2 調査結果の概要
- 経済協力について
(1) 今後の経済協力のあり方
先進国は開発途上国に対して資金や技術協力などの経済協力を行っているが,いろいろな面から考えて,日本はこれからも経済協力を積極的に進めるべきだと考えるか聞いたところ,「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合が23.0%,「現在程度でよい」と答えた者の割合が41.4%,「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合が22.3%,「やめるべきだ」と答えた者の割合が4.8%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「積極的に進めるべきだ」(29.2%→23.0%)と答えた者の割合が低下し,「なるべく少なくすべきだ」(19.3%→22.3%)と答えた者の割合が上昇している。(図14)
性別に見ると,「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は,男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は,20歳代と30歳代で,「現在程度でよい」と答えた者の割合は,30歳代で,「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合は,60歳代と70歳以上で,それぞれ高くなっている。(表12)ア 経済協力を進める理由
経済協力について,「積極的に進めるべきだ」,「現在程度でよい」と答えた者1,356人に,そのように考える理由を聞いたところ,「開発途上国の安定に貢献し,世界の平和に役立つから」を挙げた者の割合が47.0%,「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務だから」を挙げた者の割合が42.8%と高く,以下,「開発途上国の環境問題など解決のため,日本の技術と経験を生かすべきだから」(33.8%),「経済協力は日本の外交政策を進める上での重要な手段だから」(29.5%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務だから」(46.5%→42.8%)を挙げた者の割合が低下している。(複数回答,図15)
性別に見ると,「経済協力は日本の外交政策を進める上での重要な手段だから」を挙げた者の割合は,男性で高くなっている。
年齢別に見ると,「開発途上国の安定に貢献し,世界の平和に役立つから」を挙げた者の割合は,30歳代で,「開発途上国の環境問題など解決のため,日本の技術と経験を生かすべきだから」を挙げた者の割合は,40歳代と50歳代で,「経済協力は日本の外交政策を進める上での重要な手段だから」を挙げた者の割合は,40歳代で,それぞれ高くなっている。(表13)イ 経済協力を進めない理由
経済協力について,「なるべく少なくすべきだ」,「やめるべきだ」と答えた者572人に,そのように考える理由を聞いたところ,「日本国内の経済状態がよくないから」を挙げた者の割合が73.6%と最も高く,以下,「我が国の財政状況がよくないから」(40.6%),「具体的にどのような経済協力が行われているか不透明だから」(28.8%),「現在の経済協力には,現地の状況やニーズへの配慮不足などにより,必ずしも十分な成果をあげていないところが多いから」(28.7%)などの順となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「我が国の財政状況がよくないから」(49.0%→40.6%)を挙げた者の割合が低下している。(複数回答,図16)
性別に見ると,「日本国内の経済状態がよくないから」を挙げた者の割合は,女性で高くなっている。(表14)(2) 今後の経済協力の重点地域
今後,日本はどのような地域を中心として経済協力を行ったらよいと思うか聞いたところ,「アジア地域」と答えた者の割合が50.9%と最も高く,以下,「アフリカ地域」(7.7%),「中近東地域」(3.8%),「どの地域にも同じように行う」(19.1%)などとなっている。なお,「わからない」と答えた者の割合は14.4%となっている。
前回の調査結果と比較して見ると,「アジア地域」(61.1%→50.9%)と答えた者の割合が低下している。(図17)
性別に見ると,「アジア地域」と答えた者の割合は,男性で,「どの地域にも同じように行う」と答えた者の割合は,女性で,それぞれ高くなっている。
年齢別に見ると,「アジア地域」と答えた者の割合は,40歳代で,「アフリカ地域」と「どの地域にも同じように行う」と答えた者の割合は,20歳代で,それぞれ高くなっている。(表15)
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