。(表22

 (3) 周りに児童ポルノを持っている人の存在
 周りに児童ポルノ(写真,ビデオテープ,CD,DVDなど)を持っている人がいるか聞いたところ,「いる」と答えた者の割合が6.3%,「いない」と答えた者の割合が67.8%となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が26.0%となっている。(図23
 都市規模別に見ると,「いない」と答えた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると,「いない」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「いない」と答えた者の割合は女性の20歳代から40歳代で高くなっている。
 職業別に見ると,「いない」と答えた者の割合は主婦で高くなっている。(表23

 (4) 児童ポルノの入手等について勧誘された経験
 「児童買春・児童ポルノ禁止法」が施行されてから3年くらいたつが,この間に児童ポルノの入手等について有料・無料に関わらず勧誘されたことがあるか聞いたところ,「ある」と答えた者の割合が2.9%,「ない」と答えた者の割合が92.9%となっている。(図24
 職業別に見ると,「ない」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で高くなっている。(表24

 (5) 児童ポルノの単純所持に対する規制の必要性
 児童ポルノを単に持つことも法律で規制すべきだと思うか聞いたところ,「規制すべきだと思う」とする者の割合が80.5%(「規制すべきだと思う」59.5%+「どちらかといえば規制すべきだと思う」21.0%),「規制すべきだと思わない」とする者の割合が9.0%(「どちらかといえば規制すべきだと思わない」4.5%+「規制すべきだと思わない」4.5%)となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が10.5%となっている。(図25
 都市規模別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は中都市で高くなっている。
 性別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は女性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は女性の30歳代から50歳代で高くなっている。
 職業別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は主婦で高くなっている。(表25

  ア 規制すべきだと思う理由
 「規制すべきだと思う」とする者(2,614人)に規制すべきだと思う理由は何か聞いたところ,「児童ポルノの存在自体がよくないと思うから」を挙げた者の割合が67.3%で最も高く,以下,「持つことを禁止しないと必ず商業目的で違反する人が後を絶たないと思うから」(57.2%),「単に持つだけでも児童の権利を害することになると思うから」(36.2%)などの順となっている。(複数回答,上位3項目,図26
 都市規模別に見ると,「単に持つだけでも児童の権利を害することになると思うから」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると,「児童ポルノの存在自体がよくないと思うから」,「持つことを禁止しないと必ず商業目的で違反する人が後を絶たないと思うから」,「単に持つだけでも児童の権利を害することになると思うから」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると,「児童ポルノの存在自体がよくないと思うから」を挙げた者の割合は50歳代で,「持つことを禁止しないと必ず商業目的で違反する人が後を絶たないと思うから」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,それぞれ高くなっている。(表26

  イ 規制すべきだと思わない理由
 「規制すべきだと思わない」とする者(291人)に規制すべきだと思わない理由は何か聞いたところ,「単に持つだけでは児童の権利を奪うものではないと思うから」を挙げた者の割合が45.7%で最も高く,以下,「規制は現行の法令で十分であり,これ以上規制すべきでないと思うから」(22.0%),「「児童買春・児童ポルノ禁止法」による規制そのものが憲法で保障する表現の自由を侵すものだと思うから」(20.6%)などの順となっている。(複数回答,図27表27

  ウ 児童ポルノのうち,性的虐待に対する単純所持規制の必要性
 「規制すべきだと思わない」とする者(291人)にカード(資料C:51頁)を提示したうえで,規制すべき児童ポルノについて1から3のどれかに該当するもののうちで,更に児童が明らかに性的虐待を受けているなど,著しく児童の権利を害するような写真等を単に持つことについては,規制すべきだと思うか聞いたところ,「規制すべきだと思う」とする者の割合が57.7%(「規制すべきだと思う」36.1%+「どちらかといえば規制すべきだと思う」21.6%),「規制すべきだと思わない」とする者の割合が30.2%(「どちらかといえば規制すべきだと思わない」18.2%+「規制すべきだと思わない」12.0%)となっている。(図28表28

