2 調査結果の概要
- 女性に対する暴力についての意識
(1) 女性に対する暴力をなくすための対策
夫・パートナーからの暴力等に対する関心が高まっているが,女性に対する暴力をなくすためには,どうしたらよいと思うか聞いたところ,「被害女性のための相談機関や保護施設を整備する」を挙げた者の割合が46.7%と最も高く,以下,「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど,被害を受けた女性が届けやすいような環境を作る」(42.3%),「法律・制度の制定や見直しを行う」(35.6%),「犯罪の取り締まりを強化する」(30.1%),「過激な暴力表現を扱ったビデオソフト,ゲームソフト等の販売や貸出を制限する」(30.1%)などの順になっている。(複数回答,図26)
都市規模別に見ると,「被害女性のための相談機関や保護施設を整備する」,「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど,被害を受けた女性が届けやすいような環境を作る」を挙げた者の割合は中都市で,「法律・制度の制定や見直しを行う」を挙げた者の割合は大都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「被害女性のための相談機関や保護施設を整備する」,「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど,被害を受けた女性が届けやすいような環境を作る」,「過激な暴力表現を扱ったビデオソフト,ゲームソフト等の販売や貸出を制限する」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
性・年齢別に見ると,「被害女性のための相談機関や保護施設を整備する」,「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど,被害を受けた女性が届けやすいような環境を作る」を挙げた者の割合は女性の20歳代から40歳代で,「法律・制度の制定や見直しを行う」を挙げた者の割合は女性の20歳代,30歳代,男性の30歳代で,「犯罪の取り締まりを強化する」を挙げた者の割合は女性の30歳代,男性の20歳代で,「過激な暴力表現を扱ったビデオソフト,ゲームソフト等の販売や貸出を制限する」を挙げた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。
未既婚・子どもの有無別に見ると,「捜査や裁判における担当者に女性を増やすなど,被害を受けた女性が届けやすいような環境を作る」,「法律・制度の制定や見直しを行う」,「犯罪の取り締まりを強化する」を挙げた者の割合は未婚で,「過激な暴力表現を扱ったビデオソフト,ゲームソフト等の販売や貸出を制限する」を挙げた者の割合は既婚,子ども有りで,それぞれ高くなっている。(表21,参考表3)(2) メディアにおける性・暴力表現に対する考え方
メディアにおける性・暴力表現について,どのように考えるか聞いたところ,「社会全体の性に関する道徳観・倫理観が損なわれている」を挙げた者の割合が49.1%,「女性の性的側面を過度に強調するなど,行き過ぎた表現が目立つ」を挙げた者の割合が49.1%と高く,以下,「そのような表現を望まない人や子どもの目に触れないような配慮が足りない」(40.8%),「女性に対する犯罪を助長するおそれがある」(22.4%)となっている。(複数回答)
平成9年9月の調査結果と比較して見ると,「女性の性的側面を過度に強調するなど,行き過ぎた表現が目立つ」(54.4%→49.1%)を挙げた者の割合が低下している。(図27)
都市規模別に見ると,「社会全体の性に関する道徳観・倫理観が損なわれている」を挙げた者の割合は中都市で,「女性の性的側面を過度に強調するなど,行き過ぎた表現が目立つ」を挙げた者の割合は大都市,中都市で,「そのような表現を望まない人や子どもの目に触れないような配慮が足りない」を挙げた者の割合は小都市で,それぞれ高くなっている。
性別に見ると,「そのような表現を望まない人や子どもの目に触れないような配慮が足りない」,「女性に対する犯罪を助長するおそれがある」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「社会全体の性に関する道徳観・倫理観が損なわれている」を挙げた者の割合は男性の50歳代で,「女性の性的側面を過度に強調するなど,行き過ぎた表現が目立つ」を挙げた者の割合は男女とも50歳代で,「そのような表現を望まない人や子どもの目に触れないような配慮が足りない」,「女性に対する犯罪を助長するおそれがある」を挙げた者の割合は女性の30歳代,40歳代でそれぞれ高くなっている。
未既婚・子どもの有無別に見ると,「社会全体の性に関する道徳観・倫理観が損なわれている」,「女性の性的側面を過度に強調するなど,行き過ぎた表現が目立つ」,「そのような表現を望まない人や子どもの目に触れないような配慮が足りない」を挙げた者の割合は既婚,子ども有りで高くなっている。(表22)(3) 売買春に対する感じ方
売春やその相手方となることについて成人どうしの場合,どのように感じるか聞いたところ,「当事者間に合意があっても,許せないことである」と答えた者の割合が58.8%,「当事者間に合意があれば,よくないことだが,やむをえない」と答えた者の割合が26.2%,「当事者間に合意があれば,なんらとがめることはない」と答えた者の割合が7.7%となっている。
平成9年9月の調査結果と比較して見ると,「当事者間に合意があっても,許せないことである」(52.5%→58.8%)と答えた者の割合が上昇し,「当事者間に合意があれば,よくないことだが,やむをえない」(33.0%→26.2%)と答えた者の割合が低下している。
都市規模別に見ると,「当事者間に合意があっても,許せないことである」と答えた者の割合は中都市で高くなっている。
性別に見ると,「当事者間に合意があっても,許せないことである」と答えた者の割合は女性で,「当事者間に合意があれば,よくないことだが,やむをえない」と答えた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「当事者間に合意があっても,許せないことである」と答えた者の割合は女性の30歳代から60歳代で,「当事者間に合意があれば,よくないことだが,やむをえない」と答えた者の割合は女性の20歳代,男性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。(図28)
未既婚・子どもの有無別に見ると,「当事者間に合意があっても,許せないことである」と答えた者の割合は既婚,子ども有りで,「当事者間に合意があれば,よくないことだが,やむをえない」と答えた者の割合は未婚で,それぞれ高くなっている。(表23)
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