 (6) 性欲を興奮・刺激することに限定することへの賛否
「児童ポルノ」についてのカード(資料C)を提示したうえで,児童ポルノの範囲に対する「児童ポルノの条件のうち2,3については性欲を興奮・刺激させるものに限定せず,規制すべきである」という意見について,どのように思うか聞いたところ,「賛成」とする者の割合が80.0%(「賛成」64.6%+「どちらかといえば賛成」15.5%),「反対」とする者の割合が9.2%(「どちらかといえば反対」5.1%+「反対」4.2%)となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が10.7%となっている。(図29
 都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。
 性・年齢別に見ると,「賛成」とする者の割合は女性の30歳代,50歳代で高くなっている。(表29

 (7) 児童ポルノに該当しないもののうち,性的虐待を受けている写真等の規制の必要性
 「児童ポルノ」についてのカード(資料C:51頁)を提示したうえで,規制すべき児童ポルノについて1から3に該当しないもので,児童が明らかに性的虐待を受けているなど,著しく児童の権利を害するような写真等を規制することについてどう思うか聞いたところ,「規制すべきだと思う」とする者の割合が90.5%(「規制すべきだと思う」77.4%+「どちらかといえば規制すべきだと思う」13.1%),「規制すべきだと思わない」とする者の割合が2.1%(「どちらかといえば規制すべきだと思わない」1.4%+「規制すべきだと思わない」0.6%)となっている。
 性・年齢別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は男性の20歳代,30歳代と女性の30歳代から50歳代で高くなっている。(図30
 職業別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表30

 (8) 絵画やイラスト等への規制の必要性
 絵画やイラスト等(モデルが存在しない空想上のものと,モデルが存在する模写とがあります)について,被写体となる児童の権利を守る観点等から絵画やイラスト等を規制することについてどう思うか聞いたところ,「規制すべきだと思う」とする者の割合が76.2%(「規制すべきだと思う」53.4%+「どちらかといえば規制すべきだと思う」23.1%),「規制すべきだと思わない」とする者の割合が10.4%(「どちらかといえば規制すべきだと思わない」7.2%+「規制すべきだと思わない」3.2%)となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が13.5%となっている。(図31
 都市規模別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は中都市で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
 性別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は女性で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は男性の15歳から19歳,20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は主婦で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,それぞれ高くなっている。(表31

  ア 規制すべき内容
 「規制すべきだと思う」とする者(2,473人)に規制すべきだとすればどのような規制を設けるべきだと思うか聞いたところ,「見る者にとって,児童を描いたものと分かるものであれば,たとえモデルが存在しない空想上のものでも規制すべきである」と答えた者の割合が57.4%,「見る者にとって,誰をモデルにしたのか分からなくても,実際にモデルとなった児童が存在するなら規制すべきである」と答えた者の割合が29.2%,「見る者にとって,モデルとなった児童が誰であるか分かるのであれば規制すべきである」と答えた者の割合が8.7%となっている。
 年齢別に見ると,「見る者にとって、児童を描いたものと分かるものであれば、たとえモデルが存在しない空想上のものでも規制すべきである」と答えた者の割合は60歳代で,「見る者にとって,誰をモデルにしたのか分からなくても,実際にモデルとなった児童が存在するなら規制すべきである」と答えた者の割合は15歳から19歳,20歳代,40歳代で,「見る者にとって,モデルとなった児童が誰であるか分かるのであれば規制すべきである」と答えた者の割合は15歳から19歳,20歳代で,それぞれ高くなっている。(図32表32

 (9) 18歳以上の者が児童の振りをする画像の規制の必要性
 たとえ18歳以上の者でも,18歳未満の者のように見える服を身に付けるなど児童の振りをしているポルノ画像を規制することについてどう思うか聞いたところ,「規制すべきだと思う」とする者の割合が71.2%(「規制すべきだと思う」47.4%+「どちらかといえば規制すべきだと思う」23.9%),「規制すべきだと思わない」とする者の割合が14.2%(「どちらかといえば規制すべきだと思わない」9.1%+「規制すべきだと思わない」5.1%)となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が14.6%となっている。(図33
 都市規模別に見ると,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は女性で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は男性の60歳代と女性の30歳代から50歳代で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は男性の15歳から19歳,20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「規制すべきだと思う」とする者の割合は主婦で,「規制すべきだと思わない」とする者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,それぞれ高くなっている。(表33

  ア 規制すべきだと思う理由
 「規制すべきだと思う」とする者(2,313人)に規制すべきだと思う理由は何か聞いたところ,「児童ポルノの流通を助長し,悪影響があると思うから」を挙げた者の割合が66.3%と最も高く,以下,「児童の権利を害するものとして,影響はあると思うから」(49.5%),「18歳以上であることが明白でない限り,規制すべきだと思うから」(37.6%)などの順となっている。(複数回答,上位3項目,図34
 都市規模別に見ると,「児童の権利を害するものとして,影響はあると思うから」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると,「児童の権利を害するものとして,影響はあると思うから」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると,「児童ポルノの流通を助長し,悪影響があると思うから」,「児童の権利を害するものとして,影響はあると思うから」を挙げた者の割合は40歳代で高くなっている。(表34

  イ 規制すべきだと思わない理由
 「規制すべきだと思わない」とする者(460人)に規制すべきだと思わない理由はなにか聞いたところ,「実際にその被写体が児童でなく,被害者がいないから」を挙げた者の割合が54.6%で最も高く,以下,「児童の権利を害するものとは言えないと思うから」(41.7%)などの順となっている。(複数回答,上位2項目,図35
 性別に見ると,大きな差異は見られない。(表35

 (10)インターネット上の児童ポルノの流通を防止するための役割が大きい者
 インターネット上の児童ポルノの流通を防止するために,その役割が大きいのは誰だと思うか聞いたところ,「児童ポルノのサイトを実際に管理,運営している者(サイト管理者)」を挙げた者の割合が60.5%と最も高く,以下,「児童ポルノのサイトをインターネット上で見られるように仲立ちをする者(プロバイダー:インターネットの接続業者のこと)」(46.2%),「通信関係企業を監督する行政機関」(36.2%),「警察等の取締り機関」(34.9%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目,図36
 都市規模別に見ると,「児童ポルノのサイトを実際に管理,運営している者(サイト管理者)」,「児童ポルノのサイトをインターネット上で見られるように仲立ちをする者(プロバイダー:インターネットの接続業者のこと)」を挙げた者の割合は大都市,小都市で,「警察等の取締り機関」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
 性別に見ると,「児童ポルノのサイトを実際に管理,運営している者(サイト管理者)」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「児童ポルノのサイトを実際に管理,運営している者(サイト管理者)」を挙げた者の割合は男性の20歳代と女性の20歳代から50歳代で,「児童ポルノのサイトをインターネット上で見られるように仲立ちをする者(プロバイダー:インターネットの接続業者のこと)」を挙げた者の割合は男性の20歳代と女性の30歳代から50歳代で,「通信関係企業を監督する行政機関」を挙げた者の割合は女性の50歳代で,「警察等の取締り機関」を挙げた者の割合は女性の30歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「児童ポルノのサイトを実際に管理,運営している者(サイト管理者)」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,「児童ポルノのサイトをインターネット上で見られるように仲立ちをする者(プロバイダー:インターネットの接続業者のこと)」,「通信関係企業を監督する行政機関」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,それぞれ高くなっている。(表36

 (11) インターネット上の児童ポルノの流通を防止するために必要な対策
 インターネット上における児童ポルノの流通を防止するために,今後必要なことは何だと思うか聞いたところ,「発信者・サイト設置者に対する法的規制」を挙げた者の割合が53.6%,「利用者のモラルの向上」を挙げた者の割合が50.2%と高く,以下,「取締りの強化」(45.5%),「行政の指導の強化」(44.6%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目,図37
 都市規模別に見ると,「発信者・サイト設置者に対する法的規制」,「利用者のモラルの向上」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると,「発信者・サイト設置者に対する法的規制」,「利用者のモラルの向上」,「取締りの強化」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「発信者・サイト設置者に対する法的規制」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代と女性の20歳代から50歳代で,「利用者のモラルの向上」を挙げた者のは女性の30歳代,40歳代で,「取締まりの強化」を挙げた者の割合は女性の30歳代,50歳代で,「行政の指導の強化」を挙げた者の割合は女性の40歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「発信者・サイト設置者に対する法的規制」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「利用者のモラルの向上」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,「取締りの強化」,「行政の指導の強化」を挙げた者の割合は主婦で,それぞれ高くなっている。(表37


